【感想】海外ドラマ「24(TWENTY FOUR)」が面白すぎる



高校のときに付き合っていた彼女が

「私いま、ジャック・バウアーに夢中なの」

と言ったとき、僕は鼻で笑った。

「お前は何を言っているんだ。ジャックより夢中になるべき男が目の前にいるだろう?」

彼女は僕を無視してジャック・バウアーの魅力を語る。

「『TWENTY FOUR』って知ってる?海外ドラマ。超面白いから」

「知らん。そんなことより、もっと面白いことを二人でしないか?」

目先の性欲に惑わされることなく、あの時の彼女の言葉を真剣に聞いておけばよかったと今になって思う。

センター試験の文法問題すら解けない彼女に海外ドラマの何がわかるのかと、僕は内心馬鹿にしていたが、それは過ちであった。

ジャック・バウアーは最高だ。
いま僕は12年越しにジャック・バウアーに夢中になっている。

あのとき僕が彼女と一緒に「24」を見ていれば。
共通の趣味として、一緒に海外ドラマにハマっていれば、後に彼女との間に気まずい沈黙が訪れることもなかったかもしれない。


* * *


Fire TV Stickとは、テレビのHDMI端子に差し込むと大画面でAmazonビデオやHuluを見ることができる魔法の棒である。
僕の股間についている何の役にも立たない肉棒と違って、Amazonの棒は生活を激変させるポテンシャルを持つ。

こんな感じでテレビの裏に挿すと...

テレビにジャック・バウアーが映る!

そして、Amazonのプライム会員だと「24」のシーズン1〜9が無制限に視聴可能となっているのだ。


非常に危険である。


趣味でやってるオンライン英会話の先生に

「英語を身に付けたいなら英語で映画を観たり、ドラマを観るのがいいよ」

と教えてもらったので、物は試しとちょっと観始めたら止まらなくなった。
先月に観始めてからノンストップでシーズン5に突入しており、各シーズン24話で、一話1時間(実際は45分くらい)としても100時間くらいを費やしているわけだ。

これは学生時代に簿記二級を取るために勉強した時間と同じくらいであり、これくらい勉強すればおそらくセンター試験の倫理は満点を取れる。とにかく、それくらいの時間をひたすらジャック・バウアーと共に過ごし続けているのだ。

恐ろしい中毒性である。



* * *


ジャック・バウアーはCTUと呼ばれる架空のテロ対策組織の一員である。
アメリカに襲いかかるテロリストの陰謀を防ぐべく、ジャック・バウアーは24時間闘い続ける。

その闘いはいつも一筋縄ではいかず、ジャックは常にピンチに陥っている。
味方の中にスパイがいたり、ジャック自身がスパイとして敵の組織に侵入したり、時に殺されそうになったりと、命がけで国家を守る男のストーリーだ。

僕がこのドラマを初めて観た時に、ドラマ「半沢直樹」を思い出した。
最終回の平均視聴率が42%にも達した大ヒットドラマ「半沢直樹」もピンチの連続だった。

クソのような上司にハメられ、知恵を絞って「倍返しだ」と復讐を誓う半沢直樹に日本中が夢中になったものだ。
ジャックも時折テロリストにハメられ、クソのような上司に邪魔をされながらも、事件の解決を目指す。

ジャックは実際に国を救っているのに対して、半沢直樹は社内政治に終始して何の利益も生み出していないという点で決定的に違う部分はあるが、ピンチの連続が僕達を夢中にさせていることには変わりない。

ちなみに半沢が「倍返し」した上司は銀行で失脚するくらいで済むが、ジャック・バウアーは上司に発砲することもある。
そのあたりは日本とアメリカのスケールの違いだろう。

余談だが、ジャックは毎度毎度、絶体絶命のピンチから国家を救っているのだが、シリーズを通じて全然出世しないし、たまに理不尽にクビにされたり、責任を取らされたりもする。

会社の利益など関係なしに出世のために闘うサラリーマン半沢が出世の階段を駆け上がっていく一方で、国家のために身を粉にして働き、時に拷問され、時に死にかけながらも成果を出したジャック・バウアーが全く出世しているように見えないのは、組織で働く人間の悲しい現実を表しているのかもしれない。


* * *

オンライン英会話でフィリピンの女性に「24」の話をすると、5人中4人から「ジャック・バウアーは最高!」という反応が返ってきた。
「24」はアメリカのドラマで歴代視聴率10位にランクインする世界的なヒット作である。

人と打ち解けるには共通の話題を持つのが最も効果的だが、海外ドラマは外国の方との共通の話題に使えそうだな、と思った。

日本で「24」が流行ったのはもう10年以上前らしい。
暇な大学時代に一日かけて観ればよかったな、とも思う。

当時「24」を観ていた人は、友達同士で集まって、ドラマの時間のとおりに、24時間ぶっ続けで「24」を観ていたのだとか。
なんて楽しそうな大学生活なんだろう。

このブログの読者も社会人の方が多いと思うが、きっと大学生のような贅沢な時間の使い方はできないだろう。
それでも、日々のちょっとしたストレス解消に「24」は最高だ。

何か夢中になれる趣味があると、日々のストレスが軽くなる。

Amazonプライムはほぼ永久に無料で観ることができるので、DVDの返却期限に追われることもない。
食事しながら少しずつ進めていくのも「大人のドラマの楽しみ方」だと思う。


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