社会人、後悔しない家探しのポイント



僕は引っ越しを愛してる。

どれくらい愛しているかというと、社会人になってからは1年半に一度は引っ越しをしていて、これまでのボーナスの半分は引っ越しに費やしたくらいだ。

社会人になって一番お金を使ったことは何か?と聞かれたら、僕は迷うことなく「引っ越し」と答えるだろう。

二番目はもちろん、終電で帰ってしまう女の子のお腹の中に消えたお酒代だ。


新しい場所に住む高揚感があれば、荷物を片付ける苦労など屁でもない。お金が飛んでも辛くない。

そんな風に軽やかに、何度も引っ越しを繰り返してきた。


大前研一という偉いおじさんはこう言った。

自分を変えるにはどうしたらいいか。

私が昔から使っている簡単な方法が3つある。

時間配分を変えること。住む場所を変えること。そして付き合う人を変えることである。

大前流「自分を変革する」3つの方法

意識が天よりも高かった頃の僕は自分を変革すべく会社から徒歩5分の部屋に引っ越して、意識が地面より低かった頃の僕は女の尻を追いかけるべく繁華街のど真ん中に引っ越した。


「住む場所を変えれば自分が変わる」

と大前さんは言うが、関東圏をぐるぐると引っ越したところで大した変化は起こらず、ただただ金がなくなるばかりであった。


年が明けて、冬が終われば新社会人の始まりの季節だ。

もうすぐ就職で東京に来る若者たちは、希望に満ちた眼差しで未来を夢見ているだろうか。

それとも絶望の中、卒論に追われているのだろうか。


いずれにしても地方から東京に出てくる若者に、僕から自信を持って言えることは一つだけだ。


「東京はきっと、面白い」


ところで、ツイッターで「新社会人はどこに住むべきか」という話を見かけた。

こんな話題に“引っ越し王”たる僕が便乗しないわけにはいかない。



新社会人よ。

君はこれから、東京にある無数の賃貸の中から、限られた予算と相談し、自分の生活の満足度を最大限高めてくれる部屋を探すことになる。

僕は引っ越しの王なので、会社から遠いところにも住んだことがあるし、近いところに住んだこともある。

6畳一間の狭い部屋に住んだこともあるし、一人暮らしにしてはいささか広すぎる部屋に住んだこともある。

東京の繁華街に住んだこともあるし、地方に住んだことや田舎に住んだこともある。


数々の経験から自信を持って「これはまずい」と断言できるのは、「ボロすぎる部屋」に住むことだ。

狭い部屋は耐えられる。遊ぶにも寝るにもそれほど不便はない。

でもボロい部屋は本当に辛い。

特に風呂にカビが生えていたり、天井が黒くなっていたり、トイレが狭くて汚かったりすると、心が折れる可能性がものすごく高い。

僕は3回くらいボロい部屋に住んだことがあるが、どれも1年以内に心が折れた。


なので、狭くてもいいから、ひと目見たときの主観で「あ、けっこう綺麗だな」と思える部屋にしてほしい。

部屋探しは恋人探しに似ている。

ひと目見た時に「あ、ブスや」と思った人を愛せないのと同じように、ひと目見たときに「きったね...」と引いてしまう部屋を愛することはできない。

恋愛で「僕は見た目を気にしないんだ」という人なら、もしかしたら汚い部屋でも愛せるかもしれない。

とにかく第一印象で「大丈夫」と思える部屋じゃないと、家に帰るのが辛くなるだろう。



関連記事:生活コストを下げるために家賃の安いマンションに住んだら、人はどんな気分になるのか教える


住む場所は「意識の高さ」で決めよう

「社会人になって遊びまくりたい」という人もいれば、「社会人では仕事に人生を捧げたい」という人もいるかもしれない。

僕の経験から言えるのは、「意識が高いとき」は会社のそばに住んだほうがいい、ということだ。

通勤電車は本当に無駄が多すぎる。

通勤電車に何年も乗った経験から断言できるが、通勤電車は乗らずに済むならそれに越したことはない。

意識の高いビジネスマンにとって、通勤電車は百害あって一利もない。

パンをくわえた美少女とぶつかってロマンスが始まることもないし、朝はイライラしながら歩くサラリーマンの群れに巻き込まれるし、座れないと疲れるし、「電車で勉強すればいいやん」とか意識高く持っていても、隣に座ったデブに圧迫されてまるで集中できない。


