『フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました』は2005年に出た本で、長らく「独立したらまず初めに読むべき本」と評価されてきました。
発売されてから10年以上フリーランスのバイブルとされずっと愛され続けたこの本は、小難しい税金の話を身近なものにしてくれたという点で、間違いなく革命的な本でした。
2018年の今では『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください』という新たなバイブルが生まれました。
なので、きたみりゅうじさんの『フリーランス本』が以前ほど大きな役割を果たすことはなくなったように思います。
関連記事:『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください』が最高にわかりやすいから、副業に興味があるサラリーマンは絶対読むべき
しかし、それでも「何もわからないフリーランス」が「税理士に税金のことを教わる」というコンセプトは素晴らしいものですし、会話形式で語られていくため、スラスラと抵抗なく読み進めていくことができます。
『フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました』を読めば、フリーランスになってからの税金の取り扱いについて、一通り押さえることができるでしょう。
大河内薫さんの『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください』が一番わかり易いのは間違いないですが、きたみりゅうじさんの本は節税よりの話もちょくちょく出てきます。
2冊を入門書として読んでおけば、その他の税金の本も理解しやすくなります。
とにかく最初はこれらの易しい本でハードルを下げまくって、土台となる知識基盤を作り、それから深く学んでいくのがおすすめです。
フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。
- 作者: きたみりゅうじ
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2005/12/08
- メディア: 単行本
- 購入: 100人 クリック: 1,476回
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税金を意識しないサラリーマン
手元のPCに昨年の「給与所得の源泉徴収票」が入っています。
僕は税金を勉強する前は年収と所得の違いもわからず、源泉徴収票を見ても中の数字の意味がわかりませんでした。
源泉徴収票の「支払い金額」と書いてある部分がいわゆる「年収」です。
サラリーマンは「年収1000万の男」のように、年収で勝負している感じの人が多い印象です。
三菱商事の年収は1400万!素敵!抱いて!みたいな。
でも実際は、年収1000万の人でも課税所得の20%近くは税金で持っていかれるわけで、額面の年収だけ見ても決して豊かにはなれないわけです。
僕は税金を勉強するまでは、「とにかく年収を上げれば豊かになれる!年収を上げるためにスキルアップだ!」と考えていました。
しかし残念ながら、年収が上がれば上がるほど、税金の高くなってしまい、なかなか豊かになれないのです。
だって国に持っていかれるんだもん。
そもそも僕たちサラリーマンの多くは、「税金で国にたくさんお金を持っていかれている」という意識が希薄です。
なぜなら会社が全部やってくれるからです。
なので、とても大切な「控除」についてあまり意識することがありません。
「控除」というのは、「所得」から差し引ける金額のことで、所得100万円から20万円「控除」されたら、
20万円 × 税率
だけ税金が安くなったりします。
20万 × 20% = 4万円
なので、けっこう大きいですよね。
4万円給料上げるのはすごく大変ですが、控除によって4万円税金を安くすることは割と普通にできます。
たしかにサラリーマンが使える節税は限られてはいますが、「知っているか知らないか」だけで手元に残るお金はだいぶ変わってくる印象です。
ちなみに「所得」というのは
売上(収入)- 経費 = 所得
のように計算されます。
自営業の人はこの「経費」の部分に色々と突っ込むことができます。
売上につながる出費が「経費」なのですが、中には仕事で使うものとプライベートで使えそうなものの境界が曖昧なものもあるわけです。
たとえば、住んでいる部屋の「仕事スペース分」を経費にしたりできるので、その分「所得」を減らし、税金を減らしていくことができます。
このように、税制上の有利な部分を享受しやすくなるため、成功した自営業の方は急速にお金持ちになっていく場合が多いのです。
サラリーマンの場合は所得がガラス張りで曖昧な部分が少ないので、成功すれば成功するほど税金が増えて、なかなか金持ちになりづらい、というのはよく言われていることですね。
副業するなら税金を学ぶべし
最近は「副業」という言葉が流行りだし、「会社外での稼ぎ」を意識する人が増えてきているように感じます。
もちろん、僕がそういう人をツイッターなどで見る機会が多いだけで、実際には少数派かもしれませんが。
ただ、「副業するぞぉ」と気合いを入れた人は、同時に税金についても学ばなければいけません。
儲かったら税金を支払うのが国民の義務だからです。
「知らなかった」で済まされないのが税金です。
「儲けが少ないから大丈夫」ともいい切れないのも税金です。
とにかく、少しでも「自分で稼ぐ」を意識した場合は、税金の勉強は必須です。
税金を学べば、それまであまり意識してこなかった「お金の流れ」も意識することができます。
これは一生モノの知識となります。
サラリーマンの「副業」は普段意識していなかった「税金」を学ぶ素晴らしいきっかけともなるのです。
僕も最初は毛嫌いしていましたが、よくよく勉強してみると面白いです。
一緒に学んでいきましょう。
フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。
- 作者: きたみりゅうじ
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2005/12/08
- メディア: 単行本
- 購入: 100人 クリック: 1,476回
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