ハンターハンター連載再開に向けて「暗黒大陸編」のストーリーを整理してみた



ハンターハンターの連載再開のニュースを見ました。

ハンター×ハンターの連載再開が決定 ネットでは「欅坂ありがとう」

2018年4月2日の『週刊少年ジャンプ』18号から休載されていて、5ヶ月ぶりの復活です。


さて、今回の話は「暗黒大陸編」

長い休載の後はストーリーを追いかけるのが大変ですが、正直今回はしんどかった。


「蟻の王メルエム」のようなわかりやすい敵がいるわけでもなく、バトルに勝てばOKという展開でもないため、

細かい設定もしっかり読み直さなければ話が全く頭に入ってきません。

複数のストーリーが同時並行で動きまくっているのも「暗黒大陸編」の特徴です。


せっかくのハンターハンター復活です。

ここで改めて、暗黒大陸編に関係する主だったストーリーを整理してみましょう。

暗黒大陸とは

No.340「特命」にて、中国を思わせるカキン帝国のホイコーロ国王が暗黒大陸への進出を宣言しました。

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HUNTER×HUNTER 32巻より


暗黒大陸とは、世界地図の外側の世界のことです。

暗黒大陸は人類最大禁忌の絶対不可侵領域であると言われています。


幽遊白書でいうと「魔界」

ドラクエでいうと「裏の世界」

といったところでしょう。


人類の世界は暗黒大陸中央にある巨大湖メビウスの中に位置しています。


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HUNTER×HUNTER 33巻より


現在では「案内人」なしではメビウス湖の限界境界線すら越えられないのが実情です。

案内人とは暗黒大陸を出入りするための「門番」を召喚する亜人種です。

人類と大陸とのパイプを持つ魔獣族で、彼らとの交渉なしに暗黒大陸への渡航は困難と言われています。

ちなみにこの案内人はまだ本編では登場していません。


人類が大陸へ進出しようとする度、大きな災いがふりかかったと古文書や遺跡に記されていて、

近代5大陸(V5)によって不可侵条約が締結されたのが200年以上昔の話です。


そんな禁忌を破り、新興国のカキン帝国が暗黒大陸に進出を宣言したのです。


No.339「静寂」で暗黒大陸に行くために必要なものが4つ述べられています。

  • 許可
  • 手段
  • 資格
  • 契約


No.339の時点でジンはまだ何も手に入れていませんでした。


「特別渡航課」と呼ばれる、暗黒大陸への渡航の権利を管理する組織があります。

全大陸の特別渡航課を束ねる特務課に配属された新人の業務の説明が描かれていました。

彼らの業務は平たく言うと、


「誰も新世界へ行かせない」


ことです。

新世界の門番は無礼な輩を最も嫌うからです。


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HUNTER×HUNTER 33巻より


なぜ特務課は新世界に無断で行こうとする者を止めようとしているのでしょうか。

それは新世界から人類が持ち帰ってきた”厄災”が恐ろしすぎるからです。

人類は新世界に挑戦するたびに人類滅亡級の厄災を抱えて敗走してきました。


かつてV5はハンター協会を避けて独自の調査団を秘密裏に作りました。

その調査団の専門家の一人として、ハンター協会元会長の息子・ビヨンド=ネテロも帯同していたのです。

目的はメタリオンと呼ばれる錬金植物を持ち帰ることでした。

が、未踏ルートを探検することにこだわった結果、新たな厄災(ゾバエ病)を抱え、多大な犠牲者を出して戻ってきたのでした。

その他、本編で描写されていた厄災の例は、

  • 縄状に捻り殺された人間
  • 自給自足で50年近く生きる元人間(おそらくゾバエ病)

などです。

『新世界紀行』には人類が暗黒大陸から持ち帰った5大厄災についての記述があります。

  • 謎の古代遺跡を守る正体不明の球体 兵器 ブリオン
  • 欲望の共依存 ガス生命体 アイ
  • 殺意を伝染させる魔物 双尾の蛇 ヘルベル
  • 快楽と命の等価交換 人飼いの獣 パプ
  • 希望を騙る底無しの絶望 不死の病 ゾバエ病

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HUNTER×HUNTER 33巻より


新人が国際環境許可庁の地下で見た「50年以上自給自足で生きる生き物」はおそらくゾバエ病にかかったヒトでしょう。

ちなみにキルアの妹であるアルカも暗黒大陸出身です(コミックス33巻に書かれてます)


