ヒデヨシは激怒した。
必ず、かの邪智暴虐のギャルを見返してやらねばならぬと決意した。
ヒデヨシにはオシャレがわからぬ。
ヒデヨシは、体育会系の男である。
ジャージを着て、Tシャツを着回し暮らしてきた。
けれども、侮辱に対しては人一倍に敏感であった──────。
こんばんは、これは私だ。
クラブに行き、女に声をかけ、そこで言われた一言が、
「え、ダサくない!?」
であった。
許しておけぬ。
必ずや、オシャレになって見返してみせる。
そう決意し、購入したのが
MB先生の新作「毎日コーディネート塾」である。
「ほぼユニクロで男のオシャレはうまくいく」
このキャッチフレーズに惹かれた。
何ぶん、私には金がないのだ。
理屈はいいからさっさと俺をオシャレにしてくれ。
俺はもう一度、あのギャルを口説かねばならぬ。
並々ならぬ決意を抱き、なけなしの金を握りしめ、山手線に飛び乗り、辿り着いたのが新宿であった。
MB本では25種類のマストアイテムが紹介されている。
私はこのアイテムが手に入る駅を一つ一つ調べ、アイテムマップを作成した。その結果、新宿に行けばだいたいのアイテムは手に入ることがわかったのであった。
新宿駅で天を仰ぎ、私は叫んだ。
オシャレな男に!
俺はなる!
麦わら帽子を買わんばかりの勢いで、新宿を駆ける。
慣れない新宿を走り、最初にたどり着いたのが「ビックロ」なる店であった───。
* * *
MBアイテムを買い揃えようとした時に、まず初めに訪れるのはユニクロである。
そしてこのビックロというのは、少年漫画に出てきた緑色の大魔王ではない。
新宿3丁目駅近くにある、ビックカメラとユニクロがフュージョンしたような店である。
しかし、私はビックカメラに用はない。とにかくユニクロである。
お目当ては、MB本でマストアイテムとされているユニクロのデニムとセーターでござる。
昔からMBさんに絶賛されているのがユニクロのスキニーフィットテーパードジーンズ。
これはMB界では最強のアイテムとされている。ファッション界の範馬勇次郎である。
最強たる理由は以下3つ。
1「細身の黒」といった、デニムながらスラックスに近いドレスな印象
2.胴長短足の日本人体型をカバーできる
3.トレンドやスタイルを問わない
とにかく。
困ったときは、スキニーフィットテーパードジーンズ。
これを履いておけば、無難にオシャレになれるはずだ。
早速購入。
スキニーフィットテーパードジーンズが4,000円。
エクストラファインメリノセーターが3,000円。
計7,000円でとりあえず私はオシャレになれただろうか?
自己評価では、少なくとも「無難」にはなれたと思っている。
皆さんにも、見ていただこう。
その前にBefore。
これは私の私服である。
毎週末このパーカーを着てカフェに行き、コーヒーを飲み、日がな一日ツイッターをやっている。
店員からすると完全に不審者だ。こんなにも売上に貢献しているというのに。
買ってきたユニクロを着てみた結果。
ど、どうすか...?
...けっこうそれっぽくなってませんか...?
