人生で初めて見た舞台が「悪夢のエレベーター」でよかった



僕は人生で「舞台」というものを観たことがありませんでした。

舞台ではどんな人達が、何を表現して、それを観てどう楽しむのかもわかりません。


でも今ちょうど、僕がハマっている『アクタージュ』という漫画で主人公が舞台に挑戦していて、それがとても面白そうだったので、人生で一度は舞台を観てみたいと思っていたところでもありました。


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そんなときにちょうど、ツイッターで相互フォローのyuzukaさんが舞台をプロデュースするという話を知って、クラウドファンディングから5,000円支援してチケットを購入しました。

劇場は中野にあるテアトルBONBONです。

中野に行くのは久しぶりだな、昔遊んでた女の子が住んでたな、なんて思いながら、舞台の日を楽しみにしていました。

舞台の魅力

テアトルBONBONは小さなライブハウスくらいの大きさで、行く前に想像していた映画館のようなものとはだいぶイメージが違いました。

役者と観客の距離が近く、舞台からも(たぶん)客の表情が見えるし、客からも役者さんの顔がよく見えます。

ああ、これが舞台の距離感なんだ、と勉強になりました。

ちなみにポップコーンを食べている人はいませんでした。


劇場はほぼ満席で、僕は開始ギリギリについたので席は後ろの方しか空いてませんでした。

アフタートークで木下半太さんが話していたように、舞台上のセットは簡素なものです。

「悪魔のエレベーター」は設定が「エレベーターの中」なので、それほど多くの舞台セットを必要としないのです。


逆に言えば、役者は照明と簡素なセットの中で、物語を表現しなければいけません。

演技によって、観客の想像力を掻き立てること。

舞台の面白さはここにあると思いました。


同じ小説を読んでも一人ひとり脳内で思い描く光景が異なっているように、舞台には僕たちが想像力によって、脳内に描く映像を補う余地があります。

映画では当然、全ての場面が映像として映し出されているため、100人中100人が同じ映像を観ることになります。

ですが舞台には「背景」がほとんどないため、役者の演技と照明から、物語の光景を思い浮かべなければいけません。

そして役者にはその演技によって、物語の光景をイメージさせる必要があります。

これが映画とはまた違った味があって、本当に面白く、興味深いのです。

それにしても、あの簡素な舞台で観客の想像力を掻き立てる役者達の演技力たるや、チャラ男が女に夢を見せるときの演技力の256倍はありました。

彼女が「浮気してないよ」と嘘を付くときの128倍くらいの演技力はあったかと思います。


映画のチケット料金の2,000円と比べると少し値段が高く感じるかもしれませんが、オーケストラとミュージカルが違うように、舞台と映画もまた別物と考えるのが良いのではないでしょうか。

それぞれに魅力があり、どれも人生で一度は経験しておきたいですね。

舞台に懸ける「本気度」がすごい

「ありがとうございました!」

と舞台の後で役者が深々をお礼をする姿が印象的でした。

舞台の後で役者が観客の場所までわざわざ来て、「ありがとう」と話しているのを見たのも初めてです。

ツイッターからも伝わってきましたが、役者の方々の本気度は凄まじいものでした。

一人ひとりのキャラが立ち、演技は迫真。

役者の方々から強い覚悟と決意を感じました。

ツイッターを見ると11月15日から稽古を始めたように見えるのですが、この短期間でここまで作り込めるのかと逆に驚きました。

すごいなあ。


舞台を観に行くのは初めてでしたが、メンヘラっぽい女の人は可愛かったし、たくさん笑えたし、喋るyuzukaさんも見れたし、本当行ってよかったです。


感想はたまごちゃんと同じです。


大阪公演や福岡、名古屋とかでもやってくれるといいなぁと思ってます。

大阪と名古屋に遊びに行きたいしね。


悪夢のエレベーター (幻冬舎文庫)

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