古本はネット宅配買取サービスを使うよりも、自分でアマゾンで売った方が高く売れることを伝えたい



私はノリと衝動で本を買う男である。
ツイッターで誰かが勧めていた本は元々興味がなくても買ってしまうし、日経新聞の広告で見つけた本もついアマゾンでチェックしてしまう。

本屋で平積みにされている本を見て、気になったら躊躇うことなく買ってしまうし、その割に買った本を読む暇がない。
必然的に読まない本が棚に積み重なり、書籍の山に囲まれて

「あれもやらなければ、これもやらなければ」

と悩むことになる。

時間は有限だ。
やりたいことはいくらでも出てくるが、本当に大事なのは「やらなくてもいいこと」を判断して、思い切って切り捨てることである。

本を買った瞬間は何かドーピング剤を撃ったような気持ちになって、すごく成長できる気もするが、「読んで咀嚼して理解する」という過程を経なければ一ミリも実力がつかない。

筋トレせずにプロテインを飲んでも筋肉はつかないように、読みもしない本を積み重ねても実力はつかず、ただ金と意志力を消耗するだけである。

ネット宅配買取サービスの“負けない”ビジネスモデル

さて今回の記事は、僕のように衝動買いで本を貯め込む傾向にある人や、普段から本をたくさん買う人に伝えたい。

こちらの画像は、ブックサプライに計75冊の本を段ボールで送って、買取価格を査定してもらったものだ。

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gmailのスクショ

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75冊で14,020円。

同じようにネットオフに11冊の本を査定してもらったときの価格がこちら。

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gmailのスクショ

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一冊例外的に高い本があったから値段が跳ね上がっているが、だいたい1冊100円くらいだ。
ブックオフに持っていっても同じような値段になるだろう。

古本の買取を依頼して、その買取料金のあまりの低さに悲しくなった人は僕だけではないはずだ。

正直、ここで

「ネット宅配買取は不用品が廃棄できて、ノマド生活にぴったり!」

「不用品がお金に変わって部屋はスッキリ!財布はモッコリ!」

みたいに書けばアフィリエイトでバシバシ儲かっていたかもしれない。

Googleで検索するとアフィリエイト報酬の高い順にネット宅配買取サービスがおすすめされている記事が山ほどヒットする。

しかし札束に背を向け、読者のためにあえて言いたい。
時間がある人には、ネット宅配買取を使うよりも良い方法があると。

ネット宅配は

  • 自分の時間が時間がほとんどなく
  • 入ってくるお金は気にせず
  • とにかく部屋を片付けたい

という人にとっては有効な手段だが、そうでない人は地味に業者にカモられている。
「カモられている」というのは、ネット宅配業者に相当中抜きされているということだ。

今回、宅配買取の査定に時間がかかっていたので、メールを見逃していないかなとGmailを検索してみた。
すると、「ネットオフ」と書かれたメールが過去にたくさん届いていたのだ。

なんだ?と思ってみてみたら、簡単なことだった。

僕は以前からネットオフで買い物をしていたのだ。アマゾンマーケットプレイスを通じて。

そうか、そういうことか...。

古本の宅配買取業者のビジネスモデルが見えてきた。

彼らは宅配を使って本を大量に安く仕入れて、査定中に「アマゾンでいくらで売れるか」を見積もって、十分に利益が出る価格で買取をしているのだ。

買取価格とアマゾンの販売価格の差は文庫本で500円以上、単行本や教科書だと2000円近くの差がある。
値段がつかないものは「リサイクル商品」として値段なしで引き取ればいい。

このカラクリに気付いたとき、己の長き不明を恥じた。

これ、自分でやればめっちゃ儲かるじゃないかと。

在庫はアマゾンの倉庫に置いておけるし、売れないものは出品せずに捨てればいい。買取価格は1円だ。

本を出す方は「とりあえずいらない本を処分したい」と考えている人だから、査定額が安くても気にしない人が多い。
買取側は丸儲けだ。

とはいえ、ビジネスとしていきなりネット宅配買取を始めるのはそれはそれで手間がかかりそうなので、じゃあ自分でアマゾンに出品することはできないかとやり方を調べてみた。

ネット宅配買取業者の中抜きは、ある意味「手間賃」ともいえる。

自分でアマゾンに出品してみよう

アマゾン出品のやり方を調べてみると、FBA(フルフィルメント by Amazon)という仕組みを使えば、読まない本を段ボールに詰めてアマゾンの倉庫に送るだけで、後のお客さんへの配送や返品対応は全てアマゾンの人がやってくれることがわかった。

つまり、いちいち購入者全員に宛名書きして、毎回個別に商品を送付する必要はなく、段ボールにまとめてアマゾンの倉庫に送るだけで後は勝手に販売してお届けまでやってくれるのだ。

ネット宅配買取サービスに段ボールで送る作業に加え、ラベルを貼る作業を加えるだけでいい。

ブックサプライで75冊で14,020円だった本のうち、売れそうな60冊くらいをアマゾンで販売してみたらどうなったか?

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amazon seller centralのスクショ

56冊売れて売上は97,451円。
売上というのは購入者が払った料金で、こちらに入ってくるお金ではない。

本の場合は15%の販売手数料に加え、カテゴリー成約料80円や配送代行手数料、在庫保管手数料が引かれるが、それでも売上の半分以上は振り込まれることになる。

大口取引とか小口取引の違いなども考慮しなければならないが、詳細は別の記事に書いたので興味があったら読んでほしい。

手順をなぞるだけでアマゾンに出品できるように書いたつもりだ。

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FBAというアマゾンの物流に乗っかる仕組みを使わずに出品すれば、もう少し簡単に出品することもできる。そのやり方も別途記事にまとめる予定だ。

使っているサービスを反対から見ると勉強になる

ブログを書いてしばらく経った頃、Google AdSenseと呼ばれる広告サービスを知った。
自分のブログに広告を貼れば、クリックされた回数に応じて収入を得られるらしい。

さらに色々と調べてみると、アフィリエイトと呼ばれる報酬型サービスを知った。
クリックを通じて購買につながった場合に報酬が入る仕組みになっているらしい。

これらの仕組みを知って、自分でマネタイズを試みたことで、普段ネットを見るときに他のサイトがどうやってマネタイズしているのかが見えるようになった。

「Google広告」というサービスを使って自分でGoogleの広告を出してみることで、広告主がどのような形でコストをかけて、どのようにお金を支払っているのかも見えてきた。

このように、自分が使っているサービスでマネタイズする側に回ってみたり、逆にお金を払う側に回ってみることで、ビジネスの仕組みが見えやすくなる。

僕は普段、何も意識せずにアマゾンのマーケットプレイスで中古本を買っていたが、自分で中古本を出品してみることで、どのような人がどうやってアマゾンで商品を販売しているのか少しだけ見えるようになった。

転売ビジネスをやる人は、商品を安く仕入れて高く売るようなことをやっているわけだが、そのような視点でブックオフなどに行ったときに本を眺めるようになった。

「相場より安く売られている本はないかな」

と。そして実際に見てみると、アマゾンの中古品の相場より安い本はほとんどないことがわかった。転売はそれほど甘くないということだ。

普段、会社で動かすお金に比べると、このような小商いで動く金は微々たるものだ。
というか、読み終わった本を売っても、元々はその本を自分でお金を出して買っているわけで、儲けは全く出ていない。

ビジネスと呼ぶにはあまりにも小さな作業かもしれないが、「自分で全部やってみる」ことで学びになる点は多い。
アマゾンへの出品は「自分でできる小商い」のうち、最も手軽で身近なものだと思う。