フェミニストはなぜ過激になっていくのか



世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数で、日本は149カ国中110位だった。
ジェンダーギャップ指数は様々な項目から計測され、値が1に近づくほど男女平等、値が0に近づくほど男女格差が大きくなると判断される。

日本は「教育」や「保健分野」で高いスコアを出す一方で、「経済参加」「政治参加」のスコアが著しく低い。
同一職での賃金格差も大きく、日本は世界から見て恥ずかしいくらい男女が不平等だということは、忘れてはならない。

その意味で男女平等を目指し、フェミニストが声を上げることには大きな意味がある。
特に日本のような国際的に情けないくらい男女差別が残っている国では、未来に向けて差別を是正していく必要がある。

これは「女性の味方をして人気取りをしよう」という理由からではなく、単純に女性が生き生きと働けるような社会にしないと、日本が立ち行かなくなるからだ。

今後生産年齢人口が減っていくのが確実な日本で、女性が働きづらい差別的な慣習が残り続けるのはさすがにまずい。
海外の優秀な女性も日本で働きたいとは思わないだろう。誰も差別されながら働きたいとは思わないからだ。


参考:ジェンダーギャップ世界110位の日本。格差を埋めるのは、「意見の言語化」かもしれない

フェミニズムとは何か

最近ツイッターでフェミニストの方々を見ることが多い。

「フェミニスト」とは何かを調べると、「フェミニストは男嫌いのブスだと思っているあなたへ」という記事を見つけた。

現代のフェミニズムは「性差別からの解放」を目指し、「女も男も思うように生きたらいいさ」という思想なのだという。

自由を尊重する態度は素晴らしいと思うし、後押しされるべき考え方だとも思う。

女の子はピンクの服を着るのを暗に強要されたり、男は青い服を着るように促されたり、通念によって「男」として生きること、そして「女」として生きることを“社会的に”規定されていくことを「ジェンダー」という。

そんなジェンダーからの解放を謳っているのがフェミニズムなのかもしれない。
男女はとにかく平等で、男も女も思うように生きたらいい。

お互いの立場を尊重し、他者の生き方を身勝手に規定するものであってはならない。
元の定義どおりに考えると、フェミニズムは至極真っ当で正しい主張をしていることがわかる。

しかしながら、ツイッターで日々論争を繰り広げるフェミニストの方々からはどうしてもそのような寛容さは感じられない。

他者を攻撃し、否定し、自分たちの意見と異なる対象の人間を袋叩きにすることに使命感を覚え、仲間で連帯して敵を倒すことに夢中になっているように見えてしまうのだ。

フェミニストが他者に不寛容になっていくのはなぜなのか

正直言って、ツイッターのフェミニスト軍団は本当に怖い。
何かにつけて怒りまくっているし、こういう記事を書いたのが見つかったらめちゃくちゃ怒られることは容易に予想できるからだ。

そこには他人の意見を受け入れる寛容さなどない。

自分が気に食わないものは許さない。
自分が心地良くならない言葉は許さない。
自分たちの意見と異なるものは許さない。
自分たちを肯定しないと許さない、という傲慢さすら感じる。

このような指摘をすることも絶対に許されないだろう。

本来、自由な生き方を認め合うことが目的だったはずのフェミニズムが、共通の敵を作り、仲間と連帯して敵を倒すことが目的となってしまっているのだ。

気に食わない対象に怒りをぶつけること。
腹立たしい対象を見つけて仲間に知らせて攻撃し、自分たちの正しさを再確認することが目的となっている。

自分が自由でいることに、ツイッター上の他者が介在する余地などないはずなのに。


『今すぐソーシャルメディアのアカウントを削除すべき10の理由』という本によると、ソーシャルメディアは人間の悪意を増強させるような仕組みになっているという。

人を依存させ、怒りっぽくさせて、攻撃的にさせてしまう。
僕は一部のフェミニストアカウントの方々が過激になっていってしまうのは、そのようなソーシャルメディアの特性によるものだと考えている。

ツイッターがなければ、そこまで怒りっぽくなっていないはずなのだ。
ツイッターは負の感情を爆発的に膨らませる。

自分の心の奥底で育まれた小さな負の感情が、ツイッター上で見つけた仲間たちによって引き起こされ、表に引っ張り出されていく。

仲間内で肯定され、承認されていくと、その快感にだんだんと依存してくる。

スマホゲームのアイテムガチャに依存する人のように、怒りの対象(アイテム)を探して叩き、「仲間の承認」というボーナスが欲しくなってしまう。

繰り返しになるが、こうやって書いたのが過激派のフェミニストの方に見つかると、スクショを取られてツイッター上で晒され、ブチ切れられる可能性が高い。怒りの対象は何でもいいのだ。仲間みんなで叩くことに依存してしまっている。

強い表現が許されるならば、「自分たちの正義を執行する快感にやみつきになっている」とも言える。

だからツイッターで晒し上げることに意味があるのだ。

そしてそれは間違いなく、心身の健康に良くない。
人生を良いものにしない。

ストレスフルで、スマホの画面ばかりを見るようになり、頭の中は負の感情でいっぱいになってる。
余計なお世話だと思われるだろうが、ツイッターから離れて、スマホから距離を置いて、目の前にある幸せを見つめ直した方が楽しく生きられるのではないだろうか。

この記事を見つけて読んでしまったフェミニストの方は、腹立たしくなって、頭に血が上って、今まさに「コイツをどうやって叩いてやろうか」と思案しているかもしれない。

そんな反応が出ている時点で、ツイッターという悪魔に精神が侵されている。

ツイッターに心が支配されると、異常に怒りっぽくなってしまうのだ。

oreno-yuigon.hatenablog.com


ツイッターでの怒りがリアルに侵食してしまう

ツイッターで「フェミニストから距離を置いた人」の発言が回ってきた。
あまりにも生々しくてしばらく読み込んでしまった。



ソーシャルメディアは人の悪意を加速させてしまう。
僕たちはリアルの世界とネットの世界は別物と考えがちだが、スマホを長く見ているうちに「タイムライン上の価値観」に洗脳されてしまう。
ソーシャルメディアの洗脳は強力で、リアルの世界でも呪縛のように効いてくる。
上記のみーみさんが義姉にとってしまった行動は、決して対岸の火事ではなく、自分にも起こりうることなのだ。

僕自身、ツイッターの価値観に染まってしまったときは、たとえば会社員を「社畜」として見下しそうになったり、遊び慣れていない男の人を「残念な人」として捉えてしまいそうになっていた。

タイムラインに流れる価値観は、僕たちを少しずつ洗脳していくのだ。
ソーシャルメディアに触れる限り、洗脳は避けられない。
だからこそ、僕たちは自分たちの脳を支配しようとする洗脳に自覚的でなければならない。

日常的に見ているもの、読んでいるものの影響はあまりにも大きい。
それがリアルの生活にプラスになるものであればいいが、怒りっぽくなっていたり、不安に駆られていたり、依存しているようだったら、スマホ自体から距離を置いたほうがいい。

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自分たちの仲間以外は敵なのか

追記となります。
記事で引用させていただいたみーみさんが後日談をツイートしていらっしゃったので、引用いたします。

最後の「ネットも現実の延長ですから、現実で言っちゃいけない事はネットでも言わない方が良いですよ」というのは、本当にその通りだと思います。

自分と意見が異なる相手は「敵」ではありません。
自分の主張を通すために、異なる意見全てを叩き潰す必要はないのです。