「ネットでやっていいこと悪いこと」という本を読んで、気になる箇所をまとめてみた。



「ネットでやっていいこと悪いこと」という古くからある本を読みました。
ネットを使う上で知っておくとよい基本的なリテラシーが紹介されていたので、要約して紹介します。



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2ちゃんねるやツイッター、ネットの掲示板などでは、非難や罵り合い、相手を攻撃する書き込みがあふれています。

名誉棄損罪とは、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立する」罪のことです。
侮辱罪というのは、「事実を摘示しないで、公然と人を侮辱することによって成立する」罪です。

名誉毀損と侮辱は、似ているようで違います。
両者の違いは、「具体的な例を出したかどうか」です。

具体的に言った悪口は名誉毀損になります。

たとえば、

「○○がブスを連れて歩いていた。ホテルに行っても何もできなかった○○は雑魚すぎる」

という悪口は「名誉毀損」となります。


「○○は馬鹿」

というのは、侮辱になります。

名誉毀損では3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、侮辱罪では1万円未満の科料または20日以下の拘留になります。
さらに、精神的な苦痛に対する損害賠償請求の対象になります。ちなみに、科料とは軽い罰金みたいな意味です。


悪口は、わずかなタイピングとクリックひとつで書き込めてしまいますが、時に高い代償を支払うことになります。

ネットを見ていてカチンとくることは時々あると思います。
そして、本人に直接言えない負の感情を抱くこともあると思います。

でもそういうときに、ネットに悪口を書き込むのはグッとこらえた方がいいでしょう。


長年やっていて気付いたインターネットの法則は、


「自分が疑問に思っていることや腹立たしく思っていることは、他の人も同じように考えている」

「悪口や批判は自分が言わなくても誰かが言う」


ということです。

悪口や批判がない世界があれば素晴らしいですが、たぶんそんな世界はネットにありません。
だからせめて、自分は悪口を書き込まないようにしましょう。


個人的には、悪口を書きたくなるほど、ネット上の他人に興味を持たなくてもいいと思います。
リアルの世界にはもっと腹立つ奴がたくさんいます(笑)

僕も名前も知らないDQNに絡まれたときは殺意を抱きました。
しかし、その怒りのパワーを前向きなエネルギーに変換して、日々筋トレを続けたことで、DQNに絡まれづらくなったのです。

怒りはプラスのエネルギーに変えた方が絶対得です。
得なことをやっていきましょう。


さて、ネットに名誉毀損や侮辱が溢れているのに、実際に逮捕される人が少ないのはなぜでしょうか。
それは、名誉棄損罪や侮辱罪が親告罪だからです。

親告罪とは、「告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪」のことを言います。
被害者が警察や検察に犯罪を申告して加害者の処罰を求めない限りは、誹謗中傷の捜査も逮捕も行われることはないのです。

逆に言うと、名誉を既存された本人が警察や検察に訴えた場合、プロバイダの通信履歴から書き込みをした本人が特定されます。
僕達がIPアドレス等の通信記録から個人を特定することはできませんが、プロバイダは契約者情報を保管しているので、そこから特定される仕組みになっています。
(爆破予告をした犯人があっという間に逮捕されるのはそういう仕組みです)


最後に、言葉の定義をまとめます。

個人情報とは、特定の個人を識別できる情報のことです。
住所や氏名は、個人を識別できるので個人情報です。
写真や映像も個人情報で、携帯番号は個人を識別できないので個人情報とはいえません。

インターネット上に他人の個人情報を公開ことによる罰則ですが、損害賠償や慰謝料請求の対象になる可能性があります。

民事的には、それが不法行為[民法第709条、710条]にあたる場合、損害賠償請求ないし慰謝料請求の対象となる。ただし、不法行為とされても、裁判所で支払いを命じられる金額は少ない(ケースにより異なるが、一般的には10万円~100万円の範囲であろう)

http://www.diana.dti.ne.jp/~anijya/cation.htm

プライバシーとは、以下のように定義されているようです。

1.私生活上の事実であり、
2.公開されると心理的な不安を覚えるものであり、
3.未だ社会一般の人々は知らない情報

人に知られたくない私生活上のことはすべてプライバシーなのである。

法律上にはまだプライバシーに関する記述はないようです。

プライバシーの定義は以下のWebページに詳しく載っています。
http://www.okawa-law.com/lecture/lec20060304.html


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インターネットは人々の生活を便利にした~みたいな、話はよく書かれることですが、
インターネットによって不幸になる人、あるいは嫌な気持ちになってしまう人が増えたのも事実です。

インターネットは、良くも悪くも感情の増幅装置だからです。

ネットを使いこなす技術のことをネットリテラシーなんて言いますが、ネットにおけるマナーも含めてリテラシーと言えるかと思います。
ネットのマナーを身につけるには、別に法律を勉強する必要はなく、ちょっとした思いやりと想像力だけでマナー違反を防ぐことができます。

何かを発信し続ける限り、万人に好かれて愛されることは難しいですが、できるだけ愛のあるインターネットの使い方をしていきたいです。



<参考文献>
ネットでやって良いこと悪いこと