もっと早く知りたかった!「一流の記憶法」に書かれている記憶のメカニズムについて。



僕は物覚えが悪い。

物覚えが悪い上に、普段から勉強しないものだから、定期試験の一週間前になって夜中の3時まで勉強し、ほぼ一夜漬けでテストに挑み、毎回玉砕する。


高校のときのみならず、大学に入ってからも一夜漬けの人生は続いた。

人生いつも出たとこ勝負である。


一夜漬けで教科書の内容を詰め込むために、緑の線を引いて赤いシートを被せた。

よし!覚えた!

はい次!

よし!試験の範囲は一通り読み終わったぞ!

何度もノートに書いた。

バッチリ覚えたはずだ。

さぁ試験だ。




何も思い出せない。




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僕に限らず、こういう経験がある人はいると思う。


なぜ、僕たちは覚えたはずのことを思い出せないのか?

そもそもなぜ、覚えていないのか?


それは、記憶の方法が間違っていたからなのです。

記憶のメカニズム


まずは記憶のメカニズムを見ていきましょう。

人間に限らず、全ての記憶装置は

  1. 記銘(符号化)
  2. 保持(貯蔵)
  3. 想起(検索)

という3つの段階を経て情報を記録します。


記銘とは、情報を記憶として取り込むこと。すなわち、覚えることです。


保持とは、記銘した情報を一定時間保つことです。


想起とは、保持されていた情報が、一定時間後に外に現れることです。


この3つのうち、どれか一つでもうまく機能しなければ、情報を思い出すことができません。

3つのプロセスが大事です。


記憶できない人は、このプロセスのどこかが欠けています。


短期記憶と長期記憶

外部の情報は、

感覚記憶

短期記憶

長期記憶


の段階を経て、長期記憶に保存されます。

私たちは入ってきた情報全てを記憶しているわけではありません。

触れたもの、匂い、見たもの全てを認識しているわけではないように、


「感覚にとどまった情報」


の一部しか、意識にのぼりません。

意識するためには、注意を向ける必要があります。

つまり、感覚記憶に載せるためには、


「数ある情報の中から選び取って、注意を向ける」


必要があるのです。

これを「選択的注意を向ける」といいます。

選択的注意を向けた情報だけが意識にのぼり、短期的に記憶できるようになります。


さて、選択的注意を向けて短期記憶に入った情報はどうなるでしょうか?


短期記憶は15秒〜30秒程度でなくなってしまいます。

さらに、短期記憶は容量が限られており、その容量はかなり少ないのです。


そのため、僕たちはどうにかして、短期記憶を長期記憶に保存しなければいけません。


長期記憶とは、読んで字のごとく長い期間保持できる記憶のことです。

容量はほぼ無制限。一説によると1ペタバイトもの情報を保存できるのだとか(1ペタバイトは1テラバイトの1000倍です。本にすると3万冊分)


こんなにも大容量の記憶装置を持っているにも関わらず、朝ご飯のメニューを思い出せなかったり、先週会った人の名前も思い出せないのはなぜでしょう?


それは、特定の処理をした情報しか、短期記憶から長期記憶に移行しないからです。


では、情報を短期記憶から長期記憶に移行するにはどうしたらいいでしょうか?


長期記憶に情報を移動させる方法

情報を短期記憶から長期記憶に移行させる方法は


「特定の処理を繰り返すこと」


です。

具体的には、


ある情報を長期記憶にするためには、


「その情報を一定時間後に想起することを繰り返す」


必要があります。


これです。


僕たちは英単語を覚えるために、ノートに一心不乱に書いたり、必死になって念仏を唱えたりするじゃないですか。


違うんです。


ただ繰り返すんじゃなくて、「想起する」練習が必要なんです。


「思い出すこと」こそが記憶の目的です。


①情報を短期記憶に入れる

②短期記憶から長期記憶に移行させる

③想起することで長期記憶から情報を引き出す


という、3つのステップを踏んで、最終的に正しく情報が引き出されるように訓練する必要があります。


たとえばこんな画像があったとします。


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10秒間、何も考えずにボーッと見た後に、


「誰がいたか」


を思い出そうとしても、思い出せないはずです。


情報を短期記憶に入れるためには、まず「情報に注意を向ける」必要があります。

注意を向けていない情報は短期記憶にならず、短期記憶になっていない情報は長期記憶になることもありません。

で、注意を向ける方法ですが、


頭の中に入れた情報を操作してみる


のがいいです。

頭の中でそらんじたり、口に出したり、イメージしたり、説明してみたり、色々と情報をこねくり回してください。

そうすることで、情報は短期記憶に入ります。


次に、短期記憶に入れた情報を長期記憶に移行させます。


長期記憶に移行させるための方法は、


「繰り返し思い出すこと」


です。

この段階では、ブツブツ何度も唱えてはダメです。

何度も紙に書きまくるのもダメです。


「一定の時間を空けて、一定時間保持し、それから思い出す」


訓練が必要だからです。


僕は何度も連続で書きまくってモノを覚えようとしていたのですが、大事なのは「時間を置いて、思い出すこと」でした。


僕は思い出す訓練をせず、時間をあけずに書きまくっていました。

その場合、短期記憶にあるものをひたすら引っ張ってきているだけで、長期記憶に入っていっていなかったのです。


長期記憶に入れて、それを思い出す訓練をする必要があります。

そうじゃないと、肝心なところで記憶を引き出すことができません。


想起訓練のコツは、思い出すことに成功するたびに、間隔をあけていくことです。


具体的な目安は以下のとおりです。


1回目:数秒から30秒程度以内に複数回
2回目:数分以内
3回目:1時間から1日以内
4回目:1日後
5回目:1ヶ月後


ポイントは復習ということになります。

ただし、復習は復習で時間がかかるので、間隔を徐々にあけないと復習ばかりで先に進めなくなります。

情報を上手に長期記憶に保存し、思い出す間隔を伸ばしていくことが重要です。

逆に、勉強するたびに何かを忘れていくのは非常にもったいないので、定期的に思い出す練習をする必要があります。


次の記事では「記憶するコツ」についてまとめてみます。



一流の記憶法: あなたの頭が劇的に良くなり「天才への扉」がひらく

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