盆踊りの思い出を誰にも理解されないから、ご当地盆踊りソングを調べてみた



田舎に住んでいた小学校時代、お盆の時期になるとどこからともなく音楽が聞こえてきた。


...シャンコ♪

...シャンコシャンコ♪

シャシャンカシャン♪


遠くから聞こえる盆踊りの曲を探して、近所に住んでいた友達と一緒に歩いた。

盆踊りの最後にもらえるお菓子が楽しみだった。



小学6年生の夏。

僕は晴香ちゃんという名の女の子に密かに恋をしていた。

夏休みは好きな子に会えなくて悲しかったけれど、夏休み中に小学校の校庭で開かれる盆踊りに行けば、顔を見ることができた。


「夏休みの宿題、終わった?」


と精一杯の勇気を出して話しかけた。

小学生にとって、暗い場所で女の子に会うのはとても珍しいことだったので、僕は心臓が破裂しそうなくらい緊張していた。


後ろで盆踊りの曲が流れていた。


シャンコシャンコシャンコ...


このまま盆踊りの曲がずっと流れていたらいいのにと思った。


「まだだよ」

「僕も」


「お菓子もらいに行こうよ」

「そうだね」


お菓子をもらって、家に帰って、盆踊りの曲と一緒に晴香ちゃんの顔を思い出しながら眠った。


* * *


とまあ、こんな感じで盆踊りの曲には思い入れが深いのだが、どうやら僕が聴いていた盆踊りの曲はだったらしい。


東京の友達に


「俺の小さい頃、こんな盆踊りの曲があってさ」


なんて話しても全く伝わらない。


どうやら地方によって盆踊りの曲は違っていて、人それぞれに盆踊りの思い出の曲があるらしいのだ。


たとえば福岡の人は「炭坑節」と呼ばれる盆踊りを踊るらしいが、こんな曲、俺は聴いたことがない。

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東京に人は「東京音頭」という曲を聴きながら盆踊りしていたらしいけど、これもよくわからない。

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ただ、日本で最もメジャーな盆踊りソングはどうやら「東京音頭」っぽい。


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色々と調べていて紛らわしいのが「大東京音頭」なるもの。

「東京音頭」と「大東京音頭」の違いはよくわからないんだけど、「大東京音頭」は笑点とかサザエさんみたいな、なんか昭和の古き良き時代の香りがする曲で、僕は嫌いではない。


群馬の盆踊り「八木節」はめちゃくちゃ楽しそうだ。

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かつては「桃太郎電鉄」というゲームで何もなさすぎて駅すら作られなかった群馬だが、お祭りの曲は良い。

群馬県前橋市のキャッチフレーズは


「水と緑と詩のまち」


地元民曰く、何もないからとりあえず「水と緑と詩のまち」になったらしい。

ネットでは原住民が住むところとされている。


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そして今回色々調べていて気に入ったのが「さくら音頭」

盆踊りのくせにノリがいい。なんだこれは。

桃太郎電鉄のボーナスステージっぽい音楽である。


...しかし、このノリの良い音楽の中では小学生は告白できまい。

盆踊りはもっとしっとりと、優しい曲が流れていてほしい。


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持田ヨシ子さんの「子供盆おどり唄」 は僕の小学校時代に流れていた曲だ。

僕はまだ東京で、この曲を聴いたことがある人に出会ったことがない。


たしかに僕はこの曲を聴きながら好きな子を探していたはずなのに。


誰とも思い出を共有できないのはちょっと寂しいものだ。


東京には地方から色んな人が集まっていて、それぞれが思い出の曲を胸に抱いている。


盆踊りの曲は他にもたくさんあって、wikipediaにまとめられていたので、気になる人は一度チェックしてみてほしい。

wikipedia | 盆踊り