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俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

「1分間を無駄にしない技術」という本を読んで時間の使い方を考えた。


昨日、ツイッターのタイムラインで見つけて買ってみた本の感想です。

受験業界では有名な和田秀樹さんの時間術の本です。
彼は灘高から東大理三に進学し、医者の仕事をこなしつつ毎年40冊の本を出すようなマルチな活躍をしています。

そんな彼が、時間をどのように使っているのかを記した本です。

読んで有用だと思った部分をまとめますので、読者の方々の参考になれば嬉しいです。




* * *


時間をレコーディングせよ

この本で最も有用だったのは第4章「時間をレコーディングせよ」という記述だった。
受験勉強本などでは推奨されている古典的な手法ではあるのだが、

「時間の使い方を記録して見える化する」

というのは、思っているよりはるかに効果がある。
時間というのは目に見えないものだからだ。

たとえば、今日の僕の時間の使い方を見てみよう。

7:50 起床
7:50~8:10 TSUTAYAで借りたCDをiPodに同期させる
8:15に家を出て、
8:30にエクセルシオールに着いた。

ここで気付いたのは、エクセルシオールまでの移動に15分もかかっているということである。
15分あれば、英単語帳のDUO3.0を100ページ分音読することができる。

エクセルシオールに着いた後を見てみよう。
コーヒーを飲みながらツイッターを見ていた。

今日もドヤ顔でエクセルシオールのネタをツイートしようと企んだが、気の利いたセリフが思いつかなかったのでやめた。
ここでツイッターをいじっていたのが、8:40から8:50である。

実に10分間、ツイッターの世界に入り込んでしまっていたわけだ。
10分あれば、英単語帳のDUO3.0を60ページ分音読することができる。

急にお腹が痛くなって、トイレに向かった。
8:50にトイレに駆け込み、席に戻ったのが9:05である。

実に15分間もトイレにこもっていたことになる。
これは安心して入ったトイレのウォッシュレットが故障していたことが大きな原因だが、エクセルシオールに到着してから実に25分もの間、勉強を全くしていないことが発覚した。

これがレコーディングである。

続けよう。

10:00にエクセルシオールを出て、10:13に家に帰った。
10:13から風呂に入り、出たのが10:39であった。

26分も風呂で何をしていたというのだ。
26分は日本の成人男性の一回の聖なる行為にかかる時間の平均である。

風呂から出た後にツイッターを見ると、チュムチュム手越さんからリプライが届いていた。


このツイートに対する返信を考え、実際にツイッターに以下の投稿を投げるまでの時間が10:40~11:15となっている。



午前中だけでツイッターに40分以上の時間を使ってしまっているのだ。

これはとんでもない時間の浪費である。
40分あれば英単語帳のDUO3.0を(以下略)

こうやって記録することで、午前中だけでかなりの時間を無駄にしていることがわかった。

レコーディングの利点は、時間の使い方を記録することで見えない時間の使い方を可視化し、PDCAを回して改善していくことにある。

移動中に日経のラジオを聞いてもいいし、それこそ英語の勉強をしてもいい。
風呂に長く入ってしまうのであれば、シャンプーの手を早く動かしてみてもいい。
ツイッターを見てしまうのであれば、スマホをどこかに放り投げておけばいい。

問題の原因を理解し改善することで、無駄な時間をなくしていくことがレコーディングの意義であると僕は思う。

その上で、和田秀樹氏は

  • 5分で何ができるのか
  • 10分で何ができるのか
  • 30分で何ができるのか
  • 1時間で何ができるのか

という自分の特徴を押さえておき、時間をうまく配分してスケジュールせよと言っている。

受験でよくいわれる「スキマ時間を活用せよ」というものである。

生きるために必要な時間は削らない

「休憩時間や睡眠時間を削って時間を生み出そうとするのはもっとも間違ったやり方だ」

と和田氏は言う。


休憩や睡眠は一定量必ず確保しなければならない。

睡眠を削ることによって能率が落ちるのであれば何の意味もないからだ。

単位時間あたりの生産性を重視するべきで、大事なのは何時間やったかではない。
だから、睡眠時間はちゃんと確保せよ、という。

僕自身の経験を振り返っても、睡眠時間というのは極めて重要なものである。
寝不足でもなんとか起きることはできるが、眠い目をこすりながら仕事をしても全然生産性は上がらない。

昔僕は「短時間睡眠」というのに憧れて、一日3時間睡眠を身に付けることにチャレンジしたことがある。
睡眠時間を3時間にできれば、一日3時間多く時間を有効活用することができる。

人生で見たら、15年分の時間を生み出せる!

などと考え、睡眠時間を削ってみた。

しかし、結果は散々だった。

3時間起きている時間は増えたが、ボーッとしている時間も3時間増えた。
その他の時間の生産性は半分以下になり、一日を無駄にしてしまうことになった。

睡眠、食事の時間は何があっても確保するべきである。
しかもできれば良質な睡眠を取り、規則正しい生活を送るのが人間の活動の理にかなっている。

夜遊びもリズムが狂ってしまうので良くない。

決まった時間に眠り、十分な睡眠を確保し、決まった時間に起きる。

当たり前のことを当たり前に続けることが、日々の生産性を高めるコツであるように思う。

人生のピークを受験時代に持ってくる人

さて、ここまで本書の有用な部分について書いてきたが、気になる点もいくつかある。
その一つ目が、和田秀樹氏が自身の受験の経験にとらわれすぎていることだ。

彼は1960年生まれで、この本は2009年に書かれた。
49歳のときに書いた本に

「灘高生の時間の使い方」

という自分の高校時代のコミュニティの人間の時間の使い方が書かれている。

和田秀樹氏が高校の時代は1975年~1978年の頃であり、当然携帯電話などというものはなく、オイルショックが起きた時代の話である。

2009年になっても高校の時の話を持ち出し、「時間の使い方」の話を受験勉強に当てはめて語ろうとするのは、彼の人生のピークが高校~大学受験にあったからなのではないだろうか。

というのも、本の中で語られるのは受験勉強の時間の使い方の話が圧倒的に多く、医者になってからの経験はほとんど語られていないからである。


もちろん、人生のピークが常に「今」である必要はない。
皆に桜木花道のような人生を求められているわけではないのだ。

一方で、社会に出てからも18歳時点の偏差値である「大学」の話をしたがる人がたまにいるが、
そういう人は基本的に社会に出てからはパッとする成果は残していないのだろうと考えている。

もちろん、大学受験で成果を残したというのは素晴らしいけれど、その後の人生で今の自分を語れるように生きていきたいものだ。

色々手を出してしまったら、どれも中途半端になりがち


上記で和田秀樹氏の人生のピークが受験期にあったのではないか、という仮説を立てた。

しかし、よくよく調べてみると、和田秀樹氏は映画「受験のシンデレラ」が第5回モナコ国際映画祭で作品賞、主演男優賞、主演女優賞、脚本賞の4冠に輝くなどの業績を残している。

肩書も大阪府出身の受験アドバイザー、評論家(教育・医療、政治・経済)、精神科医(川崎幸病院精神科顧問)、臨床心理士、国際医療福祉大学大学院教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)、起業家、映画監督、小説家などと多彩である。

ただ、「受験のシンデレラ」を含めたとしても、和田秀樹氏の業績として一番に語られるのは「数学は暗記だ」をはじめとする「受験本」であり、マルチな才能で常人に比べて圧倒的に活躍はしているものの、その多くは受験時代の貯金を使っているように見える。
もちろんそれでも僕のような凡人の256倍くらいすごいのだが、あれだけ大きな才能を持ちながら、社会人になってから何か一つの分野で大きな功績は残していないように感じる。


和田氏のマルチな活躍を見て、僕はドラッカー本のある記述を思い出した。

強みをもつ分野を探し、それを仕事に適用させなければならないことは、人の特性からくるところの必然である。
人の卓越性は、一つの分野、あるいはわずかの分野において実現されるのみである。

確かに多彩なものに関心をもつ者は存在する。万物の天才といわれる人達である。
ただし多くの分野において卓越した実績のある者はいない。レオナルド・ダ・ヴィンチでさえ、その広範な関心にもかかわらず、デザインの分野で業績を残しただけである。
もしゲーテの詩がすべて失われており、余技の工学や哲学の業績が残っていただけならば、百科事典の脚注にも値しなかったに違いない。

ドラッカー名著集1 経営者の条件より


素晴らしい才能を持つ人間は、何をやっても普通の人以上にできてしまう。
だから、次々と色んなことに手を出してしまいがちなんだけど、そこはグッと我慢して、「コレ」と決めた分野に自分の力を注ぎこむことが大切なのではないだろうか。

1分間をムダにしない技術 (PHP新書)

1分間をムダにしない技術 (PHP新書)

ドラッカー名著集1 経営者の条件

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