ツイッターで話題になっていた『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』を読みました。
この本は「思考のフレームワーク」を与えてくれる本です。
この本を読めば、世の中の見方が変わります。
「運よりも実力よりも、勘違いさせる力」で物事を判断していたことがいかに多かったかに気付かされます。
僕はこの本を買う前に、たくさんのインフルエンサーの書評を目にしました。
これあまりに良い本。人生のうまくいく方法のネタバラシがすごいですw。https://t.co/OooRMq6b9M
— けんすう (@kensuu) 2018年8月10日
読んでみた!ふむふむ、そうそう!という感じで、自分の普段から思っていることを凄く精緻に言語化してる感じ。ブランド人のブランドって、要はフロムダ氏の言う「錯覚資産」だね https://t.co/A71TmWYxIR
— 田端@「ブランド人になれ!」Amazonビジネス実用でセールス1位 (@tabbata) 2018年8月11日
いやー。ふろむださんの本。めちゃくちゃおもしろかったな。サクッと2時間ぐらいで読めたけど、ここまで直感的に行動経済学の本質をついた本が読めたのは初めただわ。これは記事にする価値がある。ファストアンドスローの読書時間と比較しても、すげー投資の効率いいわ
— 高須賀(* ॑꒳ ॑* )⋆* (@takasuka_toki) 2018年8月17日
みんながツイッターで「すごい本だ!」「この本はヤバイ!人生のネタバレだ!」と褒めまくっていたことで、
僕の脳内では読む前から
「この本は間違いなくすごい本なのだろう」
というイメージが出来上がっていました。
すごい人が褒めまくっていた。"だから"この本はすごい本に違いない、と。
すごい人が褒めることで『ふろむだ本』に後光がさし、何もかも優れているように見えてしまっていたのです。
これを「ハロー効果」といいます。
僕たちは今までずっと、
「世の中は実力主義だ!」
「実力があれば評価される!」
「努力すれば報われる!」
と信じて生きてきたわけじゃないですか。
自分が評価されているときは「自分の実力」だと思ってきたし、
評価されないときは「実力が足りない」と思ってきました。
学生の頃まではその考え方は正しかったのです。
受験やスポーツでは思考の錯覚が入る余地は少ないため、
成功か失敗かを分けるのは「実力」と「運」が主でした。
しかし、社会人になると成功は「運」と「実力」と「錯覚資産」によって決まります。
錯覚資産とは「他人が自分に対して持つ、自分にとって都合のいい思考の錯覚」のことです。
「なんとかプロジェクトを大成功させた田中さん」
と、
「なんだかパッとしない山田さん」
が、会議で同じ内容の発言をしたとして、「凄腕の田中さん」の提案はすんなりみんなが受け入れるのに、
パッとしない山田さんの発言はスルーされたりしませんか?
ツイッターで何かおかしな発言をしている人がいたとしても、プロフィールに「東京大学卒」とか「元マッキンゼー」とか書かれていたら、
「あれ...?何か意味があるのかも...」
と信じてみる方向で情報を受け取ってしまいませんか?
これこそが思考の錯覚です。
多くの人は「自分が錯覚している」ことに気付かないため、錯覚資産があたかも「実力」のように見えてしまうのです。
本当は「錯覚資産」によって成功しているにも関わらず、「実力がある人」のように見えてしまうのです。
ツイッターのフォロワーが多い人のツイートは内容に関わらず信用されてしまいがちですが、
フォロワー数の多さと発言の信用度はそこまで相関はありません。
フォロワーが多い人でもおかしな発言をすることはあります。
たくさんリツイートされた美容情報だって、正しいとは限りません。
僕たちは自分の意識の中では、
「公正で、肩書などで人を判断せず、中身をちゃんと見ている」
と考えています。
そういう自分でありたいと。
それでも、無意識のうちにフォロワーの多さとか、肩書とか、周りがチヤホヤしているかどうかによって、
人の評価を書き換えてしまうのです。
問題は、僕たちが「無意識の書き換え」に気付けないことなのです。
学生時代は部活や受験など「実力」と「運」の勝負。しかし就活は途端急に学生時代何やってた?の「錯覚資産」勝負。あいつ肩書きとかESに書いてるほど実力なくね?とか僻んでもこれが人生ゲーム。ハックされるとシーソーゲームではなくワンサイドや。大学1年生に読んでほしいhttps://t.co/KZM2mBYYEs pic.twitter.com/20IlVZKjWQ
— ワタナベカズキ (@skogaku) 2018年8月25日
俺たちは一緒にいる彼女が浮気してても全然気付けないのに、
— ヒデヨシ (@cook_hideyoshi) 2018年8月30日
たった一回面接したくらいで人間の能力を見抜けるわけないじゃないですか。
「実際の実力の有無」よりも、「実力のありそうな人」のように錯覚させるのが大事なんですよ。
人はポジティブなイメージを抱いた相手の能力を過大評価するから。
錯覚資産を利用した成功の法則
『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』の91ページからの内容をざっくりとまとめるとこんな感じでしょうか。
人生は運ゲーであることを自覚する
⇓
小さくたくさんチャレンジして、試行回数を増やす
⇓
錯覚資産を積み上げる
⇓
錯覚資産によって新たな成長機会を手に入れる
⇓
得られた機会を生かして実力をつけ、結果を残し、さらに実力と錯覚資産を積み上げていく
ふろむださんが「失敗は成功の母というが、成功こそが次の成功を呼ぶ母なのだ」と書いているように、
錯覚資産を積み上げると「成功しやすい確変タイム」に突入します。
「この人がやるなら大丈夫だろう」と周りがどんどん持ち上げてくれるからですね。
僕たちは
「スキルアップさえ頑張れば道は開ける」
と考えてしまいがちです。
でも実際には、スキルアップしたからといってチャンスが舞い込んでくるわけではありません。
スキルが高い人よりも錯覚資産が大きい人の方がチャンスが集まります。
周りの人が
「この人はすごい人だから、すごい仕事を任せるべきだ」
と思い込んでいるからです。
そうやってチャンスが集まることで、さらなる成長機会が得られるのです。
得られた成長機会を活かし、その経験からスキルを磨くことができます。
結果として、錯覚資産が大きい人はチャンスを活かして成長し、
スキルアップだけしている人よりも、スキル自体も高くなります。
なので僕たちは、スキルアップの落とし穴にハマりすぎることなく、
「錯覚資産」と「スキル」、両方にバランスよくパラメーターを振り分けていかなければいけないのです。
- 作者: ふろむだ
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