俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

映画「ちはやふる下の句」を観て、部活で学んだチームプレイの大切さを思い出した。





「ちはやふる」上の句に続いて下の句が公開された。
下の句に関しては公開初日に観に行ってきたのですが、これがなかなか面白かった。

僕は昔から体育会系の部活をやっていたので、こういうスポ根系の部活の話に心を打たれてしまう。
仲間と一緒に全国大会を目指した高校の部活は、今までもかけがえのない思い出だ。

あの頃に費やした時間は今、1円の価値にもなっていないかもしれない。
もし部活に費やした時間の全てを受験勉強に費やし、英語を学び、プログラミングをやっていたら、もしかしたら今の年収は3倍くらいになっていたかもしれない。

それでも僕は、もし高校時代に戻れたとしても、もう一度部活に入るだろう。
部活をやっていない高校時代なんて考えられないからだ。

小学校の頃から大学まで、実に13年間。
趣味とは言えないレベルで部活に情熱を傾けた。

朝早く学校に行って練習して、昼休みに弁当をかっ込んで練習した。
放課後の部活では誰よりも遅くまで残った。休みの日は学校に筋トレの器具がなかったので、地元のジムに行った。ずっと続けていくうちに、少しずつ、少しずつ成長し、気付いたら地元では誰もしらない人がいないくらいのプレイヤーになった。

そのとき僕は、努力は報われることを学んだ。
人に認められることの喜びも、人に頼られる嬉しさも、そして、目立つことの快感も(笑)

一方で、高校2年まで僕が全然気付けていなかったことがある。

"自分の力で"チームを勝たせたいと思っていた。
自分が頑張って、チームを引っ張ることができれば、それでいいと。

でも高2のときに、一人ではどうしようもできない壁にぶつかって、僕はもう一つ大切なことを学ぶことになる。
それが、チームワークの大切さである。

仕事だって同じだ。
一人でできることには限りがある。

世の中では、一人の傑出した才能が生み出したものが世界を席巻する様子が大袈裟に語られる。

Facebookを生み出したザッカーバーグ。
iPhoneを生み出したスティーブ・ジョブズ。
日本だったら、楽天に勤めながらGREEを開発した田中良和など(だいぶオワコン化しているが...)

ここに書かれている人たちには傑出した才能があったかもしれないけれど、やっぱり彼らだって一人ではなかった。

マーク・ザッカーバーグにはエドゥアルド・サベリンという共同創業者がいたし、
ジョブズとウォズニアックという二人のスティーブがガレージで始めたのがアップルという会社だ。
田中良和のひどいPHPのコードを、後から入って綺麗にリファクタリングしたたくさんのメンバー達。

皆、チームワークによって、大きな成果を上げたのである。


一人でできることには限りがある。
だから、チームメンバーのモチベーションを高め、同じ方向を向いて努力していけるようチームビルディングに気を使わなければならない。

高校2年になってやっと、そのことに気付き、理論もヘチマも無いなりに、メンバーの個性を引き出すように練習を組んだ。

そうすると、チームはもっともっと強くなった。
あとは、自分自身を「チームに貢献する」という視点から捉え直し、スタンドプレー的な行動はできるだけしないように気をつけた。個性を殺すわけではない。
「自分のためにプレーをするのではなくチームのためにプレーすることが、結果として自分に返ってくる」というように考え方を変えたのである。チームプレーの喜びを覚えた仙道のように。

結果、メンバー全員が底上げされ、チームは強くなり、地区(あるいは県)では負けないレベルまで成長した。

元々は弱小進学校だったのが、よく頑張ったと思う。
本当は、もう一度やり直せるならもっともっと強くできたけれど。


ここまで書いてほとんどちはやふるの感想を書いていなかったんだけど、僕がよかったなと思うのは、個人戦のときだ。

個人戦でも「チームで闘っている」という意識を忘れなかった彼らは、互いに励まし合い、仲間に力を与えた。

チームは、個人に力を与えるものなのである。
人間はプログラムと違って、精神状態でパフォーマンスが大きく変わってくる。
本当に全然変わる。

アスリートが極端に集中した状態を「ゾーン」という。
試合中の全てが自分の思い通りになるような感覚に包まれる状態だ。

このゾーンに入るときは、だいたいがチームのために、チームメンバーの期待を背中に背負ったときだったと記憶している。

かるたの女王と闘っているときの千早はおそらく、仲間の存在をパワーに変えて、ゾーンに入ったのだろうと思う。

社会人になって、部活のノリで仕事をする機会はほとんどなくなった。
あの頃みたいに、全員が主体性を持って、同じ方向を向いて進んでいくときの高揚感を、仕事でも味わいたいものだと思っている。


ちはやふる(1) (BE・LOVEコミックス)

ちはやふる(1) (BE・LOVEコミックス)