映画「オデッセイ」を観て、科学的アプローチとマネジメントってマジで大事なんだなって思った。




映画「オデッセイ」観てきました!



原題は「The Martian」
「火星の人」という意味です。

邦題の「オデッセイ(Odyssey)」は「長い旅路」という意味で、映画の内容をそのまま表現しています。
たった一人、火星に取り残された宇宙飛行士マークの、生存をかけた長い長い旅路。

火星にたった一人取り残されるってのは、正直言うと絶望的な状況で、のんきに六本木でキャラメルポップコーンを食いまくり、Lサイズのコーラを空っぽになるまで飲みまくっていた自分が恥ずかしくなりました。


オデッセイを見ているときに否が応でも考えさせられる命題があります。


「もし自分がたった一人で、火星に取り残されたらどうするか?」


ある人は、神に祈るかもしれません。
ある人は、自分を置いて帰った仲間を呪うかもしれません。
ある人は、死を選ぶかもしれません。


マークはそのどれをも選びませんでした。


彼は火星でたった一人、生き延びることを選択したのです。
それも、科学的なアプローチで。


彼は言いました。


「この困難を、科学の力で乗り越える」


彼は、奇跡を願うのではなく、自らの知識の裏付けを元に、困難を乗り越える道を選びました。
救助が来るまでの「期間」を冷静に計算し、それまで生き延びるために必要なカロリーを計算。

現在の食料(=リソース)を把握し、何が足りないのかを明らかにしました。

そして、食料が足りないことがわかる(=問題点を発見する)と、その「対応策」として、自らジャガイモを育てることにしたのです。

僕はマークの奮闘を見て、これは彼の生存を賭けた「プロジェクト」そのものだと思いました。
期間を定め、リソースを確認し、問題を発見し、解決するためのタスクに分解する。

これはプロジェクトを完遂するための極めて正しいアプローチです。



これがもし、サラリーマン金太郎的な漫画だと、どこかで主人公がブチ切れて、何かよくわからないけど人智を超えた奇跡が起こり、なぜか生き残る、というような展開になると思います。

しかし、この映画で奇跡は起こりません。
絶望的な状況でも決して諦めること無く、常に前向きに問題と向き合い続けたマークの姿勢が「プロジェクトの成功」という結果を生み出したのです。

僕は前回の記事で、「英語できるようになりたい」という記事を書きました。
でも「英語ができるようになる」とはどういうことなのか、ちゃんとわかっていませんでした。

がむしゃらにやっていけば、いつの間にかできるようになるだろうと考えていたのです。

何か目標がある場合は、「オデッセイ」の主人公マークのように、正しいアプローチをしなければなりません。

具体的には、

(1)「英語ができる」とはどういうことなのかを把握する
(2)「できる状態になるため」に何をする必要があるのか、タスクに分解する
(3)タスクをこなすために割ける時間(=自分のリソース)とタスクを実行するために必要な時間(=コスト)を把握する
(4)一つ一つのタスクを消化していく
(5)定期的に進捗を確認し、問題が発生するたびに解決する

というようなアプローチで、目的を達成するためのタスクを一つ一つ、愚直にこなしていく必要があります。

これは気合いや根性とは全く別のアプローチで、できるだけ根性に頼らないアプローチともいえます。
世の中にはたくさんの奇跡があって、根性で乗り切った受験体験などは人の心を動かします。

しかし、根性に頼った問題解決のアプローチには普遍性がないことが問題です。

「毎日寝ないで英語の勉強したら、TOEIC950点行きました!」
「一日15時間、飯も食わずに勉強したら司法試験に受かりました!」
「一週間で2万本シュート練習したらジャンプシュート入るようになりました!」

なんて話を読むと感動しますが、再現性がないため、成功するか失敗するかはやってみないとわかりません。

だから、何か実現したい目標を定めた場合は、リソースを定量的に把握し、タスクを細分化して、一つ一つ問題を解決していくことが大切なんだな、と思いました。

映画の話に戻りますが、「オデッセイ」を観て思ったことは、火星に取り残されたのがマークじゃなくても、マークと同じアプローチを取れば、きっと火星で生き延びられるだろうということです。

個人の特殊能力になるべく依存せず、プロジェクトの成功確率を上げために、マネジメント的な姿勢を意識することがとても重要なのだろうと改めて感じました。

実際仕事でやろうとすると、面倒くさいこともたくさんあるんだけどね。

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