私は20年以上少年ジャンプを欠かさず読んできているのだが、
「ジャンプで最強のキャラは誰か?」
という命題の答えを出せずにいた。
歴史に残る名作を生み出し続けてきたジャンプの中でも「王道」とされているのがバトル漫画である。
これまで数々のバトル漫画が生まれた。
少年たちは熱狂し、休み時間に好きなキャラクターの真似をして遊んだ。
昭和生まれのアラサー世代の中には、
「大人になったらかめはめ波を撃てるようになる」
と信じていた人は多いだろう。
かめはめ波ではなく、霊丸を撃ちたかった人もいるかもしれない。
今日は作品の垣根を跨いで、ジャンプで最強のキャラは誰なのかを考察してみたい。
一応、前提条件として以下を設定しておく。
- ストーリー上、キャラの強さは地球から出る前の状態のものとする
- 勝ち残り戦で最後に残っていたキャラが最強とする
「地球から出る前の状態」とは、ドラゴンボールでいうとナメック星に飛び立つ前、幽遊白書でいうと魔界に出発する前の状態を指す。
というのも、地球上での勝負にしないと、ドラゴンボールなどは際限なく強くなってしまい、
「怒って地球を破壊すれば勝ち」
みたいな状況になってしまいかねないからだ。
またこの記事では当然、ジャンプの全てのキャラクターを網羅することはできてはおらず、筆者の記憶に残っている一部のキャラクター内での比較になっている点はどうか許してほしい。
できるなら誰か別パターンの勝負を書いてもらいたいし、他の人の意見も読みたいと思っている
それでは考察に入ろう。
- 『スラムダンク』桜木花道 vs 『鬼滅の刃』竈門炭治郎
- 『鬼滅の刃』竈門炭治郎 vs 『幽遊白書』浦飯幽助
- 『幽遊白書』浦飯幽助 vs 『ハンターハンター』メルエム
- 『ハンターハンター』メルエム vs 『呪術廻戦』五条悟
- 『呪術廻戦』五条悟 vs 『ワンピース』ルフィ
- 『ワンピース』ルフィ vs 『ドラゴンボール』孫悟空
- 『ドラゴンボール』悟空 vs 『こち亀』両津勘吉
- 出典
『スラムダンク』桜木花道 vs 『鬼滅の刃』竈門炭治郎
緒戦は頭突きに定評がある二人を戦わせてみたい。
『スラムダンク』の桜木花道と『鬼滅の刃』の竈門炭治郎である。
桜木花道は10巻を過ぎたあたりからあまり頭突きしなくなったが、連載初期の頃は頭突しまくっていた。
空手部の屈強な高校生を一撃で倒す桜木の頭突きの破壊力は相当なものだろう。
ちなみにバスケ部キャプテンの赤木も頭突きを喰らったことがある。
陵南戦のワンシーンだ。
対するのは『鬼滅の刃』の竈門炭治郎だ。
ディフェンスに定評がある池上のように、竈門炭治郎も頭の硬さに定評がある。
人を喰う鬼を頭突きで倒し、猪之助というなかなか強い鬼殺隊の仲間も頭突きで沈めたことがある。
桜木花道と竈門炭治郎を闘わせたらどうなるだろうか?
桜木の攻撃力も相当なものだ。
やさぐれていた頃の三井寿をビンタ一発で沈めている。
しかし桜木は一応、現代の高校生であり、強いヤンキーというだけである。
刃物を扱い、“呼吸”で身体能力を強化できる竈門炭治郎に戦闘で勝てはしまい。
竈門炭治郎は桜木のビンタを躱し、ヒノカミ神楽で桜木を仕留めることになるだろう。
というわけで、『スラムダンク』桜木花道 vs 『鬼滅の刃』竈門炭治郎の闘いは⋯
勝者:竈門炭治郎
『鬼滅の刃』竈門炭治郎 vs 『幽遊白書』浦飯幽助
さて、頭突きと言えばもう一人、忘れてはいけないキャラがいる。
『幽遊白書』の浦飯幽助だ。
暗黒武道大会でハゲと戦った幽助は最後、ナイフエッジデスマッチで勝利する。
足の裏にナイフを押し付け殴り合うナイフエッジデスマッチでは、後ろに下がったら足が切れてしまう。
勇気と攻撃力が試される闘いだ。
ハゲはかなり強い妖怪だったが、幽助は一歩も引かず、最後は頭突きでハゲを仕留めた。
そんな幽助と竈門炭治郎が闘ったらどうなるだろうか?
