最高のデートは、目的によって変わってくる。
助平なことなど考えもしない高校生が、手もつないだこともない女の子とロマンスよろしく、少女漫画のようなデートがしたいなら、みなとみらいの観覧車に乗るのが正解だし、
助平な男がみなとみらいでデートしても、ホテルが遠くて導線に困ってしまうだろう。
この記事は助平な男が、助平な男のために書いたブログである。
助平な男はゴールから逆算しなければならない。すなわち、ホテルである。
たとえば、横浜のみなとみらいはデートするにはとっても気持ちが良い。道が広いし、カフェもたくさんある。
TSUTAYAの前には水とコンクリートと緑が美しく調和していて、歩くだけで幸せな気分になれる。
しかし、肝心の気持ち良いことをするホテルはない。ちゃんとしたホテルはたくさんあるが、「ちゃんとしていないホテル」はないのだ。
なので、みなとみらいを気持ちよく歩いたあとで、助平なホテルに行きたいのであれば、わざわざ横浜駅西口にタクシーで戻るか、関内まで出撃しなければならない。
横浜駅周辺のラブホはどこにあるのか - 俺の遺言を聴いてほしい
一方で、横浜駅の西口は2022年以降は再開発に目処が立ちつつあるが、それでも雰囲気はあまり良くない。
鶴屋町側は綺麗になってきたが、その反対側はチンピラがウロチョロしていて、今にも Breaking Down が始まりそうな予感がある。
横浜駅はデート場所の選び方が難しいのだ。
というのも、たとえば横浜駅のルミネなどには普通に美味しいイタリアンなどが入っているが、デート中にデパートのエスカレーターに乗るのは微妙だ。
また、食事したあとにフラフラと散歩しようにも、明るく巨大な駅の中では気持ちも冷めてしまう。
なので、横浜駅構内はデートには使えない。
みなとみらい側も助平なデートには使えない。デートするには完璧な店がたくさんあるのに、すごくすごく良いところで、助平じゃない男にはめちゃくちゃみなとみらいを推したい...推したすぎるのだが、助平じゃないのだ...。
あまりにも爽やかで、あまりにも健全である。
普通に健全に行きたいなら、ランドマーク4階シェフズブイなどは景色がとても綺麗なので、窓側席を予約するといい。値段もお手頃なのでとても良い。
さて、健全じゃないお前たちの選択肢は少ない。
1つ目は、鶴屋町側で食事して、鶴屋町の奥の方、鶴屋町2丁目あたりにあるホテルに突撃する作戦。
お手頃価格で個室を使いたいなら、トラジには個室があったので口説きやすいだろう。今ならもっといい感じの店ができているかもしれない。
2つ目は西口側、「北幸」と呼ばれるあたりで食事して、近くの助平なホテルに突撃する作戦である。
手頃な価格でいくなら LOGIC というイタリアンが良い。ただこの店は個室がなかったので、横に煩い人間がきたら台無しである。気をつけてほしい。
少し値段が張ってもいいのであれば、横浜ベイシェラトン内のレストランを選んでおけば基本的に外さない。
ただ、いい感じの店に行けば行くほど、なんか助平なところには誘いづらくなるので、その辺は大胆な心を持ってほしい。
最後に、横浜西口の「南幸」と呼ばれる場所で飲んで、近くのホテルに突撃する作戦である。
南幸はスタンディングバーなどがあり、ガヤガヤしていて面白いのだが、デートするような街ではない。
雰囲気もくそもない。適当に店に入って、適当に口説くために使う街である。
ただし、そのリラックスした空気が逆に功を奏す場合もある。
投げやりになったときは、南幸に突撃してくれ。
恋愛の達人にデートのコツについて聞いてみた
恋愛の達人を名乗る人物に、デートのコツを聞いたときの話だ。
「デートは事前の準備でだいたいのことは決まる。
服装や歯磨きをおろそかにしてはいけない。
スムーズなエスコート、店に着くまでのトーク、部屋の掃除。
すべて、事前に準備しておくんだ。そこで7割決まる」
達人は事前準備の大切さを説いた。
すべてにおいて、準備は大切だ。
ナンパにおいても、デートにおいても、あるいは、人生においても。
横浜デートの失敗談
これは横浜に引っ越して間もない頃の話だ。
鶴屋町の少し奥にある「台町」と呼ばれる暗いマンションに住んでいた。
準備によって、結果は大きく変わる。
僕はデートのための準備を怠った。
しょうもない服装に、しょうもない靴。
一度も行ったことのない店。慣れない横浜の街。
すべてが準備すれば防げることなのに、それを怠った。
なぜなら...大変申し訳無いけれど、デートの相手がかわいくないと思っていたからだ。
ネットでの出会いは写真よりも可愛くないことがほとんどだ。
しかし、ごくたまに、写真を超える強者が現れる。
昨日会った子は、ペアーズのいいね数が100弱。"熱い案件"ではないと思っていた。
でも、待ち合わせ場所に現れたのは、先週会ったいいね800超の女の子よりもはるかにかわいい子だった。
貴様はなぜ、そんなにいいねが少ないのだ。
己の手抜き具合を恥じた。
彼女が発する美人オーラに動揺して、トークが冴えなかった。
き、貴様は...なんて...なんて...可愛いんだ...!
僕は恐怖に震えていた。
この美女を逃したくない、という恐怖である。
自信とは、周到な準備と実績から作られる。
練習しない格闘家が勝てないように、準備できていないデートでは、自信のある振る舞いが自然にできなくなってしまうのだ。
それでも、それでもだ。
今ある武器で闘っていくしかない。一生だ。
僕たちはいつだって、
「今の自分は、自分史上最高なのだ」
という確信を持ってデートに挑むことが肝心なのである。
酔いも手伝って、調子が良くなってきた。
失った自信は酒で取り戻すのがクズの勝ち筋である。
一軒目の店を出る頃にはなんと、自然と二人で手をつなぐことができた。
外は雨が降っていた。
そして二人で一つの傘をさしていた。
僕は息を呑み、こう言った。
「ボジョレー買ったんだ。今年のは過去最高の出来らしいから、軽く飲んでいこうか」
家に誘うときは、誘い方云々よりも、一軒目のデートでどれだけ信頼関係を築けるかどうかが問題だ。
僕の誘いはすんなりと受け入れられた。
ボジョレーは美味しかった。
彼女はとても美人で、だからこそ、一緒に飲むお酒は美味しかった。
散々飲んで、気付いたら僕は家で潰れて眠ってしまった。
起きたら彼女はいなくなっていた。
指一本触れることなく、もちろんパンツを脱ぎ捨てることもなく、彼女は消えた。
朝、元気になった息子だけが俺のリアルだった。
恋愛の達人にLINEした。
「準備よりも大事なのは、飲み過ぎないことだったようです」
彼は何事もなかったかのように、僕のLINEを既読スルーした。
同じように、美女に送ったLINEも返信がなかった。