何をするときもスマホを手放せない人がいる。
ツイッターで話題になっていたのはスマホ依存の男性だ。
夫、ご飯食べる時も、お風呂入る時も、寝る前も携帯。
— ひぃ@8m (@hihihi151832889) March 8, 2020
娘のスプーン取りにいく30秒だけ夫に任せたのにその間も携帯しか見てなくて、娘が離乳食ひっくり返した。
30分かけて作った離乳食は30秒で無くなった。
無言で床に落ちた離乳食片付けてる私対してなにもいわずにまた携帯。
そろそろキレていい?
どんなときもスマホを開かずにいられない人はたくさんいる。
2020年3月19日の日経新聞によると、「子どものコンピューターゲームの利用時間を1日60分まで」とする目安を盛り込んだ条例が香川県で可決したようだ。
ゲーム条例のポイントは以下の通り。
- 青少年をゲーム依存症から守り、広く依存症を認知してもらう
- 18歳未満の子どものゲーム利用時間は平日60分、休日90分まで
- スマホは中学生以下が午後9時まで、それ以外は午後10時まで
- 上記を目安として、家庭内でのルール作りを促す
- 罰則規定はない
依存症対策に利用時間の上限の目安を設けるのは、効果は小さいと思うが意味はある。
だがこの条例を施行する前に、まずは子どもの見本となるべき大人をなんとかした方がいいんじゃないか?
もちろん、大人に対してゲーム時間を制限する条例など作れるはずがない。
しかしながら、子ども以上にスマホゲームに依存している大人はものすごくたくさんいる。
人と話しているときにもスマホゲームを開かずにはいられない。
食事のときも、風呂のときも、移動のときもスマホゲーム。
1日60分どころか、1日の空いた時間は全てスマホゲームをやっている大人がいるのだ。
僕は会話中に目の前でスマホをいじる人間が好きではないので、そういう依存症に無自覚な大人に対して偏見がある可能性はある。
それでも、「子どもに条例を課すなら見本を見せてみろや」と言いたくなるくらい、いい年してスマホに依存している大人は多い。
依存症はスマホゲームに限らない。
ツイッターやインスタグラムの通知が気になりすぎて、目の前の“リアル”に集中できない人もたくさんいる。
SNSもスマホゲームも、開発者が考えているのは「いかにユーザーの時間を奪い、依存させるか」である。
アプリに依存させるためにランダムに報酬を与え、定期的にイベントを課し、人とのつながりを作らせる。
ユーザーは気付かないうちに脳がハックされて、スマホを見ずにはいられなくなってしまