※ネタバレ注意です※
Dr.STONEを読むときは、いつも不安な気持ちになる。
この面白さがいつか途切れてしまったらどうしよう──。
そんな不安がよぎってしまうのだ。
しかしそんな不安は毎週月曜日にかき消される。掛け値無しに面白い。毎週期待を裏切らないのがDr.STONEなのである。
今週の少年ジャンプはONE PIECEが休載で、掲載順位は堂々1位であった。
ここ最近は毎回ほぼトップの位置に安定してきていて、連載開始からずっと大好きだった僕としては、やっとDr.STONEの素晴らしさが世の中に受け入れられたのかと感慨深くなる。
思えば、たしかにDr.STONEは最初から別格に面白かったが、3巻に入るまでは若干ダレかけたこともあった。
霊長類最強の高校生・獅子王司が現れてから千空が殺されるまでの間はDr.STONEの停滞期であったとも言える。
そこから千空が復活し、大樹や杠(ゆずりは)と別れ、石神村編が始まってからDr.STONEは一気に神漫画となった。
文明が滅びた3700年後の未来。
原始の環境の中、謎の病気の女性を救うため、科学を駆使して万能薬「サルファ剤」を作る───。
これが第二章のストーリーである。
文章にすると2行だが、サルファ剤を作るまでのストーリーが素晴らしい。
繰り返すが、機械もなく、電気もなかった原始の世界である。
そんな原始の環境で「万能薬を作る」という展開がめちゃくちゃに面白い。
『Dr.STONE(ドクターストーン)』第3巻より
第一章で作るサルファ剤は、ドイツの医師であるゲルハルト・ドーマクが発見した万能薬で、ペニシリンが便利すぎて歴史の影に消えたものである。
現代のような機械も器具も何もない原始の世界。
そこで「サルファ剤」を作るために「鉄」を作り、「電気」を生み出し、「硫酸」を手に入れ、酒から炭酸や重曹を作る。
製鉄するためには製鉄炉に酸素を送り続ける必要がある。
『Dr.STONE(ドクターストーン)』第3巻より
酸素を送り続けるためには村人にも協力してもらわなければならない。
そのために、「うまい飯」を作って村人にふるまう。
『Dr.STONE(ドクターストーン)』第3巻より
千空が原始の世界で作ったクッソうまい『科学の飯』に感動した原始の村人の協力を得て、鉄を作ることに成功した千空。
そして鉄から強力磁石を作り、そこから電気を生み出す。
この電気を生み出す回はジャンプでは巻頭カラーとなっており、本当に最高だった。
現代の誰もが一度は読んだことがある「エジソン」の伝記。
そのエジソン電球を原始の世界に作り出す。
僕はこの名シーンを何度も何度も読んで、何度も泣いた。
ついでにエジソンの伝記も読んでしまった。あのオッサンすげえよ。
「クロム、夜は怖ぇか」
「俺らの時代に暗闇はねぇ」
「電球が世界から夜を消した。エジソンのオッサンが白熱電球で24時間をねじ伏せた」
「人類は科学で『夜』に勝ったんだよ」
『Dr.STONE(ドクターストーン)』第3巻より
『人間が石化した世界』というフィクションに『科学』を軸にロジックを生み出し、それらを絶妙に融合したのがDr.STONEなのである。
「ロジックを重視したフィクション」というと「デスノート」という神漫画を思い出すが、科学を融合させた点で、Dr.STONEの方がよりストーリーに説得力がある。
千空は道具を得て、仲間を得た。
Dr.STONEのストーリーはこれからもっともっと面白くなっていくに違いない。
ドクターストーンの石化の謎について記事を書いたので、興味がある人はこちらも読んでいってほしい。
oreno-yuigon.hatenablog.com
ドクターストーンの中で広がる科学の世界
石化から目覚めた時、千空は一人ぼっちだった。
千空は人類が積み上げてきた科学の全てを頭に詰め込んだ天才である。
それでも、どんな天才でも、一人では生きていくだけで精一杯だった。
文明を次に進めるためには仲間が必要だった。
その後大樹が起きて、杠が仲間になった。
「石神村」と呼ばれる原始の村の人々が仲間になった。
仲間が増えるにつれて、千空が作れるものも増えていった。
想像してほしい。
周りに自然しかない、原始時代の世界を。
そんな世界で千空は、仲間と共に携帯電話を作り上げることになるのだ。
もちろん千空の科学は携帯電話では終わらない。
車を作り、ダイナマイトを作り、船を作る。
どれも現代で僕たちが見ているような洗練された形ではない。
それでも原始の時代で千空は、仲間と共に文明を進めていく。
そしておそらく最終章では、千空はついに月に向かうことになる。
石化の元凶を突き止めるために。
幼い頃からの夢だった「宇宙に行く」という夢。
その夢を。
何もない原始の時代に叶え、千空はきっと月に行く。
