もうすぐ最終回の「僕のヤバイ妻」に学ぶ、彼女のメンヘラスイッチを押さない方法




「僕のヤバイ妻」というドラマが面白い。
いつもなら右手にアレを握ってパソコンを見ている僕も、
火曜の22時からはテレビを見て手に汗を握っている。



このドラマの何がヤバイかというと、登場人物全員ヤバイのだが、際立っているのが木村佳乃演じる「マリア」のヤバさだ。

マリアは夫の望月幸平(伊藤英明)の不倫に気付いていた。

ファンキー加藤の不倫がニュースになっているが、ドラマの世界でもツイッターでも不倫の話ばかりで嫌になるかもしれない。
しかし、マリアはめげなかった。

幸平の愛を取り戻すべく、自ら狂言誘拐を画策する。

誘拐されながらも夫の身を案じる姿を示すことにより、夫の心を取り戻そうとしたのだった。

普通に考えれば、狂気の沙汰である。

夫も夫で頭がおかしい。
妻マリアの遺産2億円を手に入れるために、なんとかしてマリアを殺そうとするところからこのドラマは始まる。

2億円を手に入れ、不倫相手の北里杏南(相武紗季)と海外に逃亡することを夢見て妻の殺害を計画する。

普通に考えれば、狂気の沙汰である。

しかし、幸平は頭が悪いため、妻にことごとく計画を先回りされ、計画は実ることなく話が進んでいく。


そして2億をめぐる血みどろの争いは隣人や親戚をも巻き込み、加速していく。

たかだか2億である。
相続税には詳しくないが、30%税金で取られたら1億4000万程度にしかならない。


幸平は頭は悪いが、志を持ってレストランを開業したはずだ。

頑張って店を繁盛させ、フランチャイズ展開し、大ヒット店にすることができれば、普通に稼げるかもしれない収入が2億である。

しかし実際には、2億のために醜い争いを起こし、殺人犯になるリスクを背負い、自身も隣人に殺されるリスクを背負いながら生きていく。
(事実、幸平は何度かスタンガンで襲われ、2億を奪われている)


なんと愚かなことだろか。


現代のファイナンス理論は、ストックされたキャッシュよりも、キャッシュフローを生み出す力が大切であることを教えてくれる。
小室哲哉は悪い大人に騙されスッテンテンになったが、またお金を稼ぎ、金持ちになった。

矢沢永吉も同じだ。
横領事件に巻き込まれ、35億円の借金を背負ったが、不死鳥のように蘇り復活した。
そこで生まれた名言が、


「お前たちが、死にものぐるいで戦って、一生かけて稼ぐ金額。矢沢の二秒」


だ。


幸平は妻を殺すのではなく、妻の財産によって生活の下限を保証しながら(妻がいれば、どう転んでも豪邸に住める)、死に物狂いでキャッシュを稼ぐ能力に自己投資するべきだったのだ。

が、そんな話をしても仕方がない。なぜなら、幸平はアホだからだ。

そして今回の記事は、幸平の行動を振り返り、タラレバ言うためのものではない。

「ヤバイ妻」がなぜヤバくなったのかを考えるためのものである。


妻・真理亜はたしかにヤバイ。
しかし、結婚当初はヤバい妻ではなく、むしろ良妻だったはずだ。


美しく穏やかな妻はなぜ、ヤバイ妻になってしまったのか?


それを考えてみよう。

ヤバくなる可能性を秘めているのは妻に限らない。
彼女がヤバくなることもあるし、セフレがヤバくなることもある。


ヤバイ妻は対岸の火事ではなく、常に身近に存在する。ただ顕在化しないだけだ。


僕の短い人生経験を振り返ると、女が「ヤバイ人」になるには3つのSTEPがある。


STEP1は、肉体関係を持つこと。
STEP2は、女が「彼しかいない」と強く思い込んでいること。
STEP3は、彼の心がここにないことが判明することである。


まずSTEP1を見てみよう。
肉体関係を持つことで、男側に責任が生じる。

無論、法律的にも社会的にも倫理的にも、無理やり致したのでなければ、責任を負う必要はないはずだ。

しかし、たとえ女からメールが来て遊んだとしても、ノリノリで家に遊びに来たとしても、ヤッてしまったら男側に責任が生じるのだ。
どんなに抗っても、どんなに男が「悪いことをしていない」と主張しようと意味が無い。

世の中がそういう風になっているからである。
世界は理屈だけで動いていないのだ。

不倫や浮気を「自由恋愛だ」などと言う人がたくさんいるが、実際に世間はそれを許さない。
そして、世間でダメと言われていることは、結局ダメなのである。
誰が何と言おうと。

