時の流れは残酷だ。
昔は寝ているだけでほとんどの肌のトラブルが解決していたのに、今では放っておくと干からびて砂漠のようになってしまう。
肌年齢や髪質などは見た目のレベルに跳ねてくるため、そのレベルを少しでも上げるために様々なアイテムを試していた時期がある。
時の流れに逆らって自分の見た目のレベルを上げようとする努力は、下りのエスカレーターを逆走するようなもので、それなりの努力が必要であった。
夜遊びに人生のすべてを賭けていた時期は、とにかく色んなアイテムを試しまくっていた。
リファ、目元クリーム、炭酸パック、SK-II...
女子が持っているようなアイテムを買い漁り、肌への効果というより、お金を使うことで安心していたのかもしれない。
試行の過程での判断基準は、
・とにかく誰か有名そうな人が勧めていたものを片っ端から使ってみる
というもので、そこに科学的な根拠はなかった。
「とりあえずやってみる。ダメだったらやめる」
というノリで目についたものを買いまくり、当時遊んでいた女の子からは
「謎に女子力が高いおっさん、より一層キモい」
と恐れられていた。
キモくても構わない。
後悔しないために、俺は俺の全力を尽くしたいだけだ。
そう言い聞かせて買い漁った美容グッズのほとんどは、今では埃をかぶって眠っている。
* * *
「かずのすけ先生」と呼ばれる美容界のカリスマがいる。
美容グッズのブログを運営していて、本も出版している超人気ブロガーである。
お肌がツルツルで顔もイケメン。
化学教師の資格を持ち、現在は化粧品開発のコンサル業や本の出版を本業としているらしい。
かずのすけ先生は時々、ネットで誤りを指摘されることもあるようだが、僕のような知識ゼロの美容入門生にとってはたくさんの学びをくれる師匠でもある。
そんなかずのすけ師匠の本を読んで、自分なりに美容グッズを選んで買ってみた。
実際に使ってみたので、
「ぶっちゃけどうなの!?」
と皆が気になる「かずのすけ美容グッズの使用感」を紹介したい。
加齢に悩むブラザーの救いになれば嬉しい。
洗顔料
まずは師匠の言葉を振り返りましょう。
かずのすけ師匠曰く
「ほとんどの肌トラブルは洗いすぎが元凶」
です。
人間の肌には保湿成分である「天然保湿因子(NMF)」、バリア成分である「細胞間脂質」が存在し、その上を「皮脂」が覆って蒸発を防いでいます。
過剰に洗浄してしまうと、人間が持つ保湿因子などを洗い流してしまい、皮膚のバリアや保湿を司るシステムが正常に機能しなくなります。
なので、まず私達が気をつけるべきなのは、
過度な洗浄をやめること
です。
過剰洗浄をやめることが洗顔の大前提なのです。
その上で、「カルボン酸系」や「アミノ酸系」のような、洗浄力のマイルドな洗顔料で優しく洗うのが良いそうです。
カルボン酸系の洗浄成分の見分け方は、成分表示の上位に
・ラウレス(4/5/6)カルボン酸Na
・ラウレス(4/5/6)酢酸Na
が表示されていること。
ラウレス-4カルボン酸Naというのは、植物から抽出したアルコール+酢酸で作った成分です。
ラウレス-4とか5とか6のような数字が変わっていく場合がありますが、数字が大きいほど洗浄力が下がり、低刺激になります。
アミノ酸系洗浄成分の見分け方は、成分表示の上位に
・「ラウロイル〜」or「ココイル〜」 + メチルアラニンNa / グルタミン酸Na / アスパラギン酸Naのどれか
が表示されていること。
Google検索するとかずのすけ師のサイトが上位に出てくるのですが、それ以外では以下のサイトに成分について詳しく書いてありました。
↓
ラウロイルグルタミン酸Naは低刺激なアミノ酸系界面活性剤 | エイジングケアアカデミー
で、師匠の言葉を参考に購入したのがこれ。
成分はこんな感じです。
631円で「ラウレス-4カルボン酸」が入っていて、なんとなくコスパが良さそうなので買いました。
ただし、その他の成分が問題ないかどうかは少し不安ですよね。安いし。
で、使ってみた感想は、
泡が立たねえ
これに尽きます。
なんかうまく泡にならない。
幼い頃から洗顔の泡を愛し、泡で包み込むように洗顔するのが正義だと考えてきた僕にとっては
泡が立たない
というのがけっこう致命的だったので、3日くらい使った後に別の洗顔料を買いました。
