【感想】ヒカキン本 『僕の仕事はYouTube』に学ぶ情報発信のコツ



Kindle unlimitedで『僕の仕事はYouTube』が無料になっていたので読んでみた。
この本は同じユーチューバーのシバターに燃やされたり、ちり紙にもならないとディスられたり、Amazonのレビューでボロクソに書かれていたりと読むのに勇気がいる本ではあるが、抽象度を上げて読むと学びは多い。

「これからYouTubeで成功したい人」
「YouTubeをヒットさせるための具体的なノウハウが知りたい人」

にとってはたしかにちり紙以下の本かもしれない。

『僕の仕事はYouTube』には素人が今すぐ読んで実践できそうなノウハウは書かれていない。
そして本を手に取る人の多くは「既に継続的に発信している人」ではなく、YouTubeに夢を見る人たちだろう。

まだ何も発信していない人が読んでも響くものはないが、3年以上情報発信を続けてから読むと学びが多い。

僕はYouTubeはやっていないが、書かれている内容の多くはブロガーにも役立ちそうなものであった。
この記事ではその一部を紹介したい。

副業を本業に移すタイミング

副業でブログをやっていたり、Youtubeで発信して広告収入を稼いでいたり、不動産を買って大家さんをやってる人の多くは

「いつ本業を辞められるか」

で悩むと思う。

世の中には本業ありきで副業する人と、本業を辞めるために副業する人がいるが、ヒカキンは後者であった。

高校卒業後に都内のスーパーで働いた4年間を

「人生で最も辛い時間」

と正直に書いている。

YouTubeは仕事のストレスを発散できて、本物の自分を確認できる場所であったそうだ。

本にする上で表現は相当穏やかになっているが、内心では

「こんなクソつまらない仕事、一刻も早くやめたい」

と思っていたに違いない。

YouTubeは手段であり、目的でもあったのだろう。

ヒカキンには「YouTubeの収入が会社の収入を越えたらやめる」という明確な指針があった。
上京して4年、辛い会社員時代を経て、ヒカキンはYouTubeチャンネル登録者数日本一の看板をぶら下げて、会社を辞めた。

辞める前には(当然ながら)会社員としての給料を軽く越えていたのだという。


会社を辞めるタイミングは人それぞれで、ライターのヨッピーさんは

  • 月に10万円以上、安定的に利益が出ていること
  • 1年以上生活できる貯金があること
  • 固定費を限界まで下げている状態になること

などを挙げていた。

oreno-yuigon.hatenablog.com


会社からの給料で生活している人は、「副業の収入が会社からの収入を半年以上連続で超えていること」などを目安にするのが安全なように思う。

もちろん生活費を削減し、贅沢も一切やめて貯金を続けるのは言うまでもない。

毎日決まった時間に更新する

『僕の仕事はYouTube』が書かれた2013年時点では「毎日19時までに動画をアップすること」を守っていた。

ヒカキンのファンは小中学生が多いため、彼らが学校から帰ってきたタイミングで動画を見ることができるように、「19時」と決めたそうだ。

ファンにとって、「毎日同じ時間に更新されている安心感」はとても大きい。
せっかくサイトを見に行ったのに新しい動画がアップされていなかったり、時間が不定期で複数の動画が溜まっていたりしたらファンをガッカリさせてしまう。

だからヒカキンはできるだけ「毎日、同じ時間に」動画をアップするよう心がけていた。

毎日動画をアップするだけなら簡単そうに見えるかもしれないが、実際やってみると「毎日発信」は本当に大変だ。

ブログでさえ大変だったのだから、動画を編集して毎日アップする労力は想像を絶するものがあるだろう。
ヒカキンはただ毎日動画をアップするだけではなく、他のYouTuberを研究して、YouTubeのチャンネルアナリティクスを毎日眺めて改善を続けた。

継続力に加え、改善力もヒカキンの成功の一因だろう。

oreno-yuigon.hatenablog.com

英語で発信できたら世界を相手にできる

「YouTubeは全世界で視聴されているサイトなので、日本語オンリーの動画よりも、世界中が市場といえる英語の動画の方がアクセスは桁違いに多いです」

誰もが「英語で発信したら大きい市場で戦えるんだろうな」と考えるのだが、なかなか実践できない。
そして実践したとしても、続けられる人はほとんどいない。

英語の場合は市場も大きいが、その分ライバルが多いという意味でもある。
しかしながら、「日本の情報を英語で面白く発信できる人」は少ないので、

「英語圏以外のバックグラウンド」×「英語で発信」

には大きな夢がある。

プログラミングの勉強動画を英語で発信してもネイティブのクオリティには達しないだろうが、NipponのTokyoの情報を英語で面白く発信できたらオンリーワンになれるかもしれない。

本当に夢が広がる話ではあるが、いや本当に英語のハードルは高いのよ...。

ちなみにヒカキンは

「僕も将来的にはぜひ、英語を習得して、全世界の人が楽しめるチャンネルを毎日更新できるようになりたいと思っています」

と書いているが、2019年末時点でヒカキンが英語を習得した様子はない。

お金を第一にすると必ず失敗する

「『Youtubeでお金を稼ぐこと』を第一に考えると、必ず失敗します」と述べている。
大好きなこと、続けられることをテーマに、楽しみながら地道に動画を作り続けていった先に、「YouTubeでお金が稼げる」ようになると思うのだと。

2018年頃は、

「ブログをやって脱社畜だ!」

みたいに、突発的なブログブームが沸き起こったが、今でも続けている人はどれくらいいるのだろうか?

「金のためだけにやっても続かない」が正しいとは言い切れない。
きっかけは金だとしても、成功した人は続けているからだ。

でも「金のためだけにやっていたら、金が稼げないとすぐに心が折れる」のは間違いない。
そして金を稼ぐのは簡単ではないから、「続けられない人はなかなか成功しない」とも言えるだろう。

うまくいくまで継続できないのだ。


YouTubeでもブログでも、自分が好きなものをテーマにするといい。
正直、好きなことを書いていてもお金になるとは限らないが、続けているうちに「動画編集」や「文章を書く行為」自体が楽しくなってくるかもしれない。

ヒカキンは心の底から大好きなビートボックスをテーマに動画発信を続けた。
本業の食品販売の経験を活かした商品紹介も楽しんでやっていた。

好きだから続けられるし、好きだからもっと良くしようと思える。

継続は力になる。それが好きなことならなおさらだ。

好きなことで生きていくって、そういうことなんだ。

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僕の仕事は YouTube

僕の仕事は YouTube

  • 作者:HIKAKIN
  • 出版社/メーカー: 主婦と生活社
  • 発売日: 2013/07/19
  • メディア: 単行本

これまでブログで散々「買う本は絞ったほうがいい」「あれこれ買っても本は読めない」と主張してきてKindle unlimitedを契約するのは矛盾しているのですが、良い点もあります。

Kindle unlimitedは旅行先のガイド本が多数無料で読めるので、旅行の予定がある際にまとめて情報収集ができるのです。

Dマガジンや楽天マガジンだと雑誌がごちゃごちゃ出てきて気が散るので、Kindle unlimitedで必要な本をダウンロードする使い方が性に合っているなと思いました。

まぁ、予定になかったヒカキン本もダウンロードしてしまったのですが、結果オーライです。