俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

僕は何度も何度も短時間睡眠を試み、そのたびに失敗し、睡眠時間の確保は絶対必要だという結論に至った。




睡眠時間を3時間に減らせたら、どんなに素晴らしいことだろう。
16歳の頃からずっと思ってた。

短時間睡眠を習得したら、一日に使える時間が4時間も増える。
そうしたら、勉強もできる。
遊ぶこともできる。

一日4時間、多くの時間が使えるとしたら。

12年で17,520時間持ち時間が増えることになる。

これは730日分。
つまり、一日4時間×12年間で、丸々2年分の時間が増えることになる。

素晴らしいことじゃないか。


そんなことをずっとずっと考えてきた。
そのたびに、何度も短時間睡眠にチャレンジし、そして一度も成功することはなかった。

巷にある「3時間熟眠法」という本を読んだことがある。
「短時間睡眠を身に付ける方法」はたしか、こんな感じだったはずだ。

(1)まず24時間起きてください
(2)24時間起きた後に、5時間寝てください
(3)また24時間起きてください
(4)3時間寝てください
(5)それからはずっと3時間睡眠で

僕は(1)で挫折した。
24時間起きることができなかったのである。

たしかに、一日中遊んで騒いでいたら24時間起きていることもできるかもしれない。
ロックフェスは夜通し起きていた。翌日泥のように眠ったけど。

机に向かったり勉強しながら24時間起きているのはとても難しい。
動かないと眠くなってしまう。

何度も失敗しているからわかるんだけど、短時間睡眠を実践しようとするときの精神状態は常に同じパターンを繰り返している。

0時頃は、まだまだ余裕。
今日一日起きてられるわ。今日いいし。
なんて考える。
時間が増える喜びの方が圧倒的に大きい。


でも、2時くらいになると、目がしぱしぱしてくる。
この頃からだんだんと、「なんでこんなことやってるんだっけ?」と思い始める。
なぜ俺はこんな時間まで起きているんだろう?


3時から4時は魔の時間だ。
定期試験の前や緊急の仕事のように、よっぽどの危機感がないと起きていられない。
クラブで女のケツを追いかけているときはなぜか目が冴えるのだけど。

いずれにしても、「よーし短時間睡眠を身に付けよう」程度のモチベーションだと、確実に睡魔に負ける。

4時を過ぎたあたりで、
「もういい...もういいんだ...眠れるだけでいい。
本当に、ちょっとだけ。少しだけでいいから、横になりたい」

なんて考え始める。死ぬ直前のメルエムみたいに。

そして、一瞬でも横になったらそこで終わりだ。

目は覚めない。
しかも寝るのが遅かった分、寝坊して一日を無駄にする可能性が高い。
時間を増やすどころか、時間を減らして、ついでに後悔まで残る。


そう、僕は短時間睡眠の夢を見て、夜中まで起き、眠り、本当に夢を見て、そして後悔してきた。


歴史上の偉人達を考える。

ナポレオンは3時間睡眠だった。
レオナルド・ダ・ヴィンチは2時間。
エジソンは4時間。

現代だったら明石家さんまが3時間、尾田栄一郎は4時間睡眠をずっと続けているという。


同じ人間なんだから僕もきっと...なんて考えていた時代もあった。
でも、短時間睡眠はきっと、体質によるものが大きい。
残念ながら僕にショートスリーパーとしての素質はないみたいだ。

短期的には短時間睡眠を続けられても、必ず揺り戻しが来る。
寝なかった分、まとめて寝てしまう。

そして、今は会社員をやっている以上、会社でのパフォーマンスを上げなければならない。
そうすると、短時間睡眠で日中ボーッとすることはできない。昼寝もNGだ。

結局、短時間睡眠を頑張ってパフォーマンスを犠牲にするか、ぐっすり寝て生産的な一日を過ごすかのトレードオフになってしまう。

睡眠不足というのは、思っている以上に日常に悪影響がある。
まず、言語能力が著しく低下する。

日本語の言い回しが重くなり、言葉がスラスラ出てこなくなる。

睡眠が不足している日は気分が暗くなり、テンションも低くなってしまう。
極度の睡眠不足の日は、パソコン画面を見てはいても、何も仕事が進まないことがほとんどだ。

結局、時間が増えた分以上に生産性が落ちてしまうため、得られるものは少ない。
だから、短時間睡眠にして時間を増やすよりも、無駄な時間を削ることのほうがよっぽど大切だという結論に至った。

これは貯金と同じだ。
年収を増やすのはとても難しいけれど、支出を減らすのは自分の意志があればなんとかなる。
僕たちは皆、「増やす」ことを望みがちだけど、「無駄を減らす」ことにフォーカスを当ててもいいんじゃないか。

ツイッターを眺める時間。
LINEのグループで無駄にチャットする時間。
ネットサーフィンする時間。

たくさんの無駄が転がってる。
それを全部省けば、一日に2時間くらいは捻出できる。

ちなみに、1日2時間を12年間続けると、8,760時間。
これは24時間×365日分の時間が生まれる。

これで全然いいんじゃないかなって思うんだ。
さぁ、今日もゆっくり眠ろう。