それで別のものを試そうと、新たに買った洗顔料がココイルボディソープです。
成分はこんな感じ。
「ラウレスー5カルボン酸Na」が入ってます。
この「ココイル」はかずのすけブログでも紹介されているアイテムで、ボディソープにも洗顔にも使えるとのことで、とりあえず買ってみました。
手でこねくり回しても良い泡は立ちませんが、洗顔ネットを駆使すればなかなかのホイップができました。
で、使ってみた感じも優しく洗えてめっちゃ良いです。
ボディーソープで顔を洗う
という違和感さえ気にしなければ、顔を洗った後にパサパサになることもなくいい感じです。
ちなみにかずのすけ師は
「夜洗顔したら、朝はお湯だけで洗うべし」
と言っています。
主に女性向けのアドバイスだと思いますが、男性でも洗いすぎには注意しましょう。
楽天→ココイルボディソープ1000ml詰め替えパック
ちなみにバルクオムの洗顔用泡立てネットはマジで最高の泡立ちです。
こちらの記事で泡を立ててみたので、ご確認ください。
化粧水
皮膚は表面から
表皮
↓
真皮
↓
皮下組織
のように、層が重なっている構造になっています。
花王のサイトがわかりやすいです。
↓
肌とはなにか - 花王
化粧水の成分が届くのは表皮の「角質層」までです。
なので、化粧水の成分で有効なのは角質層にあるセラミドや水分を補うものや、角質層の酸化を防ぐものです。
肌をパンパン叩くパッティングは肌に刺激を与える上に無意味なのでやめましょう。
どんなにパンパンとパッティングしても、化粧水は角質層までしか浸透しないからです。
化粧水を選ぶ際の基本原則は以下の通りです。
- セラミド入り保湿剤を一種類塗る
- 乾燥する人は適量のクリームを塗る
- 角質層での酸化を防ぐ「抗酸化成分」が入ってるとなお良い
そんな原則を踏まえて最初に買ったのがセザンヌ スキンコンディショナー高保湿です。
成分はこんな感じになっています。
「セラミドNP」とか「セラミド+数字(またはアルファベット)」で記載されているものはヒト型セラミドと呼ばれるもので、感想や保湿効果が優れています。
この「セザンヌ スキンコンディショナー高保湿」は700円で「セラミドAP」、「セラミドNP」、「セラミドEOP」が入っているという優れものです。
Amazonでの評価もなかなか良いけど、Hideyoshiは何ていうかな?
それで使ってみた感じは正直、肌がパサパサする気がしました。
買った後に再度本を読み直して見つけたのですが、かずのすけ師曰く
「1000円未満の基礎化粧品が優秀なわけがない」
とのこと。
セザンヌスキンコンディショナーは700円だもんね...。
5,000円を超えると基礎化粧品の品質には大差がないけれど、500円と5,000円では圧倒的に5,000円の方が高品質だそうです。
というわけで、改めて買い直したのが「ヒトミドエッセンスX」。
2,000円でけっこう高かったです。
成分はこんな感じです。
で、成分的にはパーフェクトっぽいこいつを使ってみたんですが、正直に言います......正直に言うと、ヒトミドエッセンスもイマイチでした。
僕は乾燥肌で、普段から保湿化粧水を塗りまくっていたから、こういう天然素材っぽいやつだと肌の保湿成分の供給が追いつかなかったのだと思います。
この「ヒトミドエッセンスX」を付けて、その上にクリームを塗って仕事に行ったんですが、途中から肌が乾いて痛かったです。
粉を吹いたりはしていないのですが、ヒリヒリしてきてこれは良くないと思い、使用中止にしました。
個人的な使用感で言うと、無印のエイジングケアの方がしっとりして好きでした。
このままでは、かずのすけ師匠の教えを守れない!
ということで、一縷の望みを賭けて買ってみたのが「エトヴォス モイスチャライジングローション」でした。
「エトヴォス モイスチャライジングローション」はセラミド以外にも
- ヒアルロン酸Na
- 天然保湿因子(MMF)
- 植物性プラセンタエキス
- ヒドロキシプロリン
- ホスホリルオリゴ糖Ca
- リピジュア
などの、保湿成分を6種類配合した、保湿に定評のある化粧水です。
恐る恐るお試し版から購入してみたのですが、これがめちゃくちゃ良かった!