オシャレになったかはわからないが、少なくとも無難にはなったはずだ。
「こんな僕でも無難になれた」という本を書いて出版したいくらいである。
しかし...記事を読んだ方のコメントはこれだった。
MBさん気になってたけど、興味が失せてきた…
— 大僧正(17才 15日目) (@DJ_hanakuso) 2017年2月21日
なかなか反応は世知辛く、思わず記事を消しそうになったが、ここで心を折ってはいけない。
気を取り直して、家にあったデニムを合わせてみよう。
ちなみにこのデニム、ピチピチしているので普段は着ない。
「こんばんは、いい人です」
なんか爽やかになってしまった。
悪の化身と呼ばれたこの私が、鮮やかなブルーのジーンズをまとい、爽やかになってしまった。
ちなみにMB本で紹介されているのがラウンジリザードというブランドのスリムなデニム。
ラウンジリザードのアイテムはシルエットが綺麗に出て、シンプルで大人っぽいものが多い。
実はこのデニムも3年くらい前に衝動買いしたラウンジリザードのデニムである。
太ったのでキツくなってしまった。
さっき着ていたデニムにセーター。
その上に適当にジャケットを羽織ったのがこれです見てください。
街でよく歩いてるチャラい人みたいになりました。
「こんばんは、チャラ男です」
顔を隠せば、私もチャラ男。
写真だと全身真っ黒に見えて、泥棒のようだ。
MB理論では、おしゃれに見えるシルエットは3種類あると言われている。
・Yライン(トップスが太く、ボトムスが太い)
・Iライン(トップスが細く、ボトムスも細い)
・Aライン(トップスが細く、ボトムスが太い)
ムダ毛のVIOではない。
ファッションのYIAである。
上の写真ではXLのニットを着ているので、Yラインだろうか。
個人的には、ニットはピチピチで着るよりも、少しゆったりで着るのが好みである。
なぜなら、肩が凝るからだ。
さて、ここで改めて、理論を学んでおこう。
MB本では「ドレス」と「カジュアル」という言葉が使われる。
ドレスというのは、スーツのように、カッチリとしたアイテムのこと。
カジュアルというのは、パーカやスウェットのように、ラフなアメカジっぽいアイテムのことだ。
日本人は幼く見えがちなので、
ドレス:カジュアル=7:3
でバランスを取ることが推奨されている。
上の写真にドレス度をプラスするにはどうしたらいいだろうか?
私が目をつけたのは、靴である。
楽だからといって、私はいつもスニーカーばかりを履いている。
しかし、私もいい大人だ。というかおっさんに限りなく近い。
革靴を履き、ドレス度をプラスするのは、大人の嗜みではなかろうか。
せっかくなので、この機会に普段履き用の革靴を買ってみることにした。
MB本で紹介されている革靴は「パドローネ ダービープレーントゥシューズ」である。
新宿だと駅のルミネにパドローネの専門店が入っている。
張り切って行ってみたものの、なんだか店員が強引だったので、渋谷に脱出。
その話は一個前のブログにさりげなく書いた。
→服を買いたくなる店員と、買いたくなくなる店員の違い。 - 俺の遺言を聴いてほしい
それで、気分を改めて翌週行ってみたのが、渋谷の「ミッドウエスト トウキョウ メン」という店で、数は少ないながらパドローネの靴を取り扱っている。
ここは店員が気さくないい人で、履いてみた感触も良く、グッと心に響いたので即購入。
買ったばかりでツヤツヤしている。
ドレス度を足して、大人の男になれるだろうか?
上の服装に革靴を合わせるとこんな感じになった。
たしかにドレス度が上がった気がするが、なんとなく、ギャルからは遠くなった気もする。
大人になるということは、ギャルとの接点がなくなることなのかもしれない。
最後に、MB本で紹介されていた白Tシャツ(ユニクロ)と、ロング丈のカーディガンの組み合わせを試してみよう。
夏以来タンスにしまいっぱなしだったので、Tシャツはしわくちゃだった。
これは...!
大学生だ...!
大学の食堂にいた奴だ...!
最後にちょっと若返った気になって、再びギャルにLINEを送る。
若返った俺を見ろ!
跪き、この俺と優勝せよ!
当然、そのLINEに既読がつくことはなかった───。
ほぼユニクロで男のオシャレはうまくいく スタメン25着で着まわす毎日コーディネート塾
- 作者: MB
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/02/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【追伸】
ここ数年服を買っていなかったのだけれど、一度買ってしまうと欲望が止まらず、堰を切ったように本に載ってるアイテムを買いまくってしまった。
こちらはMB本で紹介されていたユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシングのカットソーとアニアリのクラッチバッグ。
クラッチバッグは最初は抵抗あったけど、使ってみると超便利だった。
ブログで一人ファッションショーをやっている私を許してほしい。
私にはブログ以外に、買った服を誰かに見せる場所がないのだ。
昔、MBさんの本を買った時に書いた記事もあるので、興味がある人は読んでほしい。
MB本を再現できたかどうかはわからないが、できるだけ紹介されたアイテムを真似しながら集めたつもりだ。
本当にオシャレになれたかどうかの判断は、読者に委ねたい。