俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

腹を割って話すだけでは「恋人との適切な距離感」は掴めない。

ひろせと呼ばれる恋愛工学者が大失恋をした。


その失恋について、彼はこんなブログを書いた。


re-hirose.hatenablog.jp


「ぼくは愛を証明できなかった。」というタイトルから無念さが滲み出ている。


大失恋の末に彼がたどり着いた結論は、ツイッター上で大きな波紋を呼んだ。

特に取り上げられたのは、最後の一文だ。

10人以上の女性と関係を持つことで、ぼくは愛を証明しようと思う。


誠実に付き合ったことについて語る文章の最後にまさかのオチで、ひっくり返った純粋な乙女もいるかもしれない。


ひろせは、大好きな彼女にフルコミットした。
誰とも浮気せず、彼女だけを想った。
今までのチンコ野郎だった過去は捨てて、彼女にフルコミットした。
いつだって全力二階建てだった。


こんな記述もある。

ぼくが仕事が休みで、彼女が仕事の日は工夫して会える時間をつくった。

朝:仕事へ向かう前に、カフェで談笑

昼:一緒にランチを食べる

夜:仕事終わりに迎えに行く


このようなひろせの行動に対して「一方的で一人よがり」という批判が飛び交っていた。

たしかに、ひろせは一人よがりだったかもしれない。
一方的に尽くし過ぎだったかもしれない。


しかし、この行動は「本当に大切にしたい彼女」に対しての、彼の精一杯の誠意だったに違いない。

結果として彼女に響かなかったのは残念だけれど、一生懸命誠実に付き合った彼は、世間に叩かれるようなことは一切していない。
ひろせの愛情表現がその子に合わなかったという話だ。


たぶんひろせ本人も、尽くし過ぎであることはわかっていたと思う。
独りよがりだってことも、ツイッターでいちいち言われなくてもわかっていただろう。



それでも、賭けたかったんだと思う。



好きな子を思いっきり愛すること。
大好きな愛情を全力にぶつけることは「悪いこと」なんかじゃない。


恋愛工学の非モテフルコミット理論なんてクソ食らえだって。

意地とも言えるひろせの愛情表現は、結果として報われはしなかった。

でも、大丈夫だよ。無駄じゃない。
本気の恋愛した経験は、ずっと後まで残るから。

あとに残るのは、本気の恋愛だけ。


女遊びに関しては、ひろせの20倍くらい色んな経験してる俺が言うんだから間違いないw


残るのは、本気だけ。
だから、本気で恋愛したことは間違ってない。


今回の経験を活かして、次はやり方を変えてみればいいんだよ。

次に100%だと思える子が見つかったときは、全力の愛情を上手にぶつけられたらいいね。



★ ★ ★


さて、続けましょう。

上のひろせの記事について、色んな意見がありました。


その中でも目立ったのが、「適切な距離感を掴むことから逃げている」という意見です。

恋愛工学生に手厳しい原田さんはこんなツイートをしています。


居心地の良い適度な距離感について、恋人と腹を割って話せばいいとのこと。

大正解。非の付け所のない正論です。
誰もが正しいと考える一般論だと思います。


まったく、もし一般論の国というのがあったら、君はそこで王様になれるよ。


こんな方法も紹介されておりました。

一言で言うと「相手の立場に立って考えましょう」ということです。


ちなみに、このツイートは以下の記事のスクリーンショットのようです。

→worldlovestandard.com/shuri/blog/?p=1071

(※情報商材のようなサイトで、リンク貼りたくないからURLはhttp省きました。
SHURI Life Stage Schoolというブログの2014年10月29日の記事。
見たい人はGoogle ChromeのURLバーに上のURLの切れ端を貼り付けてEnterでOK!)


上のサイト、タイトルの副題は「内面を磨き、望みを現実に変えまくる幸せ女子の秘密のレッスン」とあります。
このサイトから記事を引用してくるって、相当女子力高いと思うので、コスメ大好き男としては見習わないと。

アットコスメをくまなくチェックしてるくらいじゃまだまだだな、と思いました。



話はそれましたが、「腹を割って話す」ことで「恋人との適切な距離感」を掴むことはできるのでしょうか?




★ ★ ★



「私のどこが好き?」


に正確に答えられる人は実はとても少ない。


顔が可愛くて、優しくておっぱいが大きいから


というぼんやりとした答えになってしまうことが多いだろう。

優しいって具体的にどこが優しく感じた?