どうやって宇宙船を作るのかはわからない。
それでも千空ならきっと、夢を叶えると信じている。
作者たちの熱い言葉
3巻の最後に載せられた、原作者の稲垣理一郎さんと作画担当のBoichiさんのコメントもとてもよかった。
作画担当のBoichi先生のコメント
「幼いころ、毎朝起きると決まってカレンダーの前に座って母を待ちました。
私の家には、満足に紙がなかったのです。
母がその日のカレンダーをちぎると、それをもらって絵を描きました。
1ヶ月に1度は大きなカレンダーがちぎられるので、その時はそこに大きな絵を描きました。
そのうちジャンプで連載を持ち、本も出るようになりました。
本当に素敵なことです。
しかしそれは自分が上手かったからではなく、漫画が偉大だからです。
漫画はカレンダーしかなかった5歳の少年にも、ジャンプの作家になれるチャンスをくれたのです」
リアルにバクマンみたいな話でしびれた。
20年間毎日毎日ひたすら漫画を読み続けた僕の経験から勝手に評価させてもらうと、Boichiさんは絵が本当に上手だ。
キャラの描き分けも、コマ割りも、演出も、魅せ方も素晴らしく、ジャンプの看板を背負っているだけのことはある。
そんな偉大な漫画家だって、はじめはカレンダーに絵を描いてスタートしたのだ。
なんとも夢のある話じゃないか。
原作担当の稲垣理一郎先生のコメント
「原作者の僕は、一人じゃ何もできません。
この漫画は、沢山の人の力を合わせて作られています。
この巻から、千空の仲間がぐっと増えます。
千空も沢山の人と力を合わせて、いろんな物が作れるようになります」
「一人じゃ何もできない。たくさんの人の力を合わせて作られている」というコメントはどこか、千空に通じるものがある。
人間は一人じゃ何もできない。
みんなで力を合わせるからこそ、素晴らしい作品を作っていける。
アイシールド21の原作だった稲垣理一郎さん。
僕はアイシールド21も大好きだった。
千空はちょっとヒル魔に似ている。
頭が良くて合理的で、でも実は情に厚いところ。
主人公が物語に合わせて少しずつ成長して、変化していくところもアイシールドのようだ。
ドクターストーンでは仲間が増えるにつれて、できることもどんどん増えてくる。
千空の頭の中には人類の叡智の全てが詰まってる。
それほどの天才なのに、人間は一人では何もできないことを知っている。
「人は力」なのだ。
だからこそ千空は仲間を大切にする。
仲間たちと協力しながら、何もない原始の世界に科学を生み出していくのだ。
現代の科学知識を持ったまま原始の世界に逆戻りしたらどうなるだろうか?
僕たちが誰もが一度は考えてしまうファンタジーだろう。
そんなファンタジーの世界を疑似体験させてくれるのがドクターストーンだ。
ドクターストーンの中でワクワクしながら原始の世界を歩むことができる。
この記事をここまで読んでくれた読者の方もぜひ一度、ドクターストーンの世界を覗いてみてほしい。
第一巻からきっとハマることができるはずです。
アニメのクオリティが素晴らしい
2019年7月からドクターストーンのアニメが始まった。
2020年時点では第一期は完結していて、第二期の放送も確定している。
ドクターストーンのアニメは映像が綺麗すぎで、原作ファンとしてはたまらない出来になっている。
原始の世界がアニメによって再現されたみたいだった。
ドクターストーンの原作は素晴らしい出来だった。
アニメはそんな素晴らしい原作をさらに進化させている。
映像がすごすぎて、初めて見たときはCGみたいだと思った。
現代のアニメの進化に感動した。
じゃあドクターストーンのアニメを観たい人はどうすればいいか?
お金をかけずに観たい人には「U-NEXT」がおすすめです。
31日間は無料トライアル期間なので、無料でアニメもドラマも観ることができます。
U-NEXTは「ないエンタメがない」と言われるように、動画配信サービスで一番の品揃えです。
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Fire TV Stickを使えば、テレビで動画を観ることができます。。
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最後に、ドクターストーン以外にも超絶オススメしたいジャンプ漫画を紹介します。
oreno-yuigon.hatenablog.com
大人気の王道漫画『鬼滅の刃』と、
oreno-yuigon.hatenablog.com
アニメ化も決まった傑作『呪術廻戦』です。
これらの漫画の何が魅力なのかを記事で語っていますので、ドクターストーンの他にも面白い漫画が知りたい人は読んでみてください。