こんまりさんの本を読んで片付けの意識が高まり、大量に積まれた本の山を整理していた。
本は日々の整理が大切だ。
何の本がどこにあるかを把握しておかないと、積読が際限なく増えていってしまう。
片付けがきっかけで、本棚の奥深くに眠ったまま日の目を見なかった本が次々と発見されることはよくある。
自宅にいながらにして考古学者にでもなった気分だ。
そんな片付けの最中、たまたま見つけたのが伊藤公量先生の『どんな試験も1年で合格! 資格試験<超効率>勉強法』である。
僕ほどたくさんの勉強法の本を読み、世の中のあらゆる勉強法に精通しながら成績が全く上がらなかった人間はいないだろう。
そして僕ほどたくさんの自己啓発本を読み、世の中の成功者のなんたるかを知りながら何も成功していない人間もいない。
久しぶりに見つけた勉強法のバイブルに心を踊らせ、本を見つけただけで勉強ができるようになった気がした。
少し読み進めると、勉強法の本のくせに人生でとても大切なことが書かれていた。
このブログの読者にもきっと響く内容なので、要約して紹介する。
* * *
人生には野望が必要だ。
野望がなければ人生が無機質で価値のないものになってしまう。
死を目の前にして、「俺の人生はなんだったんだろう」と嘆いてもあとの祭りだ。
君たちは何よりもまず、「目的」を定義しなければならない。
ここで重要なのは、「目的」と「目標」は違うものであることをしっかり頭に入れたうえで定義しなければならないことだ。
「目的」は主観的なものだ。価値観を含むものだ。
これに対して「目標」は客観的なものだ。価値観は含まない。
目標は結果や数字でつかむことができるが、目的はそれができない。
目的は未来に向かって設定され、一生かけて追求するものだ。
一方、目標は現在において設定されるもので、達成されたら次の新しい目標に置き換わるものなのである。
一度しか無い人生を何のために生きるか。
他人がどう思うか、社会で重要なことかなんて、まったく関係ない。
人生にはロマンが必要だ。
そして自分の人生なら、そこにロマンを持ち続けることができるはずだ。
世の中には自分の目的を、親や赤の他人、神様に決めてもらいたがる人が多い。
自分の人生は自分のものである。
人の基準ではなく、自分自身の基準で決めるしかないのだ
* * *
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人生の目的とはなにか?
久しぶりに読んだ本の一節に考え込んだ。
なんとなく大学に入って、なんとなく名前を知ってる会社に就職して、給料をもらって、そのまま老いていって幸せなのだろうか?
そんな中学二年生のような疑問をおっさんになってまで胸に抱いているといえば、皆に馬鹿にされてしまうだろう。
しかし実際のところ、「何のために生きているのか」「本当にやりたいことは何か」を真剣に考えている人は少ないのではないだろうか?
なんとなく会社に通い、なんとなく毎日の業務をこなし、なんとなく一年を過ごし、二年を過ごし、いつの間にか10年経っていた、なんて人もいるのではないだろうか。
そんなことを考えながら、とりあえず「人生の目的をノートに書き出してみよう」と決意し、新しいノートを買うためにTSUTAYAに向かった。
そのときに聴こえてきたのが「アンパンマンのマーチ」である。
じっくり聴いてみると、「これは深いな」と思わずにはいられなかった。
何のために生まれて、何をして生きるのか
「アンパンマンのマーチ」の歌詞は、深読みすると考えさせられるものがある。
「なんのために生まれて 何をして生きるのか」
幼稚園の頃に何気なく歌っていた曲に、未だに答えられない自分がいる。
「答えられないなんて そんなのは嫌だ」
たしかに嫌だ。
「何が君の幸せ 何をして喜ぶ?」
何が自分の幸せなのか?全然答えられないではないか。
世の中一般的に正しそうな方向に動いてきたが、自分にとっての幸せについて考えたことはあっただろうか。
「わからないまま終わる そんなのは嫌だ」
その通りだ。
しかし、しっかりと向き合って考えずにいるとわからないまま終わるだろう。
そんなのは嫌だ。だよな?アンパンマン。
「今を生きることで 熱い心燃える
だから君はいくんだ 微笑んで」
とアンパンマンは歌う。
熱い心の燃えどころがツイッターしかない人生でいいのだろうか?
アンパンマンは究極のGIVER
アンパンマンの人生の目的は何だろうか?
進化心理学では、我々の究極の目的は全て「繁殖」につながっていくと説く。
しかしアンパンマンはオスかメスかもわからないし、そもそも繁殖能力があるとは思えない。
工場で作られる工業製品に魂が宿ったものと考えるのが妥当だろう(やなせたかしさんは『妖精』と言っていたらしいが)
では、アンパンマンはなぜ戦うのか?
曲では
「ああ アンパンマン 優しい君は
いけ! みんなの夢 守るため」
と歌われている。
アンパンマンは自らの利益のために動いていない。
みんなの夢を守るために動いているのだ。
僕はこの曲を聴きながら、『GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代』という本を思い出した。
本の内容は「たくさん与える人が最後に勝つ」みたいな話だった気がするが、すまん。内容は思い出せない。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
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考えようによっては「アンパンマンはバイキンマンの世界征服の夢を邪魔しているだけ」とも受け取れるが、少なくともアンパンマン自身の主観では
「みんなの夢を守るため」
に動いているのだ。
自らの生命を危険にさらしてまでパンを分け与え、何度も殺されれそうになりながらバイキンマンを退治している。
それでいて繁殖に利することもなく、報酬を得ることもない。
彼はいつも「ただ与えるだけ」なのだ。
究極のGIVERではなかろうか。
愛と勇気だけが友達
アンパンマンは孤独である。
彼に友達はいない。
なぜなら公式設定で「愛と勇気だけが友達」と明言されているからだ。
「愛と勇気」
それは人ではなく、内に秘める想いである。
この一節を歌いながら、僕はあるビジネス書を思い出した。
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『君に友だちはいらない』
本の内容は「君に必要なのは友達ではなく仲間である」みたいな内容だったと記憶しているが、これはまさにアンパンマンの一味のことではないだろうか。
馴れ合いの友達は持たず、それぞれのスペシャリストが
「バイキンマンを倒す」
という共通の目的のもとに集まっている。
カレーパンマンはカレーを吐くことができるし、食パンマンはたしか、ドキンちゃんを機能停止させることができたはずだ。
アンパンマンは幼児に聴かせる曲ながらに「友達100人できるかな」なんて甘いことは言わない。
むしろ「愛と勇気だけがあればいい」と言っているようにも見える。
僕が「アンパンマンのマーチ」を初めて聴いてから既に30年ほど経っているが、世の中には「ちょっとした勇気」が鍵となって新たな道が開けることがたくさんある。
馴れ合う友達をたくさん持つよりも、自らの愛と勇気を育むことのほうが大切だ。
友達は愛と勇気だけでいいのだ。