大陸のリターンは以下のようなものがあります。

  • 水に沈めると発電する鉱石 無人石
  • 万病に効く香草
  • 究極の長寿食ニトロ米
  • あらゆる液体の元となり得る三原水
  • メタリオンという錬金植物

前ハンター協会会長であるアイザック=ネテロは新大陸をこう説明します。


ワシは若い頃二度だけ新世界に足を踏み入れたことがあるが

そこで求められた強さはワシが目指すそれとは少し違っていた


ワシの求める「強さ」には相手が必要だった

言うなれば勝ち負けのある個としての「強さ」じゃな

だが新世界にあるのは個人の勝ちなど存在しない厳しい自然との格闘のみじゃった

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HUNTER×HUNTER 33巻より


「ここはデカすぎる」


会長のこの話から推察するに、今回の暗黒大陸編では最終的にはメルエムのような「ボスキャラ」は存在せず、

「冒険」がメインストーリーとなるのではないでしょうか。


「戸愚呂を倒す」

とか、

「黄泉と軀に勝つ」

みたいな話にはならないでしょう。


一同は、カキン帝国が製造した巨大輸送船「ブラックホエール1号」に乗って、新大陸を目指します。

20万人収容できるこの船には、ビヨンド=ネテロと共にホイコーロ国王と14人の王子も乗船します。


この14人の王子もまた、「王位継承戦」で暗黒大陸のストーリーに深く関わってきます。

王位継承戦編ではクラピカが主役となります。



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ビヨンド=ネテロとは何者か


暗黒大陸進出にあたって、カキン帝国は総責任者を擁立しました。

その総責任者の名は


ビヨンド=ネテロ


伝説のプロハンター、ハンター協会元会長であるアイザック=ネテロの息子です。

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HUNTER×HUNTER 32巻より

英語でビヨンド(beyond)は「〜を超えて」という意味があるので、ネテロ会長を越えていると暗に示しているのではないでしょうか。

ビヨンド=ネテロは演説でこう語ります。



敬愛する我が父君は常々こう説いた

「挑戦を止めた時が人生が終わる時」だと

神話を読み解き遺跡を巡れば

太古の昔 我々の祖先が大陸から渡来したことは明白


故郷の地に足を踏み入れる前に 立ちふさがる数々の障害は

このオレが 取り除いてみせよう


年令、性別、国籍、職業、人種、一切を問わない
可能性は須らく誰しも等しく持つべきだ


挑戦する心を持つ者をオレは一切拒まない

新天地を目指す者は全て大切な我々の家族だ


各々の個性にあった役割が必ずある!

必要なのは一歩踏み出す勇気のみだ!

集え!カキンへ!

行こう!新天地!!

必ずオレが 連れて行く!!

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HUNTER×HUNTER 32巻


32巻でビヨンド=ネテロの人間性を物語るエピソードが描かれています。


V5の言うとおりにして”外”に行くためには

  • V5直轄運営の外来渡行許可庁に申請を出す
  • 許可庁に申請するために申し込み手続きを行う
  • その後、1ヶ月契約と説明で拘束される
  • 特別渡行課の課長に会うためには国会ギイの紹介状が3枚必要

などのややこしい手続きが山積みとなります。

ビヨンド=ネテロはそんな申請など知らん!と跳ね除け、自由な身として暗黒大陸に行くことを仲間に宣言したのです。


オレは誰も行ったことの無い場所へ行き!

誰も会ったことのない連中に会い!

誰も触れた事のない物を手に入れる!

何人にも束縛されず!

好き勝手に堂々と

未踏を舐る!

