オンラインサロンが世の中に出てきて5年ほど経っただろうか。
2012年にシナプスがオンラインサロンプラットフォームを開始したのを先駆けとして、
2015年にはSalondがサービスイン。
後発だったDMMオンラインサロン(2016年サービス開始)が、Synapseを子会社化し、2018年の現時点でよく見るのは
- DMMオンラインサロン
- Synapse
- CAMPFIRE
の3つとなった。
けんすうさんがツイッターで話しているように、オンラインサロンはプラットフォームの魅力より運営者の魅力によって人が集まる側面が強いので、上記のどのプラットフォームを使ってもそれほど大きな違いはないように思う。
ファンクラブとかサロンって、プラットフォーム作る側は弱いと思っていて、インフルエンサーにお客さんがつくから、プラットフォームの価値が低いんですよね。
— けんすう (@kensuu) 2018年8月23日
ブログプロバイダと同じことが起きそうで、結局どこで書いても同じなので機能勝負なったあげく、どこも勝たずに終わってしまう。
現在、インターネット上には星の数ほどのサロンが存在し、次から次へと現れては消えていく。
人間のリソースは有限なので、どのサロンも大盛況というわけにはいかないのだ。
一日10時間インターネットの海を漂っている僕は、軍艦のような巨大なサロンも見てきたし、海の藻屑となって消えそうなサロンもたくさん眺めてきた。
そうやってネットの海を眺めた結果、人が集まるサロンは以下の3つのうちどれかの特徴を有していることがわかった。
- 運営者に宗教的なカリスマ性があること
- お金儲けにつながること
- 男→女のモテにつながること
面白いだけでフォロワーが集まるツイッターと違い、サロンに人が入る主な動機は
「具体的なメリットがあること」
である。
詳しく見ていこう。
運営者にカリスマ性があること
カリスマ系のサロン運営者の特徴は、
- 実名
- 実社会での実績がある
- 憧れる要素がある
の3つである。
実社会での実績がない運営者の元には人は集まらず、
仮に実績があったとしても、引退間際のヨボヨボの爺さんが運営するサロンには人が集まりにくいだろう。
サロンに入る若者は爺さんには憧れないからだ。
カリスマ系のサロンには宗教的な雰囲気が漂う。
「宗教」というと響きが悪いが、その根底にあるのは
「憧れ」
である。
この人みたいになりたい。
この人から学びたい。
この人の周りで人脈を作りたい。交流したい。
この人をいい意味で利用して、自分も成り上がりたい。
このような
「憧れ」×「自分への利益」
がエンジンとなって、サロンに人が集まっていくように見える。
サロンを通じてお金が儲かること
カリスマ仮想通貨トレーダーのKAZMAXさんが運営するサロンが月額3万円にも関わらず、秒速で2000人近くの人数を集めて話題となっていた。
【RTお願い致します】
— KAZMAX(吉澤和真) (@Kazmax_83) 2018年8月3日
この度、サロンを展開させていただく運びとなりました!https://t.co/EyktgdfRHs
皆さんに勝っていただけるように、全力でサポート致します!
そして本日、私誕生日です。おこがましいお願いですが、私への誕生日プレゼントとして、RTして頂ければ大変嬉しく思います🙇♂️
サロン上でカリスマトレーダーのKAZMAXさんのトレード手法を解説し、ほぼリアルタイムでトレードを紹介することで、
会員が「ミラートレード」できることが特徴となっている。
KAZMAXさんのトレードを真似して「儲かった!」という声がツイッターにたびたび投稿されている。
KAZMAXさんは「宗教的なカリスマ性」と「儲かる未来を見せる」という意味で、「人が集まるサロン運営3原則」のうち2つを満たしている。
その他にも「複業ラボ」のように副業でお金を稼ぐ方法を教えるサロンや、
会社員を卒業したブロガーが「稼げるブログの作り方」を教えてくれそうなサロンが人気となっている。
モテる方法も相変わらず人気
女子の場合は「モテる方法」よりも「綺麗になる方法」などが人気のコンテンツになるのだが、
男の場合はモテへの欲求が露骨な方向に向かいやすく、その露骨な欲求を叶えてくれそうなサロンに人が集まる。
具体的には、女の子を引っ掛ける方法だったり、連れ込む方法だったりを教えてくれる「秘密のサロン」が人気だ。
女遊びは一人ではできないことが多いので、仲間を作る目的もあるだろう。
昔は「恋愛サロン」という恋愛工学系のサロンが一世を風靡したが、今どれくらい盛り上がっているのかは外からは見えない。
「モテ」も普遍的に需要のあるテーマではあるが、最近は「カネ」の方に人が流れていっている印象がある。
特にツイッター界隈では「会社員を離れて自由に生きよう」という言動が目立ちやすいため、
「カネ」を求める方に人が動いているように見えやすい。
人の欲求は変わらない
このように俯瞰して見てみると、人間の欲求は昔からほとんど変わっていないことがわかる。
「稼げる!」「モテる」を謳う情報商材は昔から形を変えてずっと売り続けられているし、「宗教」は紀元前から存在している。
「情報商材」とか「宗教」というと、過去色々と問題が起こった経緯から非常に悪い印象を受けるが、
元々は人間が普遍的に持つ欲求を叶えているに過ぎない。
誰だって不安を抱えているのだ。
受験生がカリスマ予備校講師にすがってしまうように。
就活生がカリスマ内定者に頼ってしまうように。
誰だって、不安なときは何かを信じて頼りたくなってしまう。
生き方に正解がない今の世の中で、
オンラインサロンは運営者が「生き方のロールモデル」を提示し、
不安な心を支える役割を果たしているのだ。