以前、「WILLPOWER 意志力の科学」という本を読みました。
- 作者: ロイ・バウマイスター,ジョン・ティアニー,渡会圭子
- 出版社/メーカー: インターシフト
- 発売日: 2013/04/22
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (18件) を見る
若干記憶が薄れてきているのですが、本の中でこのように言われていました。
意志力というのは無限に湧き出てくるものではなく、有限である。
そして意志力の源泉は一つである。
たとえば、サッカーと勉強を両立すると言っても、その意志力の源泉は一つであり、片方をやれば意志力は消耗し、もう片方をやる意志の力は減少する。
これを絵にするとこんなイメージになります。
意志の力は同じ桶の中から救い出す水のようなもので、何か強い意志を持って行動するたびに消費していくものです。
「意志の力」を「やる気」と言い換えてもいいかもしれません。
高校や大学で部活を本気で頑張っていたとき、勉強をする気にはなかなかなれませんでした。
今年のはじめ頃、女遊びに時間を割いていた時期がありました。
適度に遊んでいても、それを気分転換にすれば勉強も捗るだろうと思っていたんですが、結果は散々で、全く勉強する気にもなりませんでした。
僕の意志力は下の絵のように、「勉強を始めよう」とする頃には既に枯渇していたんだと思います。
★ ★ ★
さて、ここで気になることが一つあります。
僕は上の方で、「部活を本気でやっていたら勉強する気にならなかった」と書きました。
しかし、世の中には部活をちゃんとこなしつつ、勉強もしっかりと片付け、一流大学に合格するような人がたくさんいます。
そういう人の意志力は際立って大きいのでしょうか?
「WILL POWER」の中では、このように書かれています。
習慣にしてしまえば、意志力を使うことはない。
何かを習慣にしてしまうことで、意志力を消耗することなく、物事にとりかかることができるということです。
これはつまり、「良き習慣が、良き人間を作る」と言い換えることもできます。
何を習慣にするか?
どんな能力を身に付けたいのか?
そのためにどんな日々を送るのか?
それらをよく考えて、目的に沿った習慣を身につけることが大切だということです。
「人間が何かを習慣にするには21日間同じことを続ける必要がある」とどこかで読んだことがあります。
たとえ小さなことであっても、継続し続けることはすごく難しい。
逆に言うと、自分の目的に沿った習慣を作り、それをずっと継続することで大きな差がつき、結果として大きな成果を残せるものなのかもしれません。
イチローの言葉が、それを端的に示しています。
小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。
★ ★ ★
世の中には多くの「成功本」が溢れ、多くの人が「私の成功談」を気持ち良さそうに語っています。
お前らも俺のようになれ、俺の真似をすれば成功できる!
と。
でも、この「成功」とは一体何でしょうか?
自己啓発本を書く人はビジネスで成功した経営者が多い印象ですが、金を稼げば成功ですか?上場すれば成功?
いえ。成功は、一人ひとりが「自分にとっての成功は何か?」とその時々で考えて定義されるものです。
もちろん、金を稼いで良いマンションに住むのが成功と考えてもいい。
100人の女と性交しまくる人生が成功でもいい。
たくさんの人に認められるのが成功でもいい。
成功なんて求めずに、ひっそりと生きるのが成功なのかもしれない。
自分の価値観に沿って、まず「自分にとっての成功」を考えることがスタートです。
それは人に押し付けることはできない。
そしてここからが本題ですが、成功というのは、どうやら「運」と「努力」でできているらしい。
何を成功と定義するかによりますが、たとえば「大学受験に合格すること」を成功とするならば、成功に占める努力の割合はかなり大きなものとなるでしょう。
就活のように、面接官との相性などに左右される場合は、運の要素がやや大きくなります。
そして、「成功」における「運」の割合を小さくするものが、「努力」だと思います。
良い習慣を作り、意志力を消耗せずに淡々と努力を続けることで、運に任せてしまう部分を小さくできるのではないでしょうか。
僕はけっこう目先の快楽に流されがちです。
あらかじめ「何に意志力を使うか」に優先順位をつけておかないと、目の前の「楽しいこと」に無限に時間を取られてしまいます。
本に書かれているように、目標に向かって計画を立てて、その計画を達成するための努力を習慣にして、ひたすら継続する。
文章にするとすごくシンプルですが、やってみると難しいですよね。
だからこそ、強い意志の力が必要なんです。
それは余計なことで無駄遣いできないものなんです。