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HUNTER×HUNTER 32巻より


実に主人公っぽいセリフですね。

なぜ今になって突然ビヨンド=ネテロが現れたかというと、

彼は一度暗黒大陸に挑戦して敗れており、その際にハンター協会会長から


「ワシが死ぬまでは再挑戦は許可しない」


と枷を与えられていたからです。

アイザック=ネテロが死んで枷が解けたので、今になって新大陸挑戦を引っさげて公の舞台に姿を現したのです。

このように何十年も前から新大陸挑戦の準備をし続けた夢想家は人類で二人だけ。


ビヨンド=ネテロとジン=フリークスです。

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HUNTER×HUNTER 33巻より


ハンター協会 vs ビヨンド=ネテロ

ハンター協会の元会長アイザック=ネテロは死ぬ前にDVDを遺していました。


「オレの子供だと名乗る者が公の場に現れたら

”十二支ん”全員でこれを見ろ」


そのDVDの内容は、


「息子よりも先に暗黒大陸探検を成功に導いてほしい」


というものでした。

達成条件は暗黒大陸より抱えた「厄災(リスク)」の何れかを攻略し、「希望(リターン)」を持ち帰ること。

難易度は文句なしのA。


実質的に指令であるため、"十二支ん"は従うことに決めます。


DVDの話と同時にハンター協会にV5から直々に特命が来ました。


「ビヨンド=ネテロをハントせよ」

と。


"十二支ん"は迷います。

ビヨンド=ネテロをハントする意味はあるのか。

V5は正しいのか。


迷っている間になんと、ビヨンド=ネテロ本人がハンター協会に現れます。

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HUNTER×HUNTER 33巻より


「V5に連絡してくれねェか?

ビヨンド=ネテロを捕えたってな」


「ギブアンドテイク といこうぜ」


ビヨンド=ネテロの目的はなんだったのでしょうか。

自ら拘束されつつも、こう宣言します。


「オレは解放され

十二支んはオレと共に暗黒大陸を目指す事になる!」


V5の表向きの目的は、新大陸進出を目論むカキンを止めることです。

ハンター協会にビヨンド捕獲を依頼し、説得工作させるつもりでした。


では、V5の本音は?

どうせカキンを公に止める手段は限られている。

それならカキンをV5に迎え入れ、

「V6としてカキンの渡航を他の五カ国が裏でサポートする」

という形を取りたい。

カキン国王の名前は新大陸の開拓者として公式に歴史に記す。

その代わりに、リターンの分配は6等分であるとカキンに認めされたい、というものです。


ビヨンド捕獲の真の目的も、

「ハンター協会にビヨンドを見張らせて威厳を保ちたい」

程度のものでした。

ビヨンドは「ハンター協会の監視付きの渡航なら認める」とV5は言うはずだと予言しています。


ハンター協会としては、ビヨンドを監視しながら暗黒大陸に向かい、

「5大厄災を攻略し、リターンとなる人類財産を持ち帰ること」

が目的です。

ビヨンドはハンター協会の拘束を逃れ、自由に暗黒大陸を探検するのが目的です。


これでやっと、ハンター協会 vs ビヨンドの構図がわかりやすくなりました。


ハンター協会からビヨンドへの条件は

  • 24時間監視付きの部屋での生活
  • 協会への反抗は一切許さない
  • 追跡装置付きリングとの二重体制で所在を把握
  • ビヨンドの行動によって生じた全ての取得物はV6に帰属する
  • あらゆる媒体での情報開示を禁ずる


この条件を飲んだビヨンド=ネテロはこう言います。


これでお前たちの「許可」を得た。

残るは3つ。


これはジンが新世界に行くために必要なものを指しています。

  • 許可
  • 手段
  • 資格
  • 契約

の4つのうち、「許可」を得たということです。


ちなみにジンとパリストンが抜けた”十二支ん”には、新たにレオリオとクラピカが加わります。


クラピカは相変わらず殺された仲間の緋の目を探していました。

協会側は「緋の目の持ち主を特定した」と言って、クラピカを十二支んに誘ったのです。

持ち主はカキンの第4王子 ツェリードニヒ=ホイコーロです。

ホテルで女の子を引っかけて部屋に連れ込み、無残に傷つける頭のおかしな奴です。

十二支ん側は、「船上ではクラピカの都合を優先してもいい」と言って説得していました。


で、わかりやすかった構図にもう一つミッションが加わります。

パリストン側のスパイである「サイユウ」を新大陸到着直前に拘束することです。

新大陸(仮)に上陸直前でビヨンドに気付かれないようにサイユウを捕獲する必要があります。



パリストンとジン

「オレも仲間に入れろよ」

とビヨンドの一味に突然姿を現したのがジンでした。

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「今日からオレがNo.2だ

文句ある奴ァ前へ出ろ」


と突然現れて、突然の宣言。


本来、彼の目的は2つです。

ビヨンドへの協力とパリストンの抑止。


ただ、登場シーンはめちゃくちゃでした。


突然現れたジンに、元々いたパリストンの一味は抵抗を示します。


抵抗を示すメンバーに対して、ジンはこう言いました。


「ビヨンドが払う報酬の倍を前金で支払おう

他は全て今まで通りでいい」


後に、なぜこんな金を払うと言い出したのか説明するシーンがありました。


金に目がくらむ連中はいねーと思ったから

だから金を受け取ってくれる時はそれなりにオレを認めてくれる時だと思った


おそらく 嬉しかったんだ

同じようなバカがいっぱいいるってな

元々はオレがこっそり楽しみにしていた渡航計画に横ヤリが入ったみたいな感覚でムカついてたんだが

でもさらにさかのぼるとビヨンドの方がオレより先に挑戦してたわけだし


まぁ正直感情を整理し切れないままここに来たんだ

とにかく何か文句が言いたくてな...