保湿力が半端なく高くて、冬でも全然乾燥しません。
10日分のトライアルキットが1000円以下で購入できるので、化粧水迷子になっている人は試してみてほしいです。
化粧水を塗る量
かずのすけ師は、化粧水は基本“500円玉程度”の大きさで十分で、足りなかったらクリームを塗るのがいい、と言っています。
しかし実際のところ、“500円玉程度の化粧水を塗るだけ”で生活すると肌がヒリヒリして痛いです。
僕は普段から高保湿の化粧水をドバドバに付けていて、むしろ付けすぎていて、肌の皮脂の分泌を妨げている可能性があります。
かずのすけ師のアドバイスは普通肌、オイリー肌の人向けのアドバイスなんじゃないかなあと思います。
乾燥肌の方はたっぷり二回つけるくらいが丁度いいのではないでしょうか。
少なくとも自分は、化粧水は風呂から上がった後に一度。髪を乾かした後にもう一度塗っています。
ちなみに使ってみて実際に肌の調子が良くなったように感じているのは、エトヴォスとオルビスユーです。
オルビスユーを使ったときの感動は以下の記事にまとめています。
保湿用のクリーム
かずのすけ師を参考に買ったクリームはこちらです。
成分はこんな感じです。
モチュレアスタリノを選んだ理由は
「ビタミンC誘導体やヒアルロン酸をはじめとするモチュレの美容液成分をパワーアップ。
また、アスタキサンチンやピーカンナッツエキス、ビタミンP誘導体を配合。」
的な商品紹介を読み、かつ値段がPrime会員で安くなっていたからです。 2,178円。
使ってみた感じ、肌に馴染んで素晴らしいです。
もう三ヶ月以上ずっと使っています。
「化粧水を二回塗った後にモチュレアスタリノ」が鉄板のパターンです。
年齢は重ねているはずなのに、肌ツヤはずいぶん良くなったように感じます。
エトヴォスの保湿クリームを使うのもいいかと思っていたのですが、ちょっとコストがかさむので、クリームは少し安めのモチュレにしています。
コットンと手、どっちがいいの?
「化粧水を塗るときはコットンでやるよりも手で塗った方がいい」
とかずのすけ先生は言っています。
理由は2つあります。
一つは、コットンに水分が吸収されてしまって、化粧水がもったいないこと。
もう一つは「肌には刺激を与えてはいけない原則」で、コットンよりも手の方が肌への刺激が少ないからです。
コットンは肌にとっては異物ですが、「自分の手」は異物ではありません。
当たり前ですが、自分の手だからです。
肌に刺激を与えてしまうと、その刺激が肌の黒ずみの原因になってしまいます。
手で優しく、叩かずに化粧水を浸透させましょう。
正しいシャンプーの選び方
正しいシャンプーの選び方の第一歩は、避けるべき成分を理解することです。
髪に優しくないシャンプーを避ける目安はとてもシンプルです。
成分表示を見てください。
- 語尾に「〜硫酸Na」「〜硫酸TEA」などが付くものはNG
- 語尾に「〜スルホン酸Na」が付くものはNG
これだけ覚えておきましょう。
かずのすけ先生は特に「ラウリル硫酸」「ラウレス硫酸Na」「オレフィンスルホン酸Na」は「3大NG界面活性剤」として注意喚起しています。
硫酸系やスルホン酸系と言われる陰イオン界面活性剤は、洗浄力や刺激が強すぎるためです。
敏感肌の方は特に注意してください。
それでは正しいシャンプーの選び方にはどんな目安があるのでしょうか?
