所得税の税率や計算方法を本で勉強してまとめてみた。



最近、ツイッターで税金のことが話題になりました。


僕たちはみんな頑張って働いて、たくさんの税金を納めています。
その税金の額はとても大きいですが、会社員の場合は年収2,000万を超えない限り確定申告をする必要がないため、普段はあまり税金を意識しません。


実際、ツイッターで税金の議論が盛り上がりましたが、税金の仕組みを詳細に理解している人は少数のようで、結局何が正解なのかわかりませんでした。


でも、わからないことをわからないままにしておくのって、気持ち悪いですよね?

なので、定番の本を一冊読んで、調べてみました。

読んだのは「フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました」という本です。


フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。

フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。


今日はこの本で学んだ内容を、5分くらいで読める分量で皆様に紹介したいと思います。
(税金の話なんてあまり読みたくないですよね?)

でも税金は一生ついて回りますから、ここで一回見ておくのもいいでしょう。

所得税ってどうやって計算するの?

ツイッターでは「年収1,000万以上の男と結婚したい」みたいな議論が頻繁にされていますが、税金の世界で大事なのは「年収」ではなく、「所得」です。


年収というのは、日々の給与や賞与の額面を合計したものを指します。
年末にもらう源泉徴収票でいう、「支払金額」の部分のことです(これはみんな見てるはず)

この「年収」というのは、損益計算書でいうところの「売上高」のようなものです。


普通に考えて、「売上」を稼ぐためには、「経費」がかかりますよね?

この「経費」というのは、「事業を行う上で必要な費用」のことで、会社でいうならパソコンとか家賃が経費になります。

この「売上を稼ぐには経費がかかる」ということを覚えておいてください。
あとで「サラリーマンの経費にあたるのは給与所得控除だ」みたいな話をするので。


で、キーワードとなる「所得」というのは、

「売上(=収入) - 経費」

のことなのです。

大事なのでもう一度書きます。


所得 = 売上 - 経費


です。これを覚えておきましょう。

で、みんなが大嫌いな「所得税」というのは、この「所得」にかかる税金です。
正確に言うと、「所得」から「所得控除額」を引いた「課税所得」に対して「所得税率」をかけた額が、納付税額になります。

(カギ括弧ばっかりでわかりづらいですが、大丈夫。
やってることは引いて掛けてるだけだから!)

「控除」って言葉もわかりづらいですけど、ただの引き算です。
引くことを「控除」といいます。

所得から色々と引いて、その引いた額に「所得税率」を掛けるわけです。


さて、サラリーマンは「経費」というのはあまり考えないですよね?
スーツ買うのにお金出ないし...
勉強するのに買った本も自腹...

でも、実は経費分は暗黙的に計算されています。

サラリーマンの「経費」にあたるのが、「給与所得控除」というものです。

繰り返しになりますが、「控除」というのは「差し引くこと」です。


つまり、「収入」から「給与所得控除」を差し引いた額が「所得」になります。


式にすると、

所得 = 収入 - 所得控除

です。

所得控除の額は収入によって決まります。

国税庁のサイトによると、こんな感じになっています。


f:id:hideyoshi1537:20160310225829j:plain
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1410.htm

年収が300万の場合、

300万 × 30% + 180,000円なので、

270,000円が「給与所得控除額」になります。

これがその人の「年収」から「給与所得控除」を引いたものが「所得」というわけです。


さて、この「所得」ですが、まだ引くものがあります。

「所得控除」です。

先に式を書いておくと、

課税所得 = 所得 - 所得控除

で、

所得税 = 課税所得 × 所得税率

となります。
やっと「所得税」という言葉が出てきました。

所得から色々引くことができるという「所得控除」。


この所得控除には15種類の項目があります。

f:id:hideyoshi1537:20160310225913j:plain
http://tt110.net/22syoto-zei/T-syotokukoujyo-toha.htm


何か色々とありますが、「収入のない奥さんがいる人とか、子供を養っている人は税金を安くしますよー」ってことです。

俺は独身だからあんまり関係無さそうなので流し読みしましたが、実際は所得控除ってマジで馬鹿にしちゃいけない。

たとえば、配偶者控除って38万円もあるんですけど、

38万 × 10%(年収が400万程度だった場合) = 3.8万も税金が安くなるわけです。
年収1,000万だったら、38万 × 33%で12万円も安くなります!パソコン買えるよ!

上の15種類の所得控除をよく見て、自分に当てはまりそうなものはちゃんと申請しましょう。もったいないから。


控除についてはこっちの記事もわかりやすいです。
そもそも「控除」ってなんですか?


所得税ってある水準から高くなったりするの?

さて、またしてもツイッターに戻りますが、こんなツイートがありました。


このツイートに対して、


こんなリプライが。


ちょっとわかりづらいですよね。

では仕組みを調べてみましょう。


国税庁のホームページに「所得税の速算表」というのがあります。


f:id:hideyoshi1537:20160310230035j:plain
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm


この画像に「控除額」というのがあります。
これは何かというと、所得税率が上がる所得水準を越えた時点で、急に支払う税金が上がらないようにするために所得から差し引く額のことです。

わかりづらいですから、具体的に考えてみましょう。

所得が330万のヒデヨシと、所得が340万のイエヤスがいるとします。

ヒデヨシが支払う所得税は、

330万(所得) × 10%(所得税率) - 97,500(控除額) = 232,500円

イエヤスが支払う所得税は、

340万(所得) × 20%(所得税率) - 427,500(控除額) = 252,500円

所得税率は10%と20%で二倍も違いますが、支払う税金の違いは2万円だけです。

この2万円は、ヒデヨシとイエヤスの所得の差(10万円)に20%を掛けたものです。


結局、色々計算してみましたが、所得税の階段の部分で調整しても、支払う税金にほとんど差は出ないことがわかりました。

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最後に、毎月払ってる住民税。
これは一律10%です。
どこの地域でも同じ。
注意すべきは、住民税は後払いだということです。だから、社会人一年目は払わないよね。

ちなみに住民税の内訳は、都道府県民税が4%、市町村区民税が6%です。


以上が所得税早わかり講座でした!
仕組みがわからないままお金払うのも嫌な気分なので、一度知っておきたい知識ではありますよね!