口ベタ営業マンが渋谷ギャルをナンパし続けた本を読んでみた。



先月、週刊金融日記の読者が集まるオフ会があった。
オフ会の場に向かう電車で読んでいたのが、「口ベタ営業マンが渋谷ギャルをナンパし続け半年後に1億の契約をとった件」という本だった。
タイトルが長いw


口ベタ営業マンが渋谷ギャルをナンパし続け半年後に1億の契約をとった件

口ベタ営業マンが渋谷ギャルをナンパし続け半年後に1億の契約をとった件


なべおつさんははてなブログで記事を書いていて、意外と古参のブロガーだ。
ファーレンハイトさんと同じ世代のブロガーだと思う。

・渋谷で働く営業マンのナンパ日記
http://nanpatalk.hatenablog.com/

最初は細々とはてなでブログを書いていたんだけど、瞬く間に話題のブログとなり、暇な女子大生のブログみたいに、次々と各メディアに引っ張りだされる有名人になった。

なべおつさんのナンパのスタイルは、即を狙うナンパ師のそれとは大きく異なり、

「コミュニケーションの手段としてナンパを用い、人間関係を築いていく」

というものだ。

ナンパ師がナンパした話を記事にしたらたぶん、相手の女性はキレると思うが、なべおつさんが書籍化の話をFacebookで公開したところ、相手の女性は笑って歓迎して、逆に友達に勧めてくれたという。

「身体の関係の前に人間関係を築く」というスタンスはすごく共感できるものだし、自分もなべおつさんのように、後に残って積み重なっていくような関係を作れたらいいな、と思っている。


さて、なべおつさんの紹介が長くなってしまったけど、「口ベタ営業マンが~」の本は、ナンパ実践のためのトークスクリプト集としても使える。
「The Game」のように、女の心を揺さぶって魅惑するスタンスではなく、あくまで普通に友達になるようなトークスクリプトなので、正直使う方も気が楽だ。

この本を真似しようと思った時、ふっと力が抜けて気が楽になった。

「あぁ、俺、ナンパのときに頑張って色々考えなくていいんだな」

と(笑)

まだ試して間もないから、効果の検証はできていないけれど、気持ちが楽になるトークスクリプト集であることは間違いない。


電車の中で「口ベタ営業マンが~」を読んでいると、p.60「Story7」で紹介されている「おちらのお客様からの作戦」という話が気になった。

よくオシャレなバーで女の子が一人で飲んでたら、急にカクテルが運ばれてきて、バーテンが「あちらのお客様からです・・・」なんていう胸キュン展開があるだろ?
あれを大衆居酒屋でやってみたいんだよ。かっこいいことやろうとしてかっこついてない感じが面白いだろ

なるほどたしかに、面白そうだ。
しかもこの日の集まりは、曲がりなりにも恋愛メルマガを読んでいる人たちの集まりである。

ここはスタンドプレーで彼らの心を掴む必要があると判断し、いつでもこのルーティーンを発動できるように、心の中で温めておいた。


* * *

ゴッホさん(@goph_ )という古参の恋愛工学マンが選んでくれた店は、とても雰囲気が良い店だった。
オッサンが飲みに行く大衆居酒屋ではない。


ちょうど自分の向かい側の奥の方の席に、女の子二人が座っていた。
この子たちに、渋谷ギャルを~のトークスクリプトを使おうと思った。

本の内容によると、いきなり女の子の席にお酒を運んでもらっている。
でもそれだと「感謝」の気持ちよりも「驚き」の方が大きくなって、本来の目的が達成しづらくなると判断した。

だから、ウケる技術でもお馴染みの「前置き」のテクニックを使うことにした。

「前置き」というのは、言いづらいことや、びっくりするようなことの前の緩衝材として使い、相手に心の準備をさせる、というテクニックである。

一度トイレに行き、おもむろに女の子の席に向かった。

「こんばんは(ニコッ)

あの、俺、前からやってみたいことが一つだけありまして!
今日は年末だから思い切ってやってみたいんですけど・・・」


「え、なんですかw」


「よくテレビとかであるじゃないですか、『このお酒をあちらの女性に』ってやつ。

あれ、やってみたかったんですよw

でも、いきなり知らないお酒運ばれても困ると思うから、お姉さんたちの好きなお酒を教えてもらえないかな、と思って」


「そんなことされたことな~い(笑)
え~もうお酒飲み終わっちゃった感じなんですよ~。できれば、紅茶とか・・・」


「かしこまりました!

紅茶ですね!

じゃあ、いつ紅茶が運ばれてきてもいいように、心の準備だけしといて!

運ばれなかったら忘れてるけど、そこは気にしないどいて!w」

「はーいwわかりましたww」


というやりとりを経て、自席に戻った。

めちゃくちゃ緊張した。
が、なんでだろう。不思議な力に後押しされている気がした。

おそらく、ゴッホさんの慈愛によるものだろう。

席では一緒に飲んだ人たちに、さっきのやりとりを説明し、紅茶を二杯プレゼントするという神々の遊びを発動させる許可をもらった。

あとは、店員だ...。
このプレゼントは色々と仕込みが大変なのである。


さっそく店員を呼び、経緯を説明する。


「あの、前から一度やってみたかったんですけど、あの窓際にいる女性二人に、紅茶を二杯、こちらのテーブルの支払いでご馳走することってできますか?あちらの女性にも許可はとってあるんで」

「できますよ!(即答)」


いいんかい!
店員ノリノリやんw


そしてノリノリの店員さんが、見事に

「あちらのお客様からです」

と紅茶を運んでくださり、女の子はこっちを見て何度もお礼をしていた。


ここまでは、単なる伏線である。
ここで紅茶をおごるだけで立ち去ったら、ただのいい人じゃないか。


先に会計を済まし、仲間一人を連れて一緒にトイレに向かう。
いや、トイレに向かうフリをしてまっすぐに女の子の席に向かう。


「紅茶、美味しかった?」


「あんなのされたの初めてですよ~ww
ほんとありがとうございましたw」


思った以上に効果があった。
紅茶一杯で、こんなにやさしい反応をされるなんて。

いつも合コンで1万円以上奢ってもゴミみたいな扱いされているというのに!

「これからまだ二人で恋バナですか?w」

「えーどうしようかと思ってたところですw」

なんか、誘えばいけそうじゃないかな...。
心が揺れる。

でも、ここで女の子を混ぜてしまったら、せっかく会えた仲間と心置きなく会話することができなくなる。

「俺たち、これから男だけで飲み直すから、よかったら連絡先交換しようよ!
これっきりだと寂しいじゃんw」

「わかりましたw」

女の子片方と連絡先を交換し、もう一人の女の子とは、仲間が連絡先を交換した。
最後に笑顔でお別れをした。

「じゃあ、またね」

相手も笑顔だった。

「このお酒は、あちらの女性に」という定番のやり取りは意外と有効なのかもしれない。

この女の子には、明日あたりにあけおめメールを打ってみようと思っている。