会社員で副業をしていて、所得が20万を超えた場合は「所得税の確定申告」を行わなければいけません。
所得とは「総収入金額」から「必要経費」を引いたものです。
「必要経費」とは、所得を生み出すために必要なお金です。
たとえばブログで書評を書いてアマゾンアフィリエイトで収益を得ている場合、書籍代は経費となります。
書籍を買わずに感想文を書くことはできないからです。
副業しているサラリーマンで確定申告をしなければいけないのは、給与所得・退職所得を除いた各種の所得の合計が20万円を超えた場合です。
確定申告書を提出すると、その確定申告書のデータが地方公共団体へ送信されます。
確定申告書の情報を元に、住んでいる市区町村から「住民税」の通知が送られてきます。
会社に副業がバレるのは住民税が原因となることが多いと言われています。
住民税が給与から天引きされたときに、「なんかコイツ、普通より住民税多くね?」と経理の人が気付き、発覚するパターンですね。
副業が会社にバレたらマズイという人は「確定申告書B」の「住民税・事業税に関する事項」の右下の方に住民税を「自分で払う」か「給与から天引き」するかを選択する箇所があるので、「自分で納付」にチェックをつけてください。
税金の話をするときに「20万円稼いでないから確定申告しなくていいよね?」という人がいます。
最初はわかりづらいかもしれませんが、この文脈で「20万稼いだら」というのは「売上」ではなく「所得」です。
1月1日から12月31日までで、グーグルアドセンスで50万円振り込まれたとします。
グーグルアドセンスで稼ぐためにブログネタの取材に40万円使ったとします。
そうすると所得は
50万円 - 40万円 = 10万円
となるので、確定申告をする必要はありません。
ですが、ここで注意が必要なのは、たとえ所得が20万円以下だとしても住民税は払わなければいけないということです。
(所得20万以下なら住民税も払わなくていいと考えている人がすごく多いです)
税務署に行けば
「所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」
という確定申告のバイブルみたいなものが置いてあるのですが、その27ページにはこう書かれています。
住民税や事業税の税額は、所得税の申告書に記載された所得の金額その他の事項を基に、都道府県や市町村が税額を計算してそれぞれの納税者に通知することになっています。
なお、所得税等の確定申告書の提出義務のない方は、原則として市区町村への住民税の申告書を、都道府県への事業税の申告書を提出する必要があります。
詳しくは、お住まいの都道府県や市区町村にお尋ねください。
僕も副業所得は20万円に全然満たないのですが、ふるさと納税のワンストップ特例を使ってないのと、住民税の申告が面倒なので確定申告書を提出します。
税金の話はややこしくて、何度か確定申告しないとなかなか頭に入ってこないですよね。
僕は確定申告をすることで、自分がいかに税金について無知だったかを自覚することができました。
僕たちは普通に会社員をやっていたら、あまり税金を意識することがありません。
意識したとしても住宅を買うときくらいでしょう。
自分で多少でもお金を稼いで、仕訳して、経費を計算して、損益計算書や貸借対照表を自分で作り、確定申告書に必要な項目を入力して初めて、
・収入を得る→経費を引いて所得を計算する→所得に応じて税金を払う
という流れの全体像が掴めてきます。
税金の本を10冊読むよりも、1回自分で確定申告やってみる方がよっぽど税金の勉強になる。
— ヒデヨシ (@cook_hideyoshi) 2019年2月11日
百聞は一見に如かずだし、十冊は一実践に如かず。
会社員でも一度は確定申告やって、税金を意識するのがいい。
ほとんどの会社員は女に奢るよりも、遊びに使うよりも、国家に払う税金の額の方が大きいのだから。
不安な人は税務署の無料相談を使おう
はじめて確定申告するサラリーマンの方はきっと不安だと思います。
僕は本当に不安で仕方ありませんでした。
税務署が調査に来るんじゃないかとか、間違いを指摘されるくらいならいっそ確定申告しないほうがよかったんじゃないか、とか。
税務署が恐ろしい敵だと思いこんで、恐れていました。
副業で少しでもお金が入ると、そういう不安はついてきます。
でも実際に確定申告の相談に行くと、税務署は全然敵じゃないことがよくわかります。
相談にいくと職員の方がものすごく丁寧に、親切に教えてくれます。
めちゃくちゃ優しいです。
確定申告の時期はどの税務署も「無料相談会」を開いているはずです。
「最寄りの税務署名 確定申告」
などのワードで検索してみてください。
本当に無料です。
僕は一度自分で確定申告書を作ってから、無料相談に持っていって間違いを指摘してもらい、間違いを修正してから提出、というやり方をとっています。
期間中は何度でも相談できるので、基本は「不安なところが少しでもあったら相談に行く」方針がいいと思います。
確定申告で大事なのは、「自分の記載について、根拠と証拠を持って説明できるかどうか」です。
税務署職員の方に「この経費は何に使ったんですか?」と聞かれたら、「この記事を書くための取材に必要だったので、書籍代としました」と答えたり、
「家賃の30%が地代家賃とされていますね?」と言われたら、
「自宅の作業スペースは全体の面積の30%です。なので、支払っている家賃の30%を地代家賃としました」
みたいに、ちゃんと根拠があれば仮に税務調査がきても大丈夫だと考えています。
それで税務署職員の方と見解が異なれば、そのときは修正して申告すればいいわけですから。
確定申告のおすすめ手順
はじめて確定申告する会社員におすすめの手順は以下の通りです。
最も簡単な税金の本(例:『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください』)で税金の仕組みをさらっと勉強する
↓
税務署に置いてある『所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引』を読みながら確定申告の流れを理解する
↓
MFクラウド会計やfreeeなどのクラウド会計ソフトを使い必要な情報を入力・編集する
↓
確定申告書と収支内訳書をプリントアウトする(白色申告の場合)
↓
税務署の無料相談に書類を持って相談しに行く
↓
間違っていたら家に持ち帰って修正する
↓
自信があれば税務署に確定申告書を提出。自信がなければもう一度相談する
僕は昨年からこの流れで確定申告書を提出し、特に問題は起きていません。
確定申告書を作る作業は面倒なので
「確定申告書を出さなくてもバレないのでは...?」
みたいな邪心が芽生えがちです。
でも、確定申告をしなかったら一年中ずっと不安がつきまとうわけです。
「もし税務署に捕捉されて脱税扱いされたらどうしよう」
とか、
「本当に税金払わなくてよかったんだろうか」
みたいな不安に一年中悩まされるよりは、2月にさっさと出してしまったほうが精神衛生上快適です。
それに一度確定申告すると世の中の仕組みがわかるというか、どうやって税金を計算しているのかが見えてくるようになります。
僕にとってはものすごく勉強になりました。大げさではなくマジで一生役に立つ知識だと思います。
一緒に確定申告がんばりましょう!
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