勉強したいなら電車に乗らず、部屋で勉強してから歩いて会社に行けばいい。


素敵な物件を見つけてしまうと、「電車に乗ってる時間は所詮30分だし」とか考えて、電車通勤の良いところを探したくなってしまいがちだが、冷静になってほしい。

「駅に向かう時間」「電車待つ時間」は意外と長く、トータルではずいぶん時間を消費してしまっているものだ。

あと、それほど頻度は多くないが、電車が停まると精神的に辛い。

デートをドタキャンされるくらいのダメージを食らってしまう。


意識が高く、自分の時間を最大限有効活用したい新社会人は、できる限り通勤電車を避けよう。

通勤は人がいて気が散るが、徒歩通勤の最中はオーディオブックを聞いたり、英語の音声を聞いたりするのも割と捗るものだ。


関連記事:通勤電車の何がストレスになるのかイラストにしてみた



一方で、意識が低い人。

「俺は東京で女遊びしまくるぜぇ」

という人は、絶対に繁華街に住んだほうがいい。


このブログでは何度も書いているが、女の子と飲みに行ってそのまま歩いて帰れる位置に部屋がある、というのは本当に強力な武器になる。

なぜ我々が空いてるかどうかもわからない道玄坂のホテルに向かうのかと言うと、自分の部屋が渋谷にないからである。

「ほ、ほほ、ホテルに行こう」

よりも

「うちでスマブラやろうぜ!俺、カービィ使うから!」

の方が128倍言いやすい。


繁華街に部屋を借りよ。


家賃は高いが、恵比寿・渋谷・中目黒・新宿などの山手線の左側らへんに住んだほうが何かと“都合が良い”ように思う。

コリドーを主戦場とするなら銀座・新橋・虎ノ門・浜松町付近がいいかもしれない。

六本木・麻布十番は夜遊びしたい人が住む場所だ。

狭くてもいい。

駅から多少遠くてもいい。

「歩いて帰れる」

「最悪、タクシーでいける」

のがものすごく重要だ。

ついでに言うと、金土に夜遊びしたいならタクシーで六本木や渋谷から2,000〜3,000円以内に帰れる距離の部屋に住むのがいい。

六本木の始発の大江戸線は地獄だ。

化粧が剥がれて妖怪のようになった女や、うめき声を上げて泣きそうな男などが道端に転がっていて、百鬼夜行さながらの光景であった。

そんなゲロ臭い大江戸線に眠い目をこすりながら乗車し、家に帰るのは悲しいだろう。

悪いことは言わない。

クラブに行っても3時には家に帰ろう。


余談を続けるが、フラフラと六本木などで遊ぶ人の間では、朝5時にクラブが閉まり、連れを失い、一人になった女の子が道を歩く時間帯を「GT」と呼ぶ。

Great Timeなのか、Good Timeなのかはわからないが、チャンスタイム的な意味なのは間違いない。

僕は繁華街に住んでいた頃、そんなチャンスタイムに万全の体制で繰り出すべく、朝4時に起きて自転車で六本木に訪れたことがある。

皆が眠そうな目で六本木の坂道を歩く中、一人ハツラツとして完璧なコンディションで街を物色していたが、全くお酒が入っていなかったため、誰にも話しかけることができなかった。

繁華街に住めば、こういうちょっとした健康的な散歩を楽しむことも可能だ。

意識が低い人は繁華街に住もう。


最後に、会社が繁華街にある人。

会社内でチャラいとか遊び人とか噂を立てられるとろくな事がないので、できれば会社付近の店で不特定多数と遊ぶのはやめたほうがいい。

「なんか君、ギラギラした目で歩いていたよね」

とか言われるととても恥ずかしい気分になる。

「それ、人違いですよ」

と答えたけど。

繁華街に会社がある人は、自分の主戦場とする遊び場は少しずらすのをおすすめしたい。


関連記事:社会人は会社のそばに住むべきか、我慢して通勤するべきか