この記事ではツイッター依存に陥ってしまう原因と、依存症から抜け出す方法を紹介する。
結論から書くと、ツイッターには人間を依存させる仕組みがたくさん仕掛けられており、「強い意志力」だけで抵抗するのはとても難しい。
だから、「物理的に距離を置く」のように「簡単に開けない防御策」を多数用意して、その上で「freedom」のような「強制的にアプリを開けなくなるツール」を使うのがいい、という内容を語っていく。
ツイッターが人生において何の役にも立たないとわかっていながらもツイッターから抜け出せない人にぜひ参考にしてほしい。
それにしてもツイッターはなんて刺激的なんだろうか。
次々とタイムラインに流れてくる扇動的なトピック。
自分のツイートに誰かが反応して、溜まっていく通知。
タイムラインでは誰かが炎上していて、いつも誰かが喧嘩している。
人々はツイッター上で赤裸々に「リアルで言えない本音」を語り、中には“業界の真実”的な暴露話をする人もいる。
匿名ならではのリアルさがツイッターにある。
ツイッターの面白さは仲の良いアカウントが増えていくとさらに加速する。
バーチャル空間でリアルに近い人間関係が構築されていくのだ。
Facebookの友達の広がりはあくまで「リアルで知り合った範囲」でしかないが、Twitterの知り合いは際限なく広がっていく。
僕自身もツイッターを通じてたくさんの人と出会い、様々な知見を得た。
その知見が自分の人生にプラスになったかと聞かれると、正直「プラスになった」といえる自信はないが、大きな刺激になったのは間違いない。
mixi時代にも面白い出会いはあったが、あくまでもリアルの延長での出会いだった。
ツイッターはリアルに比べて出会える範囲が広い。
別の世界から来たようなすごい人と出会えることもあれば、リアルで関わらないようなヤバい人に出会ってしまうこともある。
「薄いつながりの濃い関係」がツイッター上にたくさんできて、その人達の日常が絶えず流れ込んでくるツイッターは実にエキサイティングだ。
ツイッターは面白い。
そんな面白いツイッターをさらに楽しくさせ、中毒症状を加速させるのが「通知」である。
以下では依存症の深刻さや理由を語り、その後で深刻な依存症を治すために僕がやったことを書いていく。
治療法を知りたい人は目次から飛んでみてほしい。
他人からの反応(通知)が依存症を引き起こす
ブログを書くと色々な人から様々な反応がもらえる。
mixi時代から誰かに反応されたときの「赤い文字」が好きだった。
コメントがあると嬉しくなって、5分おきにログインして様子を見てしまったものだ。
その頃から僕は本質的に成長していない。
ツイッターでも同じように、誰かが反応してくれるのが嬉しくて、ついスマホを手にとって見てしまうのだ。
「通知」が依存症を引き起こすのはなぜだろうか?