竈門炭治郎は近接戦闘では相当に強いが、幽助には霊丸がある。
幽助の遠距離からの攻撃には相当苦戦することが予想できる。
また、そもそも幽助も“霊界探偵”という、鬼狩りのような仕事をやっていた。
鬼も妖怪もほとんど変わらないだろう。
たとえば物語序盤で出てくる「白虎」も幽遊白書では雑魚っぽいが、鬼滅の刃の世界では上弦の鬼くらいの強さはあるはずだ。
そして物語終盤に差し掛かる頃の幽助は白虎どころではなく、B級妖怪の戸愚呂(弟)も倒している。
戸愚呂(弟)の戦闘力は筋肉量から推測するに『鬼滅の刃』で最強の鬼である鬼舞辻無惨より高いと思われる。
そんな戸愚呂(弟)を倒した幽助なので、炭治郎も霊丸で仕留めることができるだろう。
勝者:浦飯幽助
『幽遊白書』浦飯幽助 vs 『ハンターハンター』メルエム
次は僕が大好きな蟻の王メルエムを登場させてみよう。
まさかの同じ冨樫義博マンガ同士での闘いだ。
蟻の王メルエムは日本漫画史上最高の敵キャラであったといっても過言ではない。
とてつもないカリスマ性であった。
そんなメルエムと浦飯幽助、闘ったらどちらが勝つだろうか。
ここで戸愚呂(弟)がB級妖怪であったことを思い出してほしい。
メルエムは『ハンターハンター』の設定上、暗黒魔界から来たようなものである。
暗黒武道会の決勝の相手が戸愚呂(弟)ではなくメルエムだったらどうなっていただろうか?
魔界に行く前の幽助と戸愚呂(弟)の実力はほぼ互角である。
そんな幽助が蟻の王メルエムに勝てるだろうか?
霊丸は一日4発しか撃てないという制限があるが、メルエムのオーラはほぼ無尽蔵だ。
戸愚呂(弟)戦の最後、幽助が全身全霊を込めて放った霊丸を思い出してほしい。
この霊丸と同等程度の威力のオーラをメルエムは「試し打ち」で放っているのだ。
幽助の全力の霊丸はおそらくはハンター協会会長のネテロの「百式観音 零の掌」と同じくらいの威力だと思われるが、メルエムはネテロの無慈悲の咆哮を受けきった。
そう考えると、霊力が空になるまで霊丸を放ってもおそらくはメルエムを倒せまい。
というわけで、メルエム vs 浦飯幽助の試合は⋯
勝者:蟻の王メルエム
『ハンターハンター』メルエム vs 『呪術廻戦』五条悟
ここまでで最強に見えたメルエムにも
「爆撃で死ぬ」
という弱点がある。
あと、敵キャラにしては珍しく毒が効く。
『ハンターハンター』ではほぼ最強キャラとして君臨していたが、ここで『呪術廻戦』の五条悟をぶつけてみよう。
五条悟は『呪術廻戦』最強のキャラで、“無下限呪術”という特殊な術式を持っている。
無下限呪術を発動している五条悟と敵の間には「無限」が発生し、敵の攻撃は当たらない。
たとえ爆弾をぶつけても爆風は五条悟に当たらないのだ。
また攻撃力も相当に高く、必殺技である「虚式 茈」は爆弾並みの威力があると思われる。
攻撃が当たらず、それでいて爆弾並みの威力の技を使えるのが五条悟である。
爆弾で仕留められたメルエムではさすがに勝てないだろう。
またメルエムが“円”などを駆使したとしても、五条悟が領域を展開したら攻撃はかわせない。
というわけで、『ハンターハンター』メルエム vs 『呪術廻戦』五条悟の闘いは⋯
勝者:五条悟
『呪術廻戦』五条悟 vs 『ワンピース』ルフィ
五条悟の無下限呪術は対象と五条の間に「無限」を作る。
その「無限」があるため、敵は五条悟に触れることができない。
しかしだ。
『ワンピース』のルフィは物語後半で“覇気”を身に付けた。
特に武装色の“覇気”は敵の実体を攻撃することができる。
無下限呪術が悪魔の実のような能力だとすれば、武装色の覇気を使えば五条悟の実体を殴ることができるはずだ。
五条悟は『呪術廻戦』で最強キャラではあるが、意外と守備力は高くない。
術式を封じられたら割とダメージを喰らうし、ルフィのように撃たれても刺されても生きていられるわけではない。
武装色の覇気を極め、(おそらく)カイドウにダメージを与えられるレベルにまで成長した今週号(2019年9月)のルフィであれば、数発コングガンで殴れば五条悟を倒せるだろう。
