小学生の頃から、少年ジャンプとマガジンは一週たりとも欠かしたことはなかった。
少年じゃなくなってしまってからも、ジャンプを読まなかったことはない。
俺の成長は、ジャンプと共にあると言っても過言ではない。
そして、NARUTOという漫画は、俺が小学生か中学生の頃からやっていた漫画で、特に思い入れがある。
NARUTOというと、ラーメンみたいな名前だが、これは忍者の漫画だ。
俺が清く正しい童貞のときからずっと、ジャンプの看板として連載し、先月、ついに話を完結させた。
ジャンプの歴史に残る偉大な漫画である。
俺が一番好きなバトルはペイン戦だ。
ペインという強敵の襲来により、忍者の里が壊滅寸前の絶望的な状況の中、仙人となったNARUTOが登場した。
この登場シーンには鳥肌が立った。
映画でも活躍する「螺旋手裏剣」という術が登場したのもこのバトルだった。
風遁の術と螺旋丸を合体させるという恐ろしい術だが、この述以降、ほとんど新しい術が発明されなかったのは少し残念だった。
さて。
いまやっているNARUTOの映画は、NARUTO最後のバトルから、最終回までの間のストーリーを描いたものである。
俺はどうしても、映画「NARUTO The Last」が観たかった。
一人で行ってもいいが、デートも兼ねることができれば最高だ。
NARUTOは、外出嫌いな俺が自ら望む唯一のデートだった。
しかし、どの女の子に聞いても、NARUTOグダが発生する。
残念なことに、誰も螺旋手裏剣を知らないのだ。
ほとんどの女の子は、最初の方の話は知ってるけど、最終回の話は知らないという。
なんと愚かな・・・。
NARUTOが面白くなるのは青年になった後だというのに。
「わからない映画は観たくない」というグダを崩すために、俺はNARUTOの素晴らしさを力説した。
ストで自分の魅力を語るかのように、NARUTOの魅力を語った。
しかし、既に70巻以上もあるNARUTOの話を電話で語るには、時間がいくらあっても足りない。
結局、グダ崩しの最終手段は、「キャラメルポップコーンを買ってあげる」だった。
ルーティーン・キャラメルポップコーンの発動だ。
彼女はまんまとキャラメルポップコーンに釣られ、NARUTOについてきた。
映画館に入ってしまえば、こっちのもんだ。
映画館の中は、オタク風の男が多かったように思える。
隣の席では、サスケについて熱く語る声が聞こえた。
熱く語る割に、議論が薄い。
彼女を放っておいて、その議論に加わりたかった。
お前にサスケの何がわかるんだってばよ・・・!と、オタクを罵倒したい気持ちを必死でこらえた。
映画が始まった。
さあ、ネタバレの始まりだ(嫌な人は、ブラウザ閉じて)
映画はバトル映画というよりは、ヒナタとナルトの恋愛映画だった。
忍者の漫画なのにスマホがあったりして、時代設定がよくわからんかった。
俺は正直、超絶忍術バトル映画を期待していたんだけど、メインのテーマが恋愛で、ちょっと拍子抜けしたくらいだ。
でも、現代の映画のテクノロジーは凄まじく、バトルの臨場感は圧倒的だった。
ドラゴンボールの映画もそうだったけど、まるで画面が飛び出てくるみたいだった。
すごい迫力。
音も響くし、CGが駆使されたバトルがめちゃくちゃカッコ良かった。
一緒に行った女の子も純粋に楽しんでいるようだった。
映画のNARUTOは予備知識がなくても十分楽しめる出来だった。
ただ、一つ腑に落ちないのは、ナルト、シカマル、サイ、サクラ、ヒナタでチームを組ませたことだ。
ナルトはこの時点で、忍界最強の忍である。
もはや、どんなヤツを連れて行っても足手まといでしかない。
ナンパもそうだが、コンビのレベルが違いすぎると、一人でいるよりもパフォーマンスが落ちてしまうのである。
つまり、ナルトと完璧なコンビを組めるのはサスケしかいない。
チームにはサスケを入れて欲しかった。
映画でサスケが出たのは5秒もなかったと思う。
感想としてはそれくらいで、予備知識ゼロでも全然楽しめる映画だったと思う。
一緒に行った子も普通に面白かったと言っていた。
バトル映画というよりは、恋愛映画といった方が正しいだろう。
映画の後は、家に帰り、彼女に俺の螺旋丸を炸裂させた。
チャクラ不足で螺旋丸は一発しか撃てなかった。
チャクラは全て吸い取られ、俺は安らかな眠りについた。