『僕らはそれに抵抗できない』によると、ツイッターのような「依存症ビジネス」は以下の6つの要素があるため、僕たちを惹きつけてやまないのだという。
- ちょっと手を伸ばせば届きそうな魅力的な目標があること
- 抵抗しづらく、また予測できないランダムな頻度で、報われる感覚(正のフィードバック)があること
- 段階的に進歩・向上していく感覚があること
- 徐々に難易度を増していくタスクがあること
- 解消したいが解消されていない緊張感があること
- 強い社会的な結びつきがあること
ツイッターはまさに上に挙げられた要素が当てはまる。
「いいね!」で支持されるツイートとそうでないツイートはランダムに発生するし、一度バズを経験すると、その報われる感覚をもう一度味わいたくなってしまう。
「いいね!」獲得ゲームだ。
その上でフォロワーとの「社会的な結びつき」までできてしまうと、いよいよ離れられなくなってしまう。
ツイッターには依存症を呼び起こす条件が大量に組み込まれているのだ。
僕たちがゲームに依存するように、ツイッターの開発者たちが工夫しているのは間違いない。
- 作者:アダム・オルター
- 発売日: 2019/07/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ツイッターで承認欲求を満たしてしまう罠
僕は、いや僕たちは、意志が弱い。
だから「気持ちのいいこと」に簡単に流されてしまう。
僕は学生時代にスロットにハマり、「大当たりの快感」に夢中になって、四六時中パチ屋のことばかり考えるようになってしまった。
これが依存だ。
能動的に努力して何かを達成し、そこから快感を得るのは決して悪いことではない。
しかし受動的に得られる快楽に依存してしまうと、日々の生活に支障をきたしてしまう。
ツイッターの刺激は能動的に見えて、他人からの反応に依存している。
フォロワーが増えると反応も指数関数的に増えていくため、ツイッターに極度に依存するとスマホから手が離せなくなる。
アルファツイッタラーの中には一日に5時間以上ツイッターに費やす人もいるらしいが、何が問題かというと、「他人からの反応」に常に振り回されている点だ。
無意識のうちにスマホをいじって、反応を見て喜んでしまう。
いつの間にか時間が飛んでいってしまう。
スマートフォンは「トキトキの実」を喰った悪魔だ。
スマホ依存になると、他人の反応に振り回されたまま受動的に日々を過ごしてしまうため、一日が短く感じるようになり、気付かぬうちに時間を浪費してしまう。
スマホ依存は時間を溶かしていくのだ。
僕たちが意識しなければならないのは、僕たちの時間をあの手この手で溶かそうとしている連中がいる、ということだ。
スマホ依存症に陥ったらどうなるのか?
スマホはネット依存の元凶である。
一人で食事するとき、待ち合わせのとき、電車に乗っているとき、トイレにこもっているとき、行儀の悪い話かも知れないがどうしてもスマホを取り出して眺めてしまう。
スマホは「持ち歩けるインターネット」なので、どんな場所でもつい開いて見てしまうのだ。
依存症が極限まで達すると、スマホがないと苦しくなってしまう。
スマホが見つからないと焦り、「早くスマホが見たい!」という欲求を我慢できない。
最初のうちは「スマホ見過ぎかな?」と感じる程度でも、徐々に日常を侵していく。
スマホ依存が重症化すると、物忘れが激しくなる。
スマホに集中力を奪われるからだ。
ツイッターを見ながら作業しても、内容が全く頭に入らない。
勉強中にスマホを見るのは最も愚かな行為だろう。
スマホ依存は目標達成を妨げてしまう。
限られた人生の、大切な一日をボーッとスマホを見たまま過ごしてしまい、気付けば一日が終わり、週末が終わり、今月が終わり、今年も終わる。
「あれ、俺...何か成長したっけ?」
と後悔してもスマホに溶けた時間は返ってこない。
スマホは感情を大きく揺さぶりすぎる。
脳に大きな影響を与えすぎる。
それゆえにスマホに囚われてしまうと、他のことが頭に入らない。
スマホを触ること自体が目標や目的に通じているならいいが、娯楽や時間潰しスマホを使うのはやめた方がいい。
スマホなんて見なくても、空は青いし、外を歩けば素敵なカフェがあり、博物館があり、図書館があり、美味しいレストランがある。
田舎には山があり森があり、木があり花が咲いている。
手元の小さな液晶ではなく、大きく広がる外の世界に目を向けよう。
ツイッター依存から抜け出す方法
ツイッター依存症から脱出するためにはどうしたらいいか?
依存症から「意志の強さで抜け出す」のはとても難しい。
依存は「仕様」なのだ。
意識をハックされているから「依存」という。
ここから「努力で抜け出す」のは難しい。
本能に抗う行為に他ならないからだ。
依存には「仕組み」で抗うしかない。
「60分勉強したらスマホを見てもいい」
なんてルールを決めたとしても、ほとんどの人は途中で我慢できずにルールを破ってしまうだろう。
スマホを見ないでいると気持ちが落ち着かず、そわそわして画面を見てしまう。
それが依存というものだ。
それでは、依存から抜け出すにはどうしたらいいか?