でもここに来て最初にオレの口から出た言葉が

「オレも混ぜろ」だったのには自分でも少し驚いた


結局、パリストンの一味もジンを認めることになり、

ジンはビヨンド=ネテロの解放を手伝うことになりそうです。

カキン帝国の王位継承戦


「今回の渡航で生き残った1名を次期国王とする」

と王が宣言したことがきっかけです。

ルールは以下の通り。

  • セレモニー以前に候補者が死亡した場合、継承戦そのものが中止
  • 継承戦開始はブラックホエール号が出港する歳の長声一発が鳴り終えた瞬間
  • 王子一人につき船内の従事者15人まで連れて行くことができる
  • 生き残った唯1名が正式な王位継承者となる
  • 船は2ヶ月かけて暗黒大陸を目指す
  • 実際は新大陸(仮)までの渡航である


カキン王は8人の正妻をかかえ、14人の正室子がいます。

本編で登場している王子の一覧は以下の通りです。

  • ベンジャミン(第1王子)
  • カミーラ(第2王子)
  • チョウライ(第3王子)
  • ツェリードニヒ(第4王子、クラピカが倒したいやつ)
  • ツベッパ(第5王子
  • タイソン(第6王子、イズナビが警護)
  • ルズールス(第7王子、バショウが警護)
  • サレサレ(第8王子)
  • ハルケンブルグ(第9王子、抜きん出たスペックを持つが不遇だった。唯一認めるのはツェリードニヒだけ)
  • カチョウ(第10王子、センリツが警護)
  • フウゲツ(第11王子)
  • モモゼ(第12王子、ハンゾーが警護)
  • マラヤーム(第13王子、ビスケが警護)
  • ワブル(第14王子、まだ赤ちゃん。クラピカが護衛することになる)

権力も財力も有する上位の王子は施設の軍隊を持ち、今回の継承戦を歓迎しています。

王子たちは壺に血を一滴注ぐことで特別な力を得ることができます。

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HUNTER×HUNTER 33巻より


特別な力とは守護霊獣のこと。

自身を形どる器が守護霊獣なのです。

守護霊獣の正体は念獣です。

子孫繁栄を願う者が遺した強い念によって産み出されました。

取り憑いた者のオーラを糧とし、その者の人となりに影響を受けた形態・能力に変貌します。

ただし、本人が創り出したものではないため、自分の意志で動かすことはできません。



今回の王位継承線で6人の王子がプロハンターに警護要員を募集しました。

クラピカの目的はツェリードニヒに近づくこと。

王子の警護に潜入してもらうために、クラピカが協力を要請したのが5名です。

  • イズナビ(クラピカの師匠)
  • ハンゾー(クラピカの同期)
  • バショウ(ノストラード組)
  • センリツ(ノストラード組)
  • ビスケ(キルア経由で依頼)