これも成分表示をチェックします。
- 語尾に「〜カルボン酸Na」「〜酢酸Na」(カルボン酸系)
- 語尾に「〜タウリンNa」(タウリン系)
- 語尾に「〜アラニンNa」「〜グルタミン酸Na」(アミノ酸系)
がついているものを選びましょう。
ただし、どんなに正しい成分が書かれていても、ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Na、オレフィンスルホン酸Naなどが入っていたらNGです。
まずはカルボン酸系から試して、それからアミノ酸系に移行していくのが推奨されています。
さてそんな師匠の教えから私が選んだのは、「コタアイケア」です。
「ラウロイルメチルアラニンNa」という成分が含まれた、いわゆるアミノ酸系のシャンプーです。
泡立ちがめちゃくちゃ良くて、少量で髪全体を洗えるため、一度買えば半年くらい使えます。
コタは肌に優しく、しっかり泡立ち、使い心地も素晴らしい魔法のようなシャンプーです。
楽天→コタ アイケア シャンプー 800mL + トリートメント 1000g セット
女性には「ドルチボーレ アマンナシャンプー」がおすすめです。
全成分は以下の通りで、カルボン酸系の肌に優しい成分構成となっています。
(「カルボン酸系」のシャンプーは、かずのすけ先生がまずはじめに使ってみるのに推奨しているシャンプーです)
水、コカミドプロピルベタイン、グリセリン、ココイルメチルタウリンNa、ペンチレングリコール、ラウレス-4カルボン酸Na、ケイ酸Na、PCA-Na、ヒアルロン酸Na、加水分解ケラチン(羊毛)、オタネニンジン根エキス、センブリエキス、サピンヅストリホリアツス果実エキス、マンダリンオレンジ果皮油、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン、ポリクオタニウム-10、ベタイン、トレハロース、PEG-20ソルビタンココエート、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、クエン酸、クエン酸Na、エチルヘキシルグリセリン、カプリル酸グリセリル、ポリアミノプロピルビグアニド
ラウリル硫酸Naなどの刺激が強い成分は入っておらず、赤ちゃんにも使えるレベルなので、産前産後でなくても低刺激で良いシャンプーだと思います。
シャンプーとトリートメントで7,000円なので、コタアイケアが高すぎる!という方にとっても「アマンナシャンプー」は良い選択となります。
(コタアイケアはシャンプーとトリートメントで10,000円以上します)
老化対策
アンチエイジングには3つの王道があります。
・紫外線を防ぐために、日焼け止め、日傘、帽子を使う
・活性酸素を防ぐために「抗酸化成分」入りの化粧品を使う
・セラミド入りの化粧品などで乾燥ジワを改善する
以上の3つです。
そのうち、「抗酸化成分」によって肌の表面の酸化を抑えるために有効なのが「アスタキサンチン」という謎のサプリなので、とりあえずアマゾンで買ってみました。875円。
ざっと調べた感じだと、アスタキサンチンは
「β-カロテンの5倍、CoQ10の800倍、ビタミンEの1000倍、ビタミンCの6000倍」
の抗酸化力を持っているようで、特に「一重項酸素」という活性酸素を無毒化するのに有効だと紹介されていました。
詳しい仕組みはリンク先に書いてあるので、気が向いたら見てみてください。
なぜ肌は黒くなるのか?
肌が白くなる原因は紫外線にあると思っていました。
片側だけ陽に当たっていたトラック運転手の肌が著しく老化したって話を聞いたことがある人もいるでしょう。
少し前に話題になった「左側だけ老化したトラック運転手」の画像探してたら色々画像出てきて紫外線怖すぎワロタ pic.twitter.com/hAHA77Vqzz
— ヒデヨシ (@cook_hideyoshi) 2017年8月9日
かずのすけ師曰く、肌が黒くなる原因は「メラニン」という色素で、肌は紫外線の刺激を受けたときだけではなく、
- 手の摩擦による刺激
- 化粧品の刺激
でもメラニンを作り出すそうです。
メラニンは紫外線や刺激から皮膚を守るためにあるからです。
普段から肌を触ってしまう癖がある人は、気をつけた方がいいですね。
肌が黒くなる仕組みは以下の通りです。
1.紫外線や摩擦などの刺激を受ける
2.肌の奥(基底層)にある「メラノサイト」がメラニンを生成する
3.角化細胞がメラニンを受け取って、皮膚表面に上がっていく
4.肌の上に出てきたメラニンは肌の生まれ変わる周期によって、垢と一緒に剥がれ落ちる
で、最後の「4.垢と一緒に剥がれ落ちる」がうまくいかないと、メラニン色素が皮膚から排出されずに皮膚に沈着し、シミ、くすみ、黒ずみになるというわけです。
美白を気にするなら化粧品に頼るより、紫外線や肌刺激のブロックが一番ということですね。
男性であれば、ひげ剃り回数を格段に減らせるヒゲ脱毛も美肌に有効です。
僕自身、ヒゲ脱毛をしてから肌荒れがなくなりました。
肌にカミソリを当てなくなったからです。
ヒゲ脱毛後の様子は下の記事で写真付きで紹介しています。
興味がある方は一度読んでみてください。
かずのすけ先生の本を読んで、「ただ強力な洗浄成分で洗い流せばいい」と勘違いしていた自分を反省しました。
しっかり成分を見て、正しいスキンケアを心がけたいと思います。
- 作者:かずのすけ
- 発売日: 2017/07/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)