スマホから距離を置く
まずは物理的な距離を置こう。
スマホを手に取るまでの“手間”を増やそう。
スマホは手元に置かない。持ち歩かない。
一人暮らしの人はマンションの郵便ポストにスマホをしまい、実家の人は親に預かってもらう。
いちいちスマホを取りに行くのは面倒だ。
そのハードルがスマホとの距離を開けてくれる。
ちなみに僕はスマホとの距離を置きまくった結果、LINEすらも見なくなった。
効果はてきめんだ!
とにかく物理的な距離を置いて、簡単に触れられないようにするといい。
インターネットにつながるハードルを上げよう。
ちなみに以下の記事ではハードルをさらに上げるためのナイスな「ツール」を紹介している。
断固たる意志でスマホ依存、ツイッター中毒をやめたい人は、ぜひ読んでみてほしい。
複雑で覚えられないパスワードによる封印
ツイッター依存を克服するためにスマホからアプリを削除したことがある人はけっこういると思う。
でもスマホのアプリを削除しても、すぐに再インストールできてしまうのであまり効果はない。
アプリの再インストールを簡単にできないようにしておこう。
たとえばiPhoneの場合、
設定 > 一般 > 機能制限
をオンにすることで、「機能制限」を設定できる。
「機能制限」を使って、App Storeで新規アプリのインストールをできないように設定する。
どうするかというと、機能制限時に設定する「解除パスワード」を他の人に設定してもらうのだ。
僕の場合はパスワードの設定を、彼女にやってもらった。
彼女がいなかったら母親でもいい。
「最近、スマホに依存してて困ってる。
機能制限したいから僕が予測できず、かつ絶対忘れないパスワードを入れて」
と言ってスマホを渡せばいい。
そこで4桁のパスワードを設定してもらえば設定完了。
もうツイッターはインストールできない。
さらにダメ押しで、ツイッター自体のログインパスワードも複雑で長いものに変更して、メモを書いてどこかにしまうといい。
これもハードル上げの一つだ。
依存の誘惑よりもハードルが高くなると、少しずつツイッターを開くのが億劫になって、離れられる。
何かを習慣にするには21日間連続で続けるのがいいと言われているが、何かの依存を解くにも21日間連続で触れないようにするのがいい。
ここで紹介したような「距離を置くための手法」を試してほしい。
そしてダメ押しの最終兵器が「freedom」である。
freedomはスマホにもパソコンにもインストールすることができる。
「今から3時間」みたいに時間を決めて特定のサイトへのインターネット接続を制限したり、ある曜日のある時間帯にインターネットを遮断する、みたいな使い方ができる。
僕はfreedomを使ってやっと、ツイッターから離れることができた。
どうしてもやめられない人は試してみてほしい。
ネットを通じて人に会わない
ツイッター依存が気になるなら、人に会わないことだ。
社会的なつながりがあると、どうしても「その人が何やっているのか」が気になってツイッターやインスタグラムを開いてしまう。
人と人のつながりによる誘惑はめちゃくちゃ大きい。
だから人とSNSでつながるのはやめよう。
SNSでつながると、その人の行動を追いたくなる。
楽しそうにしているか、悪口を言われてないか、今何をしているのか。
他人に全く興味を持たずにい続けるのは難しい。
だから人に会いすぎないようにしておこう。
ツイッターのオフ会などによく参加する人は特に気をつけたほうがいい。
人と人とのつながりが最もSNS依存を引き起こしやすいし、リアルでつながりがなく、ネット上でだけつながるような相手は常識が違っている場合もあり、トラブルにつながりやすい。
友達をSNSでつながるのを避け、SNS自体をできるだけやらずに、SNS上で相互フォローになった人にはできるだけ会わないようにする。
そうやって「つながり」を断っていくことが、ツイッター中毒の“解毒”につながっていくのだ。