それに五条悟の虚式「茈(むらさき)」はエネルの「エルトール」並の威力があるが、見聞色の覇気を極め少し先の未来が見えるようになったルフィであればヒラリとかわすことができるはずだ。
それにしても五条の術式は黒ひげの“ヤミヤミの実”とそっくりで、術式を封じてしまえば五条はおそらく黒ひげよりも弱い。
ワノ国編でさらなる成長を遂げたルフィであれば、五条を倒すことは容易だろう。
『ワンピース』モンキー・D・ルフィ vs 『呪術廻戦』五条悟の闘いは⋯
勝者:モンキー・D・ルフィ
『ワンピース』ルフィ vs 『ドラゴンボール』孫悟空
ここで出してしまいました、悟空です。
『ドラゴンボール』のキャラは強さがチートなので、出してしまうと話が終わってしまう。
なので、とりあえず「地球にいるまで」という制限を設けた。
ベジータを倒したあたりの悟空を想定してほしい。
さて、武装色の覇気を進化させ見聞色を極めたルフィと、バトルマンガの金字塔を打ち立てた孫悟空の試合はどうなるだろうか。
ここで思い出してほしいのだが、悟空は少年時代に「ギラン」というピッコロの手下にガムみたいなもので縛られたことがある。
名前はガムだが、ほぼゴムだと思っていい。
ヒソカの念能力に似ている。
ガムで縛られたとき、悟空はどうしたか?
なんと力を込めるだけで引きちぎってしまったのだ。
少年時代の悟空で既に、ゴムをちぎるくらいのパワーがあるということだ。
ルフィはゴム人間で、ワンピースの設定上は打撃は効かないことなっている。
しかし衝撃波だったり、黄猿のレーザーではダメージを受けていたため、悟空の気功波でも同様のダメージを与えることは可能であると考える。
悟空も少し知恵を働かせて闘い方を工夫すれば、舞空術を使ってルフィの攻撃が届かない空中からかめはめ波を撃ち、ルフィを弱らせることもできるだろう。
一番簡単にルフィを倒すならば、「太陽拳」でルフィの目をくらましておき、そこで気円斬のようなノコギリ型の気功波を放てばいい。
簡単にルフィをちぎることができる。
そこまで卑怯な手を使わなくても、3倍程度の界王拳を使えば、力でルフィを引きちぎることはできるのではないだろうか。
そういうわけで、『ドラゴンボール』孫悟空 vs 『ワンピース』モンキー・D・ルフィの闘いは⋯
勝者:孫悟空
『ドラゴンボール』悟空 vs 『こち亀』両津勘吉
さて、ここで「地球にいる間まで」と悟空の強さに制限をかけた理由が明らかになる。
最後の闘いだ。
孫悟空は地球にいる時点ではベジータと同等程度の戦闘力であった。
その頃の悟空の戦闘力ではフリーザには当然歯が立たない。
そんなフリーザに勝った男がジャンプにはいる。
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の両津勘吉である。
両津勘吉はフリーザを撤退させた男なのだ。
ナメック星に迷い込んだ両津はフリーザを道路交通法違反で逮捕しようとした。
そんな両津を攻撃するフリーザだったが、どんなに気功波を撃っても全くダメージを受けない。
その上なんと、あのフリーザに寿司をたかるのである。
最終的には不死身の両津が嫌になってフリーザは逃げてしまう。
フリーザ撤退により、実質的に両津勘吉は「フリーザに勝った男」と言えるだろう。
つまり、孫悟空 << フリーザ << 両津勘吉
というロジックで、孫悟空と両津勘吉が闘ったら両津勘吉が勝つことが予想される。
以上から『ドラゴンボール』孫悟空 vs 『こち亀』両津勘吉の闘いでは⋯
勝者:両津勘吉
以上の考察より、週刊少年ジャンプ最強のキャラは両津勘吉で決定した。
出典
ここまで紹介してきた漫画を引用元(参考文献)としてまとめて紹介する。
- 作者: 吾峠呼世晴
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『鬼滅の刃』は今ジャンプで一番面白い漫画といってもいいかもしれない。
鬼と闘う主人公も、敵である鬼もそれぞれの悲しい過去を背負っている。
