俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

出会ったごく一部の人間が、組織の印象を決定付けることもある。




出会ったごく一部の人間が、組織の印象を決定付けることもある。

我々が出会う人間は組織のごく一部の人間であって、その人がその組織の全てではない。

ツイッターでは、

「商社マンはみんなチャラい」

「広告マンはノリよすぎで色々ひどい」

なんて、業種で一括りにして語られがちだが、実際は誠実で一途な商社の友達もいるし、童貞みたいな広告マンもいる。
出会った人間は、組織の全てではないのだ。


これは大学を振り返るとわかりやすいだろう。
同じ大学の中でも、アホもいれば恐ろしく優秀な人間もいたはすだ。

個人の集合体が組織だが、出会った個人が組織とイコールとはならないのである。


さて、そんなことは頭の中でよくわかっているのだが、
それを差し引いて考えても、僕は早稲田大学の人が好きだった。


理由は簡単。

出会った人がみんな本当にいい奴だったからだ。

就活の時期、早稲田の子と付き合っていた。

高田馬場駅のアトムの音楽を聞くと、その子と待ち合わせした日々を思い出す。

その子には友達がたくさんいて、ジュードバーという謎のバーに連れて行ってくれた。
早稲田の学生が運営するというバーで、最初は部外者として侵入するのを怖れていたけれど、みんなが温かく迎えてくれたおかげで馴染むことができたと思う。

あの頃出会った人達は、今でもFacebookでつながっている友達だ。

ある投資銀行にインターンシップに行ったとき、出会う奴のほぼ全員がプライドの高すぎる嫌な感じの奴らで、1週間あるインターンの半ば頃にはほとほと嫌気がさしていたんだけど、そこにいた早稲田生だけはなぜかいい奴だった。

用意されたホテルを二人で夜な夜な抜け出し、「こいつら...ヤベェな」なんて語ったものだ。
ボーイズラブではない。

彼は三菱商事に入ったと聞いたが、元気にしているだろうか。
俺はきみのおかげで救われたんだ。


もちろん、冒頭で書いたように、出会った個人は組織そのものを示すわけではない。
したがって、早稲田生の全てがいい奴とは限らない。

でも不思議なことに、僕が出会う早稲田の人は100%いい奴しかいなくて、帰納法的に「早稲田=いい奴」と言わざるを得ないのである。


さて、前置きが長くなったけど、そんな思い出深き早稲田の地に足を踏み入れたのが先週の話だった。


友達から

「高田馬場にめちゃ美味しい味噌ラーメンあるから行こう」

と誘われたのである。

うまいラーメンに目がない僕は二つ返事でオッケーし、何年ぶりかもわからないくらい久しぶりに、高田馬場に足を踏み入れた。

そのときのツイートがこちらである。



高田馬場のビッグボックス。通称ビクボ。

早稲田と何の関係もない人には、この「ビッグボックス」に込められた意味がわからないだろう。
正確に言うと僕自身も何の関係もないんだけれど、ビクボ前に転がる早稲田の新歓生を助けたことがあるので、もはや僕は早稲田と他人とは言えないだろう。

早稲田生の血と汗と涙とゲロが詰まっているのが「ビクボ前のロータリー」なのである。


そして、この日目指したラーメン屋はビッグボックスとは何の関係もない。

この駅横の道をまっすぐ歩いた先にある。

f:id:hideyoshi1537:20160307191441j:plain

この道はラーメン激戦区で、学生が好きそうな炭水化物が多そうな店が並ぶ。


学生時代「B級グルメの神」と呼ばれた僕にとって、とても落ち着く匂いだ。


f:id:hideyoshi1537:20160307191501j:plain


高田馬場駅から歩いて8分くらいの位置にある店が今回の目的の店である。


f:id:hideyoshi1537:20160307191546j:plain


「羅偉伝」

幽遊白書で最も強いと言われていた妖怪が雷禅だが、
高田馬場で最も旨いと言われているラーメンが羅偉伝である。


早速ノーマルの味噌ラーメンを注文する。

刮目せよ!これが馬場最強と呼ばれるラーメンである。


f:id:hideyoshi1537:20160307191659j:plain


麺は縮れ麺。いかにも北海道っぽいラーメンである。


f:id:hideyoshi1537:20160307191711j:plain


ラーメンにうるさいヒデヨシだが、これはうまい。

なかなかのものである。
少なくとも、僕がこよなく愛する味の時計台よりはうまいではなかろうか。

若干脂が濃くて、既にジジイとなった僕は途中で胸焼けしてしまった。

しかし学生のときなら。
学生の自分だったらペロッと平らげることができただろう。
今の自分が情けない。

ラーメン一杯食べて、駅に戻る。
そのまま帰るのが寂しくなって、少し早稲田方面に歩いた。

f:id:hideyoshi1537:20160307191824j:plain


この街は、夜に遊ぶような施設はカラオケくらいしかない。

どんだけカラオケ多いんだ。
ロータリーで死亡してるお前らみんな歌手志望か!
この日俺に蓄えられたのは腹の脂肪だ!


就活時代に歩いた景色とこの日見えた景色はたぶんほとんど変わってないけれど、僕はずいぶん大人になった。

東京に染まった僕の目から見た高田馬場駅は、学生の頃に見たよりも、どこか暗く見えた。
僕は東京の光に慣れすぎたのかもしれない。


少しだけ切ない気持ちで山手線の改札をくぐる。

階段を上がる途中で、アトムのメロディが届いた。