それが「常識」というものだ。
常識とは、文化や社会通年から作られるが、おそらく僕達が生きているうちに簡単には変わらない。

Pick Up Artist(ナンパする人)は常に例外でなければならないらしいが、世間は例外を許さない。
そういうものなのである。これはもう仕方ない。


話が大きく逸れてしまったが、肉体関係には多くの場合、責任が生じる。

いわゆる

「ヤッたんだから付き合ってよ」

というものだ。

男が女に「俺とヤッたんだから付き合ってよ」

と言っても「だから何?アホなの?」で終わるが、女には「ヤッたんだから付き合ってよ」という強力な権利が生じる。

その権利はオプション(選択可能なもの)であり、女が権利を行使した場合、男は

(1)応じる
(2)応じないで悪口を言われる

のいずれかを受け入れなければならない。


(2)は自分のコミュニティと遠いところにいる女の戯れ言なら何の問題もないが、身近なコミュニティにいると致命的である。
相手から好きになって、相手から家に来て、ノリノリで泊まっていって、それに応じただけだとしてもダメ。

なんだか個人的な愚痴が止まらず話が全くまとまらないが、
ヤッてしまった責任がメンヘラスイッチのキャンセルボタンを消してしまうということを覚えておいてほしい。


さて、メンヘラスイッチの話に戻そう。

STEP1の肉体関係を持つことにより、
STEP2で女の「大好きスイッチ」を押してしまうことがある。

逆に言うと、STEP1で身体の関係を持ったとしても、「大好きスイッチ」を押すことがなければ、自然と関係は終わる。
しかし、STEP2に進んだ場合、話は深刻である。

振り返ってみよう。

STEP2は、女が「彼しかいない」と強く思い込んでいること

ここで、相思相愛でお付き合いできるなら、こんなに幸せなことはない。
二人の未来を心から祝福したい。
幸せな未来を築いてほしい。


問題は、女→男で気持ちが一方通行だった場合である。

彼女は

・身体の関係を持ったんだから付き合って当然(STEP1)

と考え、

・彼のことが大好き(STEP2)

で、彼との幸せな未来を強く思い描く。

しかし、現実の彼は自分に興味が無いことが判明する。

つまり、STEP3である。

STEP3は、彼の心がここにないことが判明することである。


ここで発生する認知のズレが「メンヘラスイッチ」の原因である。

彼と私は付き合って当然なはず。
私は彼が大好き。

そんな彼が私のことを好きじゃないのはなぜ?
思い描いた幸せな未来と現実のギャップが許せないのだ。
ヤバイ妻のように、力づくで思い描いた未来を手に入れようとする。


メンヘラスイッチには3種類のボタンがある。


(A)私とヤッたのに付き合わないあなたがおかしい
(B)私とヤッたのに私を好きにならないあなたがおかしい
(C)私が好きなのに私以外と付き合ったあなたがおかしい


の3つである。


(C)は高校のような狭いコミュニティにありがちだが、男側に全く非がないため、
「私の大好きなあの人を取ったお前を許さない」と勘違いされ、なぜかその男と付き合っている彼女が誹謗中傷を食らうことになる。

余談だが、高校2年生のときに付き合った子がこの手の悪口を言われていたことがある。
それでいて、悪口を言う方の女は脳が恋愛に支配されているため、自分に次の好きな男ができると、人に散々迷惑をかけたことはすっかり忘れ、自分が好きになった男に突っ走る。

そして恋愛脳女は、「あの時私と付き合わなかったあの男」をなぜか悪く言い、「今の好きな人のほうがずっと素敵」ということをことさらに強調するのだ。
全くもって迷惑な話である。

...また、個人的な愚痴で話が逸れてしまった。
ちなみに余談はメンヘラというよりは、「恋愛脳 × プライドが高い」という資質を持った女の人に好かれた場合に発生するパターンなので、今回の記事の主旨とは異なる。


現実にメンヘラボタンが押されるのは、(A)と(B)のパターンが一番多い。

メンヘラスイッチが押されると、僕のヤバイ妻のマリアのように、なんとしても彼の心を手に入れようと奇妙な行動を取ることがある。
具体的には、昼間に突然20件の着信を残したり、意味不明なメールが送られてきたり、夜中に突然家のチャイムを鳴らしに来たり、「付き合わないならもう死んでやる!」と連呼したり、である。