綿密に作られたキャラクターとつながり始めた伏線。
いま、一番泣けて面白いジャンプ漫画だ。
- 作者: 井上雄彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/06/01
- メディア: コミック
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忘れられない青春のバスケ漫画である。
スラムダンクが流行ったため、バスケ人口が急激に増えた。
日本でマイナーだったバスケを一気にメジャーにした歴史的作品。
- 作者: 冨樫義博
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1991/04/10
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冨樫義博を出世作。
マニアには『レベルE』などの他の漫画の評価が高かったりするが、やはり幽遊白書は不朽の名作と言えるだろう。
ドラゴンボールと並んで少年たちを夢中にさせた。
後半、絵が雑になってきたりもしたが、面白いことに変わりはない。
- 作者: 冨樫義博
- 出版社/メーカー: 集英社
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ハンターハンターを読んでいないと人生を半分損していると言ってもいい。
こんなに素晴らしい漫画はない。
特に「蟻編」までは最高で、その先は段々と冨樫義博の趣味が全開になってくる。
一番最近の暗黒大陸編はもはや漫画というより小説みたいになっている。
作者が休載ばかりするのも有名で、同じ時期に始まったワンピースとは3倍近くコミックスの巻数に差がついている。
- 作者: 芥見下々
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いずれ一つの記事を書いて紹介するが、最近めちゃくちゃ面白いのが『呪術廻戦』である。
NARUTOとハンターハンターの良いところを取り込んでいい感じにまとめた作品といってもいい。
設定もかなり凝っていて、ハンターハンター的なバトルが好きな人にはハマると思う。
- 作者: 尾田栄一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
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『ワンピース』はもはや説明不要だろう。
国民的漫画だ。色々と記事も書いたので、こっちも見てほしい。
oreno-yuigon.hatenablog.com
oreno-yuigon.hatenablog.com
oreno-yuigon.hatenablog.com
- 作者: 鳥山明
- 出版社/メーカー: 集英社
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ドラゴンボールを知らない人はいないだろう。
いや、平成生まれだと知らないのか?
史上最高のバトル漫画だ。
余談だが、ドラゴンボールで鳥山明先生はその溢れんばかりの才能を出し尽くしてしまったように思える。
あれ以上の作品はもう二度と生まれないだろう。
秋本治の仕事術 『こち亀』作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由
- 作者: 秋本治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2019/08/05
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こち亀は今から読み始めるのは難しいと思うので、どちらかというと作者の仕事術の本を読んでみてほしい。
別途紹介したいが、好きなことをコツコツと続け、また変化を恐れない作者の姿勢から学べるものは多いだろう。