と聞かれると、困ってしまうかもしれない。


女も同じである。

「好きな人のどこが好きか」という問題について、明確に言語化できる子は少ない。
同様に、「適切な距離感」を正しく言語化することも難しいだろう。

というか、そもそも「距離感」という言葉自体が曖昧だ。


距離感とはなんだろうか?

ひろせが叩かれていた例から、距離感を「会う頻度」と定義してみよう。

付き合っていたら、こんな会話はすると思う。


優香っていつも忙しそうだけど、電話できそうな時間帯とかある?

んー、22時くらいかな?でも忙しくても全然いいよ(^^)

お~わかった!なるべく22時くらいに電話するわ

 * *

ね、実際のところ、週に何回くらい会いたいって思う?

え、週に~、2回とか。
でも仕事してると難しいよねー。

そだね、無理ない範囲で一緒にいよーや

 * *


こういう会話は「距離感(=相手が望む会う頻度)」を掴む会話にほかならない。

この会話は別に勇気がいることではなく「腹を割る」ほど大げさなものではない。
何気ない会話の中で距離感は探れる。


しかし、である。

問題は「相手の希望を全て取り入れること」が「適切な距離感」ではないということだ。

それは単に「都合の良い距離感」である。


「適切な距離感」と「都合の良い距離感」は混同されやすいが、「適切な距離感」とは、相手の都合に全て合わせるものではない。


相手が最も「愛情を感じる(=脳内に占める割合が大きくなる、追いかけたくなる、会いたくなる)」距離感こそが、恋愛における「適切な距離感」だ。
それは相手の「都合の良い距離感」よりは、若干少なめの腹八分目の頻度である場合が多い。




★ ★ ★ ★




「距離感」を「感情(心)の距離」と定義すると難しい。
なぜなら、感情は理性で生み出すものではなく、本能的に沸き上がってくるものだからである。

感情が沸き上がる→理性で感情を解析して、理解する→解析した感情を言葉にする

というプロセスを経て、感情を正確に言葉にすることは難しい。

だから「適切な心の距離感(=お互いの感情の重さを合わせること)」を「腹を割って話す」ことで調整するのは難しいのである。

もちろん「あなたにこうしてほしい」という要望や意見を聞くことはできる。


しかし。
たとえば・・・

マイちゃん、俺の気持ち重かったりする?

んーん、そんなことないよ

こんな会話する時点で既にゲームオーバ感半端ないし、どんなに腹を割って話そうとしても、相手の感情は正確な言葉で表現されることは少ない。
正確な言葉で表現できる稀有な人がいたとしても、それを正確にパートナーに伝える人はさらに少ないだろう。


消費者に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。製品をデザインするのはとても難しい。
多くの場合、人は形にして見せてもらうまで自分は何が欲しいのかわからないものだ。


これはスティーブ・ジョブズの言葉だが、恋愛でも同じことが言える。


女の子に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。距離感をデザインするのはとても難しい。
多くの場合、女は形にして見せてもらうまで自分は何が欲しいのかわからないものだ。



★ ★ ★


なんでも言うことを聞いてくれる、自分のことを大好きな男には見向きもせず、
連絡しても返信来ない、会いたいときになかなか会ってくれない男を追いかけてしまう女の子はどこにでもいるだろう。

そんな彼を追いかけている女の子に、「あなたが望む彼との距離感は?」と聞くと、

「もっと会いたい」

「もっと連絡してほしい」

「自分のことだけ見てほしい」

と答えるだろう。

言語化される希望(=彼女が望む距離感)は上に挙げたようなものであるにも関わらず、そうじゃないダメそうな男に惹かれてしまう例は多い。


遺伝子にプログラミングされた恋愛感情の発火装置は「自己の生存と繁殖率を高める」ために役に立つ異性を選択するようにプログラムされている。
それは理性によって言語化される「建前」と乖離している場合が多い。


それゆえに、恋人とただ腹を割って話すだけでは不十分で、女の本能に組み込まれたプログラムがどういうロジックで動いているのかを学習しなければならない。

そのロジックは女性の口から聞くのではなく、たくさんの経験を積むことによって初めて体得することができる。
経験を積むことで、女子の感情を発火させるプログラムを理解し、ハッキングすることができるようになるのである。

もちろん、プログラムを理解することは、一人の女性と長期的な関係を築くためにも役に立つ。

なぜならそれは、女性を本能的に(=心から)満たすことに他ならないからだ。