俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

名古屋駅の地下街でナンパしてみた。

「ウケる技術」の一つに「ロールプレイング」というパターンがある。
キャラ設定を行い、それになりきって役割を演じるというものだ。

ロールプレイングは、設定が難しいと意味不明になってしまうけれど、うまくハマるとずっと笑いを取ることができる。

前の記事で書いた非モテ王と一緒にナンパに行った。
非モテ王のための、ボランティアナンパだ。

非モテ王は絶対に自分では声かけしないので、

「俺が声掛けするから番号ゲットしたい女の子いたら教えて」

と伝えて、街を歩いた。

王は自分が声かけしないことをいいことに、可愛い子ばかりを指示してきた。
この野郎・・・!

ちょっと普通の子にすると、

「うーん、あれはイマイチ・・・」

みたいに言ってきて、自分が声掛けしないからって難しそうな子ばっかりやらせやがって、いい加減蹴っ飛ばしてやろうかなとも思ったけど、グッとこらえて彼の望み通りに声掛けをした。


何人かに声掛けしているうちに、地下歩道を歩く素朴系美女を発見し、満場一致で声掛けすることにした。

満場一致といっても、二人しかいないんだけど。

後ろ側から近づき、横に並ぶ。

さぁ、声掛けだ。

「あのー、お姉さん、ドラゴンクエストって知っていますか?」

「え?笑 あ、はいw」

「いやいや、俺、実は勇者なんですよ。ずっと前から姫を探しておりまして」

「ええ!?」

「お姉さんがもしかして、探し求めていた姫なのかな、と。ここに来てやっと見つけた姫なのかな、と」

「えええー姫~!?笑笑」

「姫!俺の横にいるこいつ(非モテ王のこと)は魔法使いですよ。恋の魔法使い。姫に恋の魔法をかけようかと思って」

「あはははは!」

「姫、こんなモンスターがたくさんいるところを歩いていたら危ないよ!一人で何フラフラしてんのw」

「いやー行くところ無かったんです」

「姫は田舎者だから知らないかもしれないけれど、ここの街で一番最先端を行くカフェがあるんよ」

「え、なに~ww」

「スターバックス」

「あはははは」

「いやいや、スターバックスなめてるでしょ?ただのスターバックスじゃないからね!(非モテ王を指さして)こいつが経営してるスターバックスだから!顔パスだし!」

「なにそれ~」

「というわけで、顧客調査をしなければならないので、スタバ行こっか!10ゴールドでコーヒー飲めるから!」

「経営者なのに金払うんですかー?笑」

「ちょっと経営難なんだよね。役員を特別扱いしない方針なので」

「やばいじゃん~」


なんて言いながら、連れ出し。
我ながら、ひどいトークだったと思う。

なんでついてきてくれたのか。ありがとうございます。

スタバに行くと言いながら、なんか混んでたのでモスバーガーに連れ出した。
非モテ王と女の子を先に席に座らせ、レジで適当なポテトと飲み物を買った。

王、後は頼みますぞ・・・!


モスバーガーで、非モテ王は誠実そうに話していた。

向かい合わせに座っていたので、

「俺、広いほうがいいから隣に座って!」

と隣に座らせた。

30分くらい話して、一番盛り上がったところで、時間制限戦略を使う。
いいところで区切ることで、また会いたくなる作戦だ。


「俺たち、もう一人の友達と予定あるから、そろそろ行くね」

「せっかくだし、ドラクエ部作ろうよ!(非モテ王と)LINE交換しといて(・∀・)」

と王にパスを出し、番号交換完了。


連絡先の交換は、十分に信頼関係を築いてからでいいと学んだ。

職業とかプライベートに関わる情報も、なるべく最初には聞かなくていい。
それも信頼関係が築けた後に聞けばいい。


「さぁ、次行こうか!あの子は後日ゲットしといてな」

非モテ王と握手を交わし、再び街に出た。

王はいまちょうど、LINEをしていて、年末年始のデートに誘っているみたいだ。
王にありがとうと言われ、僕はすごく嬉しくなった。

王に彼女ができることは、自分に彼女ができることよりよっぽど嬉しいことだ。