「テレワーク・デイズ」は日本の通勤地獄を変えるか



ツイッターでは全く話題になっていないんですが、7月23日(月)~7月27日(金)の間で「テレワーク・デイズ」なるイベントが開催されます。

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テレワーク・デイズのサイトには「2020年に向けた国民運動プロジェクト」なんて書いてあって、要はみんなでテレワークやってみましょうね、という働きかけのことです。

現時点で1110団体も参加しているようなので、もしかしたら読者の方のお勤めの会社も参加企業かもしれません。


2020年の東京オリンピックの開会式が7月24日となっていて、それまでに地獄の通勤電車をなんとか緩和したいという想いが込められているようです。


こういう政府主導の運動は否定されがちですが、テレワークが広まるのは個人的には好ましいことです。


振り返ると、真夏の通勤は地獄でした。


なんてったっておっさんが臭い!

満員電車でヌルっとおっさんの汗が染みるときはさすがに「この世は地獄か」と思ったものです。


上りの電車は6時〜10時は常時満員で、どう考えても人間が快適に移動できる環境ではありません。

オリンピック期間はきっと外国の方々も一緒に満員電車に乗るわけで、通勤という苦難を乗り越えるニッポンサラリーマンの大和魂を世界にアピールすることになってしまいます。

オンライン英会話の先生によると、フィリピンの通勤電車も相当ひどいみたいですけど。


以下の記事によると、以前東京オリンピックが開催された1960年代も通勤は地獄だったようで、それが事実だとすると、通勤電車のクレイジーさは50年以上の年季が入ったものになります。

電車の混雑がその昔よりもマシになった理由 ――「五方面作戦」が今に残したもの


朝日新聞のこの写真は1964年の新宿駅の様子で、2018年よりもやばそうな雰囲気が漂っています。
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(東京五輪物語)変わる交通網:4 朝の「通勤地獄」半世紀 生活スタイル改革を遺産に


それで、満員電車を緩和するには、

  • 乗る人を減らす
  • 乗る時間をずらす

くらいしかないのですが、「時間をずらす」にしても6時から10時まで満員なわけで、多少ズレたところでどうしようもない感じがします。

全員が東京に住めるかといえばそうでもなく、ここはやはり現代のテクノロジーによって問題の解消を図っていくのが現実的なのではないでしょうか。


つまり、出勤しなくてもいい人は出勤しない。

リモートで作業して成果で人を評価する、というものです。

最近ではサテライトオフィスなるものも増えてきていますね。


まぁ、人間は人の目がないとサボってしまいがちですし、家で作業すれば生産性が高まるかと言えばそうでもない気もします。

最近読んでいるHow Google Worksという本では、「スマートクリエイティブ」と呼ばれるスーパーエンジニアたちを同じ空間で働かせるのが大事だと言っていますし、人と人が目に見える距離で仕事することで新しいイノベーションが生まれる可能性もあります。

働く人の距離感はとても大事で、だからこそGoogleはあんなに社内の環境を整えて、社員が会社にいたくなるような空間を必死に作っているわけですね。


とはいえ、普通の日本企業で働くひとが「スマートクリエイティブ」かというと全然そんなことはないわけで、無駄な会議に参加させられるくらいならテレワークという名目で自分の作業に集中すればいいし、自分だけに留まる業務であれば、無理に会社に行く必要もないはずです。

だって通勤辛いじゃん。

時間もかかるし。


1964年と2018年で最も異なるのはインターネットの普及で、今では物理的な距離の制約はテクノロジーによってだいぶ解消されるようになりました。

オンライン英会話だってSkypeだし、チャットでやり取りしていればそれほど対話しなくてもなんとかなります。


最近は生産性向上やら働き方改革やらが声高に叫ばれています。


日本の労働生産性はアメリカの7割以下で、OECD34カ国中21位、先進7カ国の中ではずっと最下位です。

残業ばかりして長時間労働してもあまり儲からず、疲労ばかり溜まっていくのは辛いですよね。


今までは労働生産性が低くてもサービス残業と根性でなんとかなっていたのかもしれませんが、ここまでテクノロジーが業務に深く入り込んでくると、根性だけではなかなか生産性の差が埋められなくなってきてしまいました。


テクノロジーを使いこなす人とそうでない人の生産性の差って、軽く見積もっても10倍は違うでしょう。

根性ではさすがに敵わない。生産性を上げないと。


まぁ、労働生産性が低いのは単純に日本人が真面目すぎるだけなのかもしれないですが、とにかく無駄は多いですよね。

会議とか通勤とか通勤とか通勤...。


ツイッターでは全く話題になっていないテレワーク・デイズですが、これをきっかけに日本国民が


「通勤のない生活の素晴らしさ」


に目覚め、通勤はクソだと国民運動を起こし、なんとしても通勤を滅ぼそうと憤り、テレワークが国民の常識、いや、国民の基本的人権として浸透していくことになればいいなと思っています。


満員電車は本当に辛いからね。

そういえば、プレミアムフライデーってどこにいったんだろう。