トンネルを抜けるとそこは雪国だった。
首都高を抜け、高速を走る。
まっすぐに北上してたどり着いたのは人類未開の地、群馬。
2ちゃんねるの情報によると群馬には土人や謎の原住民が住んでいるという。
群馬は古いしきたり(村のしきたり?)のため、進学校は男子校と女子校に分かれていて、新幹線はなぜか前橋ではなく高崎に通っていると、地元の女の子が文句を言っていた。
そんな未開の土地・群馬の山奥にあるのが、草津だ。
途中車で寝ていたからわからなかったけど、標高1,130mから1,260mのところにあるらしい。
3月でも最低気温はマイナス10度になる。
凍えるような寒さだった。
さすが群馬である。
草津の観光名所・湯畑の近くに、露店が並ぶ通りがある。
どこも観光客で賑わってはいるが、中でもひときわ目を引く行列があった。
その行列に先にあるのが、草津でおそらく一番有名な蕎麦屋「三國家」である。
目の前には10人を超える列。
俺は待った。
マイナス5度以下の極寒の中、凍える手を震わせながら、蕎麦のためだけに並び続けた。
待ち始めて20分くらいは気楽に待っていたが、40分を超え始めると、この理不尽な寒さにイライラし始めた。
なぜ、こんなにも寒いんだ群馬この野郎!!
そして、なかなか進まない行列に絶望し始めた。
寒くて死にそうだった。
瞳を閉じればあなたが
まぶたの裏にいることで
どれほど強くなれたでしょう
と、レミオロメンが聞こえた。
瞳を閉じてそのまま眠ったら死んでしまいそうだった。
結局1時間近く並び、やっと店に入れた。
店の中で灯るストーブの火が、命の灯火にも思えた。
蕎麦を食うために凍死しそうになったのは初めてだったので、もしまずかったら思いっきり「まずかった」とブログに書いてやろうかと思った。
店の前にあるメニュー。
三國家定番の「三國そば」を頼む。
2.5人前の手打ちそば。
3種類のつけ汁からいくつか選んで、つけて食べる。
田舎汁と都汁を選んだ。
さぁ、実食の始まりだ。
届いた蕎麦は、すごい量だった。
つけ汁につけて、食べる。
こ、これは・・・
う、うまい・・・!
なんてうまさだ!
濃厚な汁。
コシのある蕎麦。
俺の中のグルメ細胞は活性化し、ここが食戟のソーマなら着ているもの全部はだけていたかもしれない。
人生でうまい蕎麦は何度か食べたことがあるが、ここの蕎麦は俺史上かなり際立っていた。
人生で一番うまい蕎麦かもしれない。
満腹にも関わらず、ついでに鴨南蛮そばも頼んでしまった。
まじうめーーーー。
群馬なめてた!
空腹というスパイスが加わった結果かもしれないが、もし草津に行くことがあれば、三國家で蕎麦を食べてみてほしい。
ちなみに、草津は映画「テルマエ・ロマエ2」の舞台にもなった街で、有名な湯畑なんかを夜にプラプラ歩くのは風流があって良いです。
足湯めっちゃ熱かったけど。