「俺たちは世間的にイメージの良くないことをしている。
誰かとやったとか、なんの自慢にもならない。
その辺を勘違いしている奴が世の中にはものすごく多くて、それはとても格好悪いことだ」
彼は悲しそうに言った。
「いいか。
お前はブログを書く。
俺もブログを書いていた。
そのときに気を付けるべきことは、読み手を意識することだ。
どっちかを満たす記事を書くようにするんだ。
何かため情報があるか。
誰かを楽しませることができるか。
それだけ意識していれば、クソみたいな自慢にはきっとならないよ。
どっちもできないときは、せめて人を不快にさせない記事を書けばいい」
恋愛ブログを見ていると、ほとんどの人は素晴らしい文才で面白いブログを書いている。
読み手を意識し、サービス精神が旺盛だ。
しかし、一部のブログは、見るに耐えない自慢が並んでいるものがある。
「可愛い子を落とした俺、すげえだろ」
その一点だけを言いたいようなブログだ。
でも、そこには他人への愛が無い。
ツイッターでも、ブログでも、大事なのは愛だ。
読み手を意識することだ。
「俺すごい」
「俺は神」
「俺を見ろ」
俺俺俺俺俺俺俺俺俺。
何を発信するにしても、「俺すごい」と言わなければ気が済まない人間もいる。
とても小さい人間だと思う。
「俺」のことだけを考えてくれるのは、親と彼女だけだ。
僕たちは、第三者の目を意識して振る舞わなければならない。
それができない人間は、ただの子供だ。
自慢せずには生きていけない、身体は大人で頭脳は子供の逆コナンだ。
恋愛の達人を名乗る彼は、色々とどうしようもない人だが、情報発信で自慢をすることはなかったように思う。
読み手に情報を提供して、読み手が楽しくなることを一番に考えていた。
リアルで会うときも同じだ。
自分の自慢に終始する人間といて、誰が楽しいだろうか?
そんな人間と一緒にいたいと思うだろうか?
周りを楽しませ、笑わせ、時には自分を下げても、エンタメに徹する彼のことをすごくカッコいいと思った。
そういう人間になりたいと思った。