石原さとみとの沖縄デートで最近話題となった前田裕二さんの著書『人生の勝算』を読んだ。
「有名起業家になれたら石原さとみと沖縄旅行に行ける可能性もある」
— ヒデヨシ (@cook_hideyoshi) 2018年5月8日
という事実は、世の中の男を奮い立たせる大きな希望となるだろう pic.twitter.com/0IKqPMCnjc
『人生の勝算』では両親を亡くしてストリートミュージシャンとして日銭を稼いだ彼の幼少期から、
外資系証券会社を経てDeNAに入社し、SHOWROOMを作り上げるまでの人生が綴られている。
人生を綴っているとはいえ、自伝というよりは、彼の人生を通じて得られた教訓について語られているのが特徴だ。
どのエピソードを読んでも学びが多く、本を読めば
「石原さとみをゲットしたのはマグレではない。前田裕二には確かな勝算があったのだ」
ということがわかるだろう。
前田祐二さんの本読んでるけど、この人只者じゃないぞ...
— ヒデヨシ (@cook_hideyoshi) 2018年5月9日
8歳のときに親を亡くし、弾き語りでお金を稼ぐ小学時代。
ただ歌うだけじゃなく、客と『絆』を作って『濃い常連客』に変えていくプロセスを計画的に、戦略的に実践した。
さとみをゲットしたのもマグレやない、前田には勝算があったんや... pic.twitter.com/uj3niLqiOX
この記事では、彼のことは今後、親しみを込めて
「裕二」
と呼ぼう。
裕二が書いた『人生の勝算』の見どころは大きく分けると3つある。
- 裕二の少年時代
- 裕二のUBS証券時代
- そして裕二がSHOWROOMを立ち上げ、軌道に乗せるまで
人の3倍の密度で生きることを是としている裕二は、少年時代から度肝を抜かれるようなエピソードが多い。
今回の記事では、親を亡くした彼が音楽を通じてどのように客と心を通わせていったのか、という少年時代のエピソードを紹介したい。
* * *
小学2年の夏、最愛の母親を亡くした裕二は、10歳離れた兄と親戚の家で暮らすことになった。
親を亡くし、人生に失望し、親戚の家でもうまくいかなかった裕二は、ストリートミュージシャンとしてお金を稼ぐことを決意した。
路上でギターを弾いて日銭を稼いだ日々は、SHOWROOM開発のきっかけにもなっている。
裕二が弾き語りを始めたばかりの頃、誰も立ち止まって演奏を聴いてはくれなかった。
普通なら
「もっと歌がうまくなれば、お金を入れてくれるかも」
「色んな曲を知っていれば、人がたくさん聴いてくれるかも」
と考えるところだが、裕二は冷静にお客さんの立場で
「自分だったら立ち止まるだろうか」
と考えた。
答えは「NO」
ならば、今のやり方に問題があるということだ。
裕二は小学生の頃からずっと、
「実行し、反省し、改善し、また戦略を立てて再チャレンジ」
のサイクルを回し続けている。
ストリートミュージシャン時代も同じである。
歌の上手さで勝負しても、本物には勝てるわけがない。
本物が歌う曲でさえお金を出し渋る人がいるのに、小学生の自分が上手に歌えたところでお金は出してもらえない。
そこで裕二が着目したのは、「お客さんと絆を作る」ことだった。
絆を作って「濃い常連客にすること」こそが、裕二の弾き語り戦略だったのである。
濃い常連客を作るために、3つのステップを考えた。
第一ステップは、街を歩くお客さんにコミュニケーション圏内に入ってきてもらうことである。
吉幾三やテレサ・テン、松田聖子などの往年の名曲を歌い、通りすがる人が無視できないような、ツッコミどころを作っておく。
そうすることで、お客さんが
「小学生が歌謡曲を歌うの?」
とツッコんでくれる。
そこが裕二の戦略の始まりだった。
次に、お客さんからのリクエストを受ける。
コミュニケーションを取れるようになったら、次は密度の濃いやり取りを繰り返して、親近感を持ってもらう。
お客さんからのリクエストを受けて、それに応えることで、
「裕二を応援したい」
と思ってくれるお客さんを増やしていったのである。
リクエストされた曲を知らないときこそがチャンスである。
知らない曲をリクエストされたときは、無理して歌うのではなく、
「知らないので今日は歌えません」
と言う。
ここからが勝負である。
「今日は歌えないのですが、来週の水曜の同じ時間に、もう一度この場所に来てもらっても良いですか?」
と言って、次回の約束を取り付けるのだ。
そのお客さんのために一週間、一生懸命曲の練習をすることで、そこにストーリーが出来る。
歌のうまさや表現力では本物には勝てない。
でも、お客さんと心を通じ合わせる度合いなら勝てるかもしれない。
だから、裕二はお客さんと「心を通じ合わせ、心を動かすこと」を大切にしていた。
ただ良い曲を演奏するだけでは、
「モノ(演奏) 対 ヒト」の関係になってしまう。
それでは絆を作ることができない。
・良いモノを作ってるからいいだろ?
・良い曲歌ってるからいいだろ?
ではダメなのだ。
「モノ 対 ヒト」ではなく、「ヒト 対 ヒト」の関係性を築くことに意識を集中させなければいけないのである。
そしてお客さんと絆が生まれたあと、最後のステップとしてオリジナル曲を披露する。
戦略もなく歌っていたときは誰にも見向きもされなかったオリジナル曲。
これが「絆」という魔法をかけると全く別の価値がある曲に昇華する。
いくつものストーリーを共有するうちに、お客さんは決して裏切ることのない常連さんに変化するのだ、と裕二は語っている。
多いときは月に10万円以上のお金を入れてもらうことができたそうだ。
* * *
裕二は地図を描いてから動く人間である。
やみくもに洞窟に突っ込んで討ち死にするような動き方はしない。
戦略を練り、勝算がある場所で勝負するのは小学校時代から全く変わっていないはずだ。
石原さとみをゲットしたのもマグレではないと僕は信じている。
前田裕二には勝算があったのだ。
- 作者: 前田裕二
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長くなったので、裕二の証券マン時代の話はこちらの記事に書いた。
裕二の人生に興味がわいたって人はぜひ読んでくれよな。
→『SHOWROOM』前田裕二さんが外資系証券会社で学んだ、知識よりもスキルよりも大切なこと
ところで全然話が変わるんだけど、石原さとみが出演していた『リッチマン、プアウーマン』というドラマのDVDを観まくっている。
ほぼ寝ないでDVDを観ていたせいで昨日はブログを書けなかったのだが、このドラマはめちゃくちゃ良い。
全部通して観るのは3回目だけど、何回観ても心動かされる。
今回の裕二の騒動で石原さとみが気になった人は週刊文春よりも『リッチマン、プアウーマン』を観てほしい。
裕二が愛用しているモレスキンのノートについての記事はこちら。
人生の勝算はノートから始まるのだ。
oreno-yuigon.hatenablog.com