本棚に眠っていた『金持ち父さん貧乏父さん』を読みました。
実は『金持ち父さん貧乏父さん』は大学時代に一度読んだことがあるのですが、当時はパラパラと読んでも全く刺さるものがなく、何の教訓も得ることもなく社会人になってしまいました。
もし社会人になる前の20代前半のうちに『金持ち父さん』のエッセンスをしっかり学んでいたら、30代になった今、こんなにお金に困っていることはなかったでしょう。
僕は知っています。
「俺は年収1,000万のハイスペックだ!いい女を探すぜェ」
とイキっているコリドーのサラリーマンが、高級マンションの家賃の支払いやクレジットカードの支払いで毎月カツカツの生活をしていて、実家暮らしのゆるふわOLよりも貯金がないことを。
僕は知っています。
コリドーでイキることもなく、真面目に仕事をしてコツコツ30代まで貯金を貯めてきた人も、結婚を機に専業主婦を養い、子供を育て、家のローンを支払うために日々の生活がカツカツになり、実家暮らしのゆるふわOLよりも貧しいランチで日々を過ごしていることを。
高い教育を受けて、「優良企業」と呼ばれる会社で働いている人の多くが、なんだかんだでお金に困ってしまっているのは、「お金の教育」を受けてこなかったからだと金持ち父さんは言います。
お金を失う恐怖に突き動かされて会社に通い、収入が増えても欲に流されて支出も増え続ける。
回し車の中でネズミが走り続けるように、働いても働いても一向に資産が貯まらない様子を金持ち父さんは
「ラットレース」
と呼びました。
『金持ち父さん貧乏父さん』のメッセージは
「ファイナンシャル・リテラシーを身に付けて、ラットレースから抜け出そう」
です。
そのためには、「お金の流れ」を変えなければいけません。
多くの中流の人のお金の流れは、以下のようになっています。
「中流の人」は年収1000万イキリコリドーサラリーマンを含む一般サラリーマンを指していますが、これらの人は、
もらった給料は住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの支払いによって消えてなくなります。
女遊びの飲み食い代も含まれますね。
また、勤労によって得た収入が増えれば増えるほど、「税金」という支出も増えていきます。
結局、多くの支出を給料でまかなうのが精一杯で、資産を買う余裕はありません。
その結果、負債はいつまでも資産よりも大きいままで、ラットレースを走り続けなければいけなくなります。
(厳密には負債の反対には『住宅』とか『自動車』が資産として入るはずですが、金持ち父さんは「お金が出ていくもの」は資産として考えていません)
『金持ち父さん』では資産と負債をかなり単純化して捉えています(簿記で勉強するのとはちょっと違います)
曰く、
・資産は私のポケットにお金を入れてくれるもの
・負債は私のポケットからお金をとっていくもの
とされます。
その主旨は「お金持ちとそうじゃない人ではお金の流れが違うよ」ということです。
貧乏な人のお金の流れは以下のとおりです。
貧乏な人は、日々の暮らしで精一杯で、入った給料は生活に消えてしまいます。
そしてお金持ちのお金の流れは以下のようになっています。
金持ちは資産が大きいため、その資産から生まれる収入が支出を上回り、余ったお金をふたたび資産に回すことができます。
そうすれば、資産はさらに増え続け、収入も増え続けます。
つまり、資産から収入を得て、それで支出を賄うのがお金持ちのお金の流れなのです。
「大切なのは資産と負債の違いを知ることだ」
と金持ち父さんは言います。
お金が入ってくるものは「資産」で、お金が出ていくものは「負債」です。
資産と負債の違いがわかったら、次は収入を生む資産を買うことだけに努力を集中するのです。
「これが金持ちになるための道を歩み始める最善の方法だ」と金持ち父さんは言います。
なぜ一生懸命働くのがダメなのでしょうか。
それは、増えた分の収入の大部分が他人のふところに入ってしまうからです。
会社勤めしている人は会社のオーナーのために働いています。
勤め人は多くの期間、政府のために働いています。それは税金という形で納められます。
住宅ローンを組んでいる人は、銀行のために働いています。
他人のために働くのを控え、働いた分がそのまま自分の利益になるように、自分自身のビジネスと呼べるものを持つべきなのです。
ロバート・キヨサキにとっての「自分のビジネス」は不動産でした。
彼はゼロックス社で働きながらコツコツと不動産を買い溜め、資産の基礎としました。
不動産で基礎を固め、小型株で値上がり益を狙うのがキヨサキスタイルです。
働きながら資産を貯め続けて、ビジネス界から引退したのが47歳でした。
資産とは何か?
『金持ち父さん』109ページ目。
「本当の資産とは何か?」についてです。
『金持ち父さん』で定義されている「本当の資産」とは、以下のものです。
1.自分がその場にいなくても収入を生み出すビジネス
2.株
3.債券
4.収入を生む不動産
5.手形・借用証書
6.音楽・書籍などの著作権・特許権
7.その他、価値のあるもの、収入を生み出すもの、市場価値のある物品など
自分がその場にいて働かなければいけないのならば、ビジネスとはいえません。それは自分の「仕事」です。
金持ちになるには、支出を低く抑え、負債を減らし、上で書いたような資産を築くよう努力することが推奨されています。
ネットでは「#会社辞めろ」「#脱社畜」などが強く叫ばれていますが、金持ち父さんはすぐに会社を起こすことを勧めてはいません。
いまの仕事を続けながら、その一方で自分のビジネスを持つべきだと述べています。
会社を運営するのは大変なことで、成功率が低く、誰にでも勧められるものではないからです。
それよりは、働きながら資産をコツコツと貯めることを『金持ち父さん』では推奨しています。
ぜいたく品にお金を溶かしてしまってはいけません。ぜいたく品にお金を溶かしても、そこから新たなお金は生み出せないからです。
中流以下の人は、お金が入るとそれを見せびらかすためにまずぜいたく品を買おうとします。
金持ちになる人はまず最初に資産を築きます。
そして、資産から生み出された収入でぜいたく品を買います。
「まず資産を作るべし」
というのが、『金持ち父さん』で何度も強調されているシンプルな教えなのです。
金持ち父さんの考え方のエッセンスをまとめてみました→ 5分でわかる『金持ち父さん』の考え方まとめ
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