社会人になる前に「私の財産告白」という本を読みました。
本の著者は本多静六という人です。
この本のオリジナルが出版されたのが1951年。
日本の「公園の父」と呼ばれた彼は、多くの公園の設計に携わりました。
多くのランニング愛好家に愛される福岡の大濠公園や、東京の日比谷公園、その他にも多くの公園の開演に本多静六が関わっています。
多くの功績を残した本多静六博士ですが、今改めて注目されているのが、その財産形成方法です。
本多清六博士は、25歳のときから始めた「四分の一貯金法」によって莫大な財産を築きあげました。
もちろん東大教授である彼の収入は決して低くありませんが、富豪と呼べるほどの財産を築き上げる教授はごく一部でしょう。
彼が際立った財産を残ることができたのは、若い頃から実践してきた「四分の一貯金法」のおかげなのです。
現代とは物価が異なるため比較しづらいのですが、Yahoo知恵袋(笑)の情報などを参考にすると、現在の価値に直すと100億近くの財産を築き上げたものと推測されます(検索しても総資産の情報がほとんど出てこないのですが、森林投資(?)の5,000万×140倍(物価上昇分)=70億くらい?)
本多静六博士の正確な総資産はさておき、投資法は極めて理にかなったものであるため、現代に生きる浪費家である私にも大変参考になります。
本多式四分の一貯金法とは、以下のような貯蓄法です。
「あらゆる通常収入は、それが入ったときに天引きで四分の一を貯金してしまう。
さらに臨時収入(ボーナスなど)は全部貯金する。
収入が増加した場合は再度計算し直す」
式にすると以下の通りです。
1年間の貯金 = (通常収入 × 1/4) × 12ヶ月 + 臨時収入全て
本の印税やボーナスなどは臨時収入とし、全て貯金します。
今の時代だと、副業のnoteやアフィリエイトで得た収入も全部貯金です。
本多静六博士は「四分の一貯金法」を25歳から15年間続け、生活が安定し始めたタイミングで、貯金を投資に回しました。
40歳になる頃には利息からの収入が本業の給料を超えたそうです。
利子が高かった時代とはいえ、凄まじいですよね。
また、本多静六博士は
「本業に支障がない程度に本業の助けになるアルバイトも行うこと」
を推奨しています。
本の中では「アルバイト」という言葉を使っていますが、本多静六博士自身は、本業の助けになるように毎日1ページ分の文章を書き、書籍を出版していました。
今で言うと、毎日勉強して、毎日ブログを書くようなものでしょうか。
彼は一日1ページを毎日続けることで、生涯で370冊もの著作を生み出すことになったのです。
「ちりも積もれば山となる」を地で行くような人ですよね。
昔読んだ経済学の教科書に、「人間は一度生活水準を上げてしまうと、所得が下がったとしてもなかなか生活水準を一緒に落とすことはできない」と書かれていました。
誰の理論か忘れちゃったけど、一度贅沢をしてしまうと、その生活を捨てることはとても難しいようです。
本多静六先生は、「私の財産告白」の中で、
「貯金をする上での一番の弊害は虚栄心である」
と述べています。
貯金をつづけていく上に、一番のさわりとなるものは虚栄心である
いたずらに家柄を誇ったり、いままでのしきたりや習慣にとらわれることなく、一切の見栄をさえなくすれば、四分の一天引き生活くらいはだれにでもできるのである。
自分の値打ちが銀もしくは銅でしかないのに、暮らしの方は金にしたい。
金メッキでもいいから金に見せかけたい。
こういった虚栄心から多くの人が節倹できないのである。
(略)
人生をより安全にし、生活をより健全にしようとするならば、むしろ一歩を退いて───事実は一歩を進めて───実力以下の銅なり、鉄なりの生活から出発していくべきだろうではないか。
僕は若い頃に一度この本を読んで、ちゃんと貯金しようと思ってはいたのですが、東京の生活の中で虚栄心が膨れ上がり、浪費が浪費を呼び、とんでもないことになってしまいました。
全然貯金できていません。
虚栄心に敗北したのです。
本の最後の解説で、本多静六さんは次のように紹介されています。
世の中には誰もが勝てる勝負がある。
しかし、ほとんどの人はそういう勝負には参加をしない。
本多静六という人が人生で行った勝負は、その「誰もが勝てるが、ほとんどの人がしない勝負」だった。
誰もが勝てる勝負だけど、誰も参加したがらない勝負というものは実はたくさんあって、そのほとんどは苦痛を伴うものだったり、面倒なものなんだと思います。
本多静六先生が言う、
「人生即努力、努力即幸福」
の考え方を日々実践することで、勝てる勝負の舞台に上がれるのではないかと思いました。
- 作者: 本多静六
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2005/07/10
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個人的には、コツコツと天引き運用するなら、インデックスファンドを積立てくのがいいと思います。
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