クラピカが望むのは「第4王子ツェリードニヒをできるだけ近くで見るための有益な情報」です。


クラピカはツェリードニヒに近づくために、ハルケンブルグの護衛を望んでいましたが、

ワブルの母親であるオイトの


「ハルケンブルグ王子だと予想しやってきた者を望む」


という戦略に引っかかり、ワブルの護衛に当たります。


船の構造上、王子同士が接触するのは困難ですが、念能力を使えばそれぞれ殺し合うことは可能です。

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HUNTER×HUNTER 34巻より


ちなみにこの図では、十二支んの主だったメンバーは3、4層にいます。

1層にはビヨンド拘束室があります。十二支んは3人、ビヨンドを監視しています。


今回の連載再開はおそらく王位継承戦から始まります。

王位継承戦はとても複雑なので、別の記事でもまとめます。

幻影旅団 vs ヒソカ

王位継承戦が進むかと思いきや、冨樫義博 先生は熱いバトルを打ち込んできました。

ヒソカ vs 団長

です。

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HUNTER×HUNTER 34巻より


ヒソカはこの闘いで一度敗れたのですが、死ぬ直前に仕掛けた念によって蘇り、

ルール無用で幻影旅団を狩ることにします。


一方、ヒソカを始末したつもりの団長・クロロはカキンの船に乗って宝を奪う計画を立てています。

ヒソカ vs 幻影旅団の闘いは船の中に持ち越しとなったのです。

ドン=フリークス

300年以上前にたった一人でメビウス湖(無限海)沿岸をくまなく探検した男です。


狂人の妄想だと思われていた奇書『新世界紀行』という旅行記が数百年前に発行されました。

発行当時は空想小説の棚に並べられたほど。

今では特務課に配属された新人の仕事は、この『新世界紀行』を一文字余さず読むことです。

そこには人間が新世界に足を踏み入れた代償が描かれています。

その『新大陸紀行』には「東」と「西」があり、見つかっているのは「東」だけです。

西は一冊も見つかっていません。


ジンはまだ書いている途中なのではないか、と考えています。

本の著者の名前がドン=フリークスです。

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HUNTER×HUNTER 33巻より

大切なものは、ほしいものより先に来た

今回の話がスタートしたのはNo.338「樹上」からだと考えています。

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HUNTER×HUNTER 32巻

1784メートルの高さの世界樹の上で、ジンがゴンに語った話を紹介します。


───ジンがほしいものって何?


「今 目の前にないもの だな」


「オレはいつも 現在オレが必要としてるものを 追ってる」


「実はその先にある『本当にほしいもの』なんてどうでもいいくらいにな」


この話だけ聞いても、何がなんだかわからないでしょう。


ジンはかつて、王族の秘密を追っていました。

自分が行きたい場所に入るのにハンターが一番現実的だったから、ハンターになったのです。


ジンが行きたがっていた王族の埋葬施設の調査をする条件は、

  • 一切口外しないこと
  • 信頼に足る団体であること
  • 自費で調査すること

でした。


「金も名誉もいらないから ただ真実を知りたい」

という仲間を10人ほど集め、法人を設立し、王墓の調査計画を進めました。


つまり、

  • 現在オレが必要としているもの=仲間
  • 本当にほしいもの=王墓の真実


ということです。


念願かなって王墓の中に足を踏み入れた時、

ジンが一番嬉しかったのは、


「ずっと願ってた王墓の「真実」を目の当たりにした事じゃなく

いっしょに中へ入った連中(そいつら)と顔を見合わせて握手した瞬間だった」


と語っています。

この連中と比べたら王墓の「真実」はただのおまけ。

大切なものは ほしいものより先に来た、と。


では、今ジンが追っているものは何でしょうか?


世界樹の上でゴンとジンは話します。

世界で一番高い、1784メートルの木です。


でも世界樹の「真実」は「成長の止まった若木」です。

栄養が足りなくて、これしか育たなかった世界樹が、ゴンが登った世界樹だったのです。


本当の世界樹はマグマを吸って、山脈に根付き、大気圏を越えてなおデカくなる。


この世界の”外側”で。


そう、この世界の”外側”こそが今回の冒険の舞台である「暗黒大陸」なのです。

キメラアントも外側から来た外来種だったのです。


なんか戸愚呂が魔界でB級妖怪だったのと似てますね。


ジンは続けて語ります。


オレ達が知ってる「この世界」はとてつもなく大きな世界のほんの一部だ


と。


ジンがほしいものは今も昔も変わりません。


目の前にない「何か」なのです。



その「何か」が「暗黒大陸」なのでしょう。


世界樹でゴンと話している時点では、ジンは”外”に行くために必要なものは何も手に入れていませんでした。


道中を楽しんでいる最中だ、と言っています。


そしてゴンにこう言い残したのです。


道草を楽しめ 大いにな

ほしいものより大切なものが きっとそっちに ころがってる

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HUNTER×HUNTER 32巻


主人公のゴンはどうなった?

オーラが出ないと悩んで、ジンに相談していました。

ジン曰く、「オーラが出ていたけど視えなくなっただけだ」と。

普通に戻れただけで充分だろ?と話していました。


その話を聞いて、実家に帰ってミトさんと過ごしているくらいで、特に活躍なしです。


HUNTER×HUNTER モノクロ版 32 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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