社会人は時間がない。
こんなことを書くと優秀な人からは「お前の時間の使い方が下手なだけだ」と殴られるのはわかっている。
だから僕は逆に、優秀な人の時間の使い方を知りたいのだ。
平日は毎日9時間近く業務に縛られる。
激務な人は12時間以上は会社にいるだろう。
日中の最も頭が働く時間は会社のために使うことを余儀なくされ、帰宅後には既に疲れている。
食事や風呂、適度な運動をこなした後に残る時間は少ない。
社会人は学ばなければならないことが多い。
英語の勉強は継続しなければ身に付かないし、毎朝毎晩届く日経新聞に目を通すのにも一日30分はかかる。
英語に加えて会社の仕事に役に立ちそうな統計学だったりプログラミングだったりを勉強すると、帰宅後の時間はほぼなくなってしまう。
僕の場合はそれに加えてツイッターのパトロールと毎日のブログの執筆を自分に課しているため、平日は飲みに行くこともできない。
必然的に空いているのは土日だけになるのだが、予定が入ると土日の時間も確保が難しくなり、一週間単位でまとまった時間が取れるのはゴールデンウィークか年末くらいなんじゃないかと感じている。
何かを学ぶにはまとまった時間を確保したほうが都合が良いが、時間が潤沢にある大学生に比べ、社会人は時間の確保が難しい。
こんな僕でさえ時間がないと思っているのに、僕よりはるかに忙しいであろうトップレベルのビジネスマンは分厚い本を何冊も読み込んでいて、本当にすごいと思う。
田端さんがツイートしてた『デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール』
— みねりゅう😈 (@mineryujp) 2018年3月24日
断片的な知識をまとめている良書。メンバーにはまずこれ配っておいて各論をおのおの深めてもらうのがよさそう。巻末のおすすめ本も3冊注文完了。 pic.twitter.com/nORiz7znh4
田端信太郎さんはツイッターでは炎上が目立つが、実は勤勉で、裏では謙虚にずっと学び続けているのではないだろうか。
少なくとも普通のサラリーマンの数十倍は読書しているように思う。
参考:LINEの田端信太郎さんがTwitterでおすすめしていたビジネス本17選+α
親愛なるサウザーさんが興味深いツイートをしていた。
労働単価が高過ぎると、労働中毒になり、本を読まなくなる。薄っぺらいビジネスポルノ本なら読まずとも一向に影響は無いが、ごくたまに海を越えてやってくるガイジンが書いた重要コンセプトを授けてくれる本、これを読まないでいると、知的に劣後する事になる。
— サウザー (@Fist_of_Phoenix) 2019年2月6日
いつしか、取るに足らぬ間抜けになる。
「本を読まないでいると、知的に劣後する」
この言葉は僕に重く響いた。
というのも、普段時間がないことを言い訳に、腰を据えて読まなければならないような本は後回しにし、薄いビジネス本ばかり読んで勉強した気になっていたからだ。
本棚には大量の積読本が並び、買っただけで頭が良くなった気分になり、結局何も読めていない。
特に、分量が多く、じっくり集中しながら読まなければならない類の本を全然読めていないことが深刻な悩みだ。
たとえば上の写真に載せているような本はどれも社会人なら読んでおきたい教科書のような本だが、一冊読むのに相当な時間がかかりそうだと自分に言い訳してしまい、結局読めていない。
ツイッターで目立っているような社会人の方は分厚い古典のような本の内容もしっかり押さえているように見えるのだが、どうやって時間を捻出しているのだろうか?
会社での仕事に学びがあって、時間の使い方が上手で、家でも学べる人は無敵だと思う。
そういう人は、家で学んだことを会社の仕事にフィードバックし、さらなる成果を上げることができる。
会社の仕事に学びがない人は、家で必死で学ばなければ人生が詰む。
しかし会社の仕事で疲弊している場合、時間をうまくやりくりしなければ重厚な本を読み込むことはできない。
今絶好調の人が「勉強のため」仕事を中断してドーンと休むのはとても勇気が要る事だ。だが、休みを取る恐怖に負け、惰性で仕事を続けてしまい、中途半端で内容空虚なアウトプットを垂れ流して、時代の変化に対応出来なくなって陳腐化する例は山ほどある。
— サウザー (@Fist_of_Phoenix) 2019年2月6日
「変化への対応力」こそ最重要の無形資産だ。
逆に言うと、労働単価の低い人は、良書を読む投資効果がものすごく高い。10時間働いても2万円にしかならない人は、その時間を使って、重厚な良書を読破すれば、期待生涯賃金が10万円以上増えることなどザラ。給料安い人は、残業するより、良書を読破しろ! https://t.co/hzPscsjSw3
— ふろむだ🍀面白文章力クラブ主催 (@fromdawn) 2019年2月6日
いま僕がなんとなく考えているのは、会社員が読書の時間を作るには、「思い切って余計なことをやめる」必要があるのではないかということだ。
日経新聞を読むのは僕の毎日の楽しみな時間だが、じっくり読むと相当な時間を取られるし、特に必要性を感じない人はわざわざ新聞を読まなくてもよいかもしれない。
英語も中国語も数学もプログラミングも、とあれこれ手を出そうとしても、会社員をやりながら全てを学ぶことはできない。
「どんなアウトプットを出したいか」から逆算して、最も重要そうなものに自由に使える時間を集中的に投下する必要がある。
気が乗らない飲み会をやめたり、ネットサーフィンをやめたり、そういう細かい時間の浪費を抑えることで、重厚な良書をじっくり読む時間が取れるのではないかと思っている。
とはいえ、やはり日中の最も脳が活発に働く時間を「学びのない仕事」に費やしている場合は、どんなに隙間の時間に一生懸命本を読んでも、それは穴の空いたバケツに一生懸命水を入れているようなものなので、日中に実りがない人は、まずは学びのある仕事を作るかまともな職場に転職することから始めるべきだろう。
耳から学ぶ
ネットサーフィンをやめ、無駄な時間を極限まで減らして机に向かったとしても、どうしても疲れて休みたくなることもある。
人間の意志の力は有限で、意志力を使い果たしてしまうと何もやる気がなくなってしまうのだ。
そんな意志力を使い果たしたときに有用だったのが、「耳からの学習」であった。
イヤホンをつけて聞き流すだけ。
脳に全く負担がかからず、それでいて意外と頭に残りやすい。
Audibleでビジネス書や洋書、歴史の本をひたすら聞き流す勉強は実に効果が高かった。
「耳から学習」は通勤にも有効だ。
通勤時間に読書するのは地味に心理的なハードルが高い。
横にいるおっさんとの席取り合戦に勝たなければいけないし、混んでる電車ではiPadは開きづらい。
耳から教養を得ることで、「今まで死んでいた時間」を有効活用できた。