ツイッターをパトロールしていたらいつの間にか深夜になっていることが多い。
仕事を終えて家に帰り、寝るまであと5時間はあるから英語を勉強しよう、プログラミングを勉強しようなどと考えてはいるものの、結局何もできずに夜中になっている。
僕は無意識のうちに自分の時間を何かに使ってしまっていて、そしていつも時間が足りなくなってしまっているのだ。
* *
ツイッターは面白い。
Facebookやmixiも面白かったけど、ツイッターの面白さは格別だろう。
ツイッターの面白さの一つに、人間の生々しい争いがリアルタイムで観戦できるところにある。
つい最近、脱社畜サロンというパトロン数3000人の巨大サロンの運営者の経歴が詐称だとかなんとかで、ツイッター上で大きな論争が繰り広げられていた。
「経歴詐称でないことを証明しろ!」
「経歴を証明する必要などない。殴り合いならやってやる」
みたいな胸が熱くなる展開から目を離すことができず、夢中になって「#脱社畜サロン」のハッシュタグでツイッターを検索して遊んでしまっていた。
そして今日、冷静になってハッと気付いてしまったのである。
「脱社畜サロンのケンカがどうなっても、俺の人生に関係ねぇじゃん......」
* *
mixiの赤い文字が好きだった。
誰かからコメントがあったときに出てくるあの通知だ。
僕は誰かからの「反応」が嬉しかったのだ。
ツイッターでフォロワーが増えたら通知も一緒に増えてきた。
人から反応があることは嬉しい。
でも通知に「反応」してばかりだと、そればかりに時間が取られて、自分の作業は全く進まない。
僕は間違いなく、「通知中毒」になってしまっていたのだ。
そしておそらくフォロワー数が5000人を超える多くのツイッタラーも僕と同じ通知中毒にかかっている。
ツイッターの話だけではなく、インスタグラムやFacebookでも同じだ。
反応が気になって逐一チェックしてしまう人は、みんな「通知中毒」「反応中毒」である。
タバコやアルコールと違って、通知中毒は何かを摂取しているわけではないから気付きにくい。
それでも確実に、僕たちの時間を奪い、集中力を散漫にさせ、精神を不安定にさせていくのだ。
夢をかなえたいなら周りに『反応』して流されるな
ここからいつものごとく、『夢をかなえるゾウ』のエピソードを紹介したい。
『夢をかなえるゾウ』は何者にもなれていない成功ワナビーである「僕」の元に現れたゾウの神様・ガネーシャが、ハチャメチャながらも深くて良い教えを施し、「僕」を成功に導くストーリーである。
**
ある日「僕」は、へべれけになって帰宅した。
仕事の帰り際に同僚に飲みに誘われたので、二つ返事でOKし、飲みに行ってきたのだ。
家に帰るとガネーシャにうざ絡みし、
「ねぇあなた、偽物なんでしょお。
神様だったらなんで僕をすぐに成功させてくれないんですかあ」
などと暴言を吐いた。
「自分、そんなこと言うてたらホンマにバチあたるで」
とガネーシャは警告し、酔いつぶれた「僕」は朝起きたらベッドに縛り付けられていた。
身動きがとれない僕に対し、ガネーシャは語りかける。
「あかんやん?
あんなに遅うに酔うて帰ってきたら」
「す、すみません」
「自分、やらなあかんこといっぱいあるやろ?なんであんなことになってまうわけ?」
と「僕」を問い詰める。
「そ、それは、その...同僚に誘われたんで...なんといいますか、サラリーマンには付き合いというものが......」
と言い訳する「僕」に対し、ガネーシャは語りかける。
「自分、根本的にちゃうわ。考え方が」
「ええか?まず、誘われて行くっちゅうことやねんけど。
これって、ようするに『反応』しとるっちゅうことやろ。
分かる?」
「い、いやぁ、ちょっと分からないです」
ガネーシャはタバコの煙を吐き出しながら語りだした。
「世の中のほとんどの人間はなあ、『反応』して生きてんねや」
「『反応』ですか」
「そうや、自分から世の中に働きかけるんやのうて、自分の周囲に『反応』してるだけなんや。
親から言われて勉強して、みんながやるから受験して、みんなが就職するから就職して、上司から『これやっとけ』言われるからそれをやって、
とにかく反応して、反応して、反応し続けて一生終えるんや。
そんなんで、自分の人生手に入れられるわけないやんか。
自分の人生手に入れとるやつらはな、全部自分で考えて計画立てて、その計画通りになるように自分から世界に働きかけていくんや。分かるか」
「は、はい。なんとなく」
「もっと具体的に言おか。
たとえばその日のうちに自分がやらなあかんことがあるとするやん。
夢とか目標とか、そういうの中心に毎日の生活組み立ててったら、飲みの誘い断ってたかもしれへんやん。
でも自分は『誘われたから』行ったんや。
誘われた、という周囲からの働きかけに対して、反応して、流されたんや。そやろ?」
その後で、ガネーシャはスティーブン・キングという有名な作家を例に出してこう言っている。
「彼は小説家になる前は、学校の先生やってん。でも小説家になるために、学校から帰ってきたあととか、週末とか、ずっと小説書いとったんや。
そうやって自分の時間を自分でコントロールして、今の地位築いてんねん。
ワシは自分にそういうの見習って欲しいのよ」
* *
最近の「反応中毒」になってしまってる自分が改めて読み返すと胸に響く。
世の中に働きかけて、「誰かに反応してもらう」のは良いと思う。
でも、誰かに反応させられて、自分のやるべきことに集中できないままではいけない。
自分をコントロールしなければ、時間はなくなっていくばかりだ。
そのために何ができるのかというと、ちょっと良さそうなライフハックを発見したので、次回の記事で紹介したい。
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