ただ、こんな風に本当にヤバくなる人は200人に1人くらいなので、どんなに遊び歩いていてもメンヘラスイッチを押すことは人生で1回~2回くらいだろう。

軽度のメンヘラスイッチであれば、ひどく悪口を言われる程度だし、どちらかというとヤッてしまった男が悪いとも言えるので、それは気にする必要はない。


さて、ではメンヘラスイッチを押さない方法を教えよう。

これは本当に簡単だ。

第一に、責任を取る気もない相手と身体の関係を持たないこと
第二に、気を持たせるような思わせぶりは一切しないこと

これだけである。
たったこれだけでいい。

理性を保つのが難しいけど。


思わせぶりをすると相手の思い込みがどんどん加速し、幸せな未来を想像してしまう。
メンヘラスイッチを持つ者は、思い描いた幸せな未来と現実のギャップが許せない。

だから、現実を破壊しようとするのだ。


長期的な関係を築く気にならないような相手と身体の関係を持つ必要はない。

女に対するコンプレックスこじらせていない限り、基本的には経験人数と幸福度は比例しない。

ある程度の経験人数を重ねると普通は、

「俺...何やっとんのやろ?」

となるはずだ。


幸せになるために、無駄に身体の関係をもつ必要はないのである。

余談だが、「モテ = ヒットレシオ(ヤれる確率) × 試行回数(ヤろうとトライした数)」と言う人が多いけれど、
経験人数が多いことは、モテることとイコールではない。

「モテ = ヒットレシオ × 試行回数」の値が最も大きい人はたぶん、モテる人ではなく暇な人である。

モテる人は、ヒットレシオが高い人だ。
ただし、この「ヒット」は「身体の関係を持つこと」ではない。
そして「モテ」は本来定性的なもので、定量的に計測する必要などない。
人と競う必要もない。

断言してもいいが、やたらと経験人数が多い人はセクースすること自体にさほど幸福を感じていない。

ゲームを楽しむようなスタンスで経験人数を増やしている人がほとんどのはずだ。
そしてこのゲームには中毒性があり、依存性が極めて強く、一つ一つが人間の本能に直結しているため、なかなかやめられない。

僕自身、昔女の子を引っ掛けに街に出ていた時の、あのワクワクした感情を今でも覚えている。


しかし、息抜きとしてのゲームは人生には必要かもしれないが、ゲームが人生のメインになってはいけないのである。


人生は短く、有限だ。
ホリエモンのように

「優先順位は必要ない。やりたいことをやりたい順にやる」

という成功者もいるが、
普通の人は優先順位をつけて自分を律していかなければ、刺激中毒になってダメになっていく可能性が高い。

時間には「投機的な使い方」と「投資的な使い方」があり、将来の糧になるような時間の使い方と、その場の楽しみとして消費していく時間の使い方を上手に振り分けていかなければならない。

人生とはつまるところ、時間のポートフォリオなのである。
もちろん、ポートフォリオは自由に組み替えることができるため、ゲームを優先順位を最上位にするのも各人の自由だ。


さて、話を戻そう。
メンヘラスイッチを押さない方法は簡単だ。

女と出会っても普通に友達になって、異性の関係になる可能性を一切ほのめかさなければいい。
そして、仮に相手がこっちに好意を持ったとしても、「ついついヤッてしまった」を断固たる意志で防げばいい。

この断固たる意志を養うのは簡単だ。
付き合う気もない女子と会う前に、自家発電してから行けばいい。

何があっても賢者のような気持ちで接することができるだろう。
僕はこの素晴らしい技を学ぶまで、10年以上の月日を費やした。


女と会う前に自家発電


は紙に書いて部屋の壁に貼っておいてほしい。


最後に、男側の話をしよう。
アイドルの冨田真由さんがヤバイ男に刺された事件が話題になったが、「ヤバイ男」も「思い込みの強さ」から始まる。
しかし男の場合は、肉体関係がなくても勝手にヤバくなるからタチが悪い。

世の中にヤバイ人がそんなにたくさんいるとは思えないが、原発と同じで何かあったときのダメージは計り知れない。

女のメンヘラスイッチは

STEP1は、肉体関係を持つこと。
STEP2は、女が「彼しかいない」と強く思い込んでいること。
STEP3は、彼の心がここにないことが判明することである。

だったが、男の場合はSTEP1は妄想で補ってしまう。

STEP2とSTEP3が交じり合って暴走するのである。
それを防ぐ方法はたった一つ。


何があっても反応しない。
ヤバそうな男に対しては、まるで屍のように無反応で生きる。
即ブロック。シカト。
これしかない。


さて、「僕のヤバイ妻」も佳境に入った。
妻のマリアは隣人の鯨井有希に刺され、予告では幸平が気絶していた。

何があったのかはわからないが、正直マリアには幸せになってほしいと願うばかりである。
現実世界でメンヘラに当たると大変だと思っていたが、よくよく考えるとマリアは何も悪くない。

結局、幸平が不倫をしなければこんなことにならなかったのである。

月並みな締めになっていまうが、もし自分が結婚しても不倫はするまいと思った。