旭山動物園に行ってきました。
旭川空港で降りて車で約20分の場所にあります。
旭山動物園は1967年7月1日に北海道旭川市東部の旭山に作られた公園です。
恩賜上野動物園・名古屋市東山動植物園に次ぐ日本第3位の入園者数を誇る動物園で、北海道の観光名所として必ず上がるほどの有名な動物園となりました。
園内のテーマは「伝えるのは、命」
このテーマの意味は、一度旭山動物園に行けばよくわかるはずです。
旭山動物園は動物が生まれ、成長し、子を生み、育て、そして死ぬまでの様子を包み隠さず伝えています。
普通の動物園では「動物の誕生」を祝い、伝えることはよくありますが、「動物の死」を伝えることはあまりありません。
旭山動物園では「誕生」だけではなく、「死」にも正面から向き合います。
動物の死については、青いプレートで隠さずに伝えています。
「安楽殺」という言葉をこの日初めて知りました。
旭山動物園に来たのは人生で二度目ですが、昔はその素晴らしさを理解することはできませんでした。
当時は今ほど好奇心が強かったわけではなかったのと、昔行ったときは極寒の冬で、動物を見る以前に自分の命の危険を感じるレベルの寒さだったからです。
今回遊びに来たのは夏。
気温は30度。
むしろ暑すぎるくらいでした。
旭山動物園は冬には名物「ペンギンの散歩」を見ることができますが、絶対に北海道の冬を甘く見ないでください。
必ず暖かい格好をしてくるように。
僕は油断して薄着で行って、死にそうになりました。
旭山動物園で僕が最も感動したのは、動物一頭一頭の人生に寄り添って飼育している様子がありありと伝わってくる点です。
繁殖から。
睡眠まで。
なぜトナカイの毛が暖かいのかのような、興味を持てそうなテーマは余すことなく紹介してくれます。
とにかく立て札を読むだけで面白い!
- ほっきょくぐま館
- もうじゅう館
- オランウータン舎
- ぺんぎん館
- サル舎
- ホッキョクギツネ舎
- エゾシカの森
- オオカミの森
- その他
など、動物ごとに小さな動物館があり、中では動物の生態が詳しく紹介されています。
オオカミの生態や
シカの戯れも。
ここはたしかアザラシが泳いでいる姿を海の中にいるような気分で眺めることができるスペース。
ペンギンが卵から孵化して大きくなるまでの様子を細かく伝えてくれる。
キリン。
ペンギン。
目の前にいる動物が、野生ではどのように暮らしているのか?
どういう経緯でこの動物園にいるのか?
どうやって子供を作るのか?
何を食べるのか?
など、動物園全体が図鑑のようになっていて、歩くだけでめちゃくちゃ勉強になります。
紹介文にもふりがなが振ってあるので、お子様がいる方はぜひ連れて行ってあげてほしいです。
本当に勉強になりました。
めちゃくちゃ面白いです。
サルの「モグモグタイム」では、サルが食事する場面をじっくり観察することができるのですが、
食事が置かれたときに最初に勢いよく降りてきたサルがいました。
このサルこそが、群れの「アルファ」と呼ばれるオスで、降りてきてすぐに壁を勢いよく蹴るんですね。
ドゴン!ドゴン!
って。
音を立てるのが上手なオスが群れの「アルファ」になり、ごちそうやメスに優先的にありつけるそうです。
面白かったのは、アルファじゃないオスがメスに全くありつけないかというとそうでもないらしく、アルファの目を盗んでメスとよろしくやるようです。
そんな知識も全部、旭山動物園の動物紹介プレートに書いてありました。
旭山動物園のような展示方法は「行動展示」と呼びます。
動物を置物のように見せるだけでなく、動物の生態や能力を観賞者に見せるように工夫した展示のことです。
- 動物はどんな行動を取るのか?
- なぜそんな行動を取るのか?
- どんな意味があるのか?
などを動物園を回りながら学ぶことができるので、知的好奇心が刺激されて大人でも楽しむことができるのです。
園内には休憩できる場所もたくさんあって、歩いていてストレスを感じないように工夫されています。
1990年代には来園者数が激減し、閉園の瀬戸際まで追い込まれた旭山動物園。
そこから日本第三位の動物園に成長するまでの奇跡の立役者となった「行動展示」は世界的にも有名になりました。
旭山動物園の見事な運営手法を語る書籍は何度か読んだことがあるのですが、旭山動物園ほど
「百聞は一見にしかず」
という言葉が当てはまる動物園はないでしょう。
旭山動物園のすごさは、旭山動物園に行けばわかります。
そこにはスタッフの情熱と愛情、そして真摯に動物に向き合ってきた軌跡がありありと見て取れます。
逆になんとかコンサルタントや学者が視察に来て偉そうに経営論を語ったところで、圧倒的な情熱がなければ旭山動物園のクオリティを再現することはできないでしょう。
旭山動物園をぐるぐると回って、園内のあらゆる場所から並々ならぬ動物への愛情を感じることができました。
道外の人が北海道へ旅行する機会はそれほど多くないと思いますが、連休を取れたらぜひ一度、足を運んでみてください。
近くに富良野のラベンダー畑や美瑛があるので、夏に車で観光すると楽しいと思います。
入場料
入場料は旅費に比べると小銭のようなものでしょう。
大人820円。中学生以下は無料。
なんと、年間パスポートが1,020円という破格の安さです。
おそらく一度で全ての動物の説明を読んで、全てを理解することは難しいので、近くに住んでいる人は「動物園パスポート」を買って一年間通うのがいいんじゃないかなぁ。
アクセス
今回の僕の羽田空港出発、旭川空港に降りて車で20分弱で行きましたが、
新千歳空港で降りてそこからバスや電車で旭山動物園に行く人、札幌で観光してから旭山動物園に向かう人の方が多いように思います。
電車で新千歳空港→札幌駅→旭川駅と移動し、旭川駅からバスに乗っていくのが基本戦略となるようです。
詳しくは以下の旭山動物園の公式ページの「アクセス」ページを御覧ください。
新千歳空港から札幌まで30分、札幌駅から旭川駅まで特急で1時間20分くらいかかります。
冬は電車が止まったり速度が落ちたりするので要注意。
ちなみに旭山動物園、旭川、富良野、美瑛などを観光する場合は旭川空港に降りて車で移動したほうが圧倒的に早いし便利です。
開園時間(営業時間)
時期によって違うのでよくよく注意してください。
特に冬は午後3時30分(最終入園/午後3時00分)と想像以上に早めの時間から閉園してしまいます。
「行ってみたけど開いてなかった」
という悲劇を避けるためにも、開演時間のチェックは必須です。
ちなみに夏は午前9時30分~午後5時15分(最終入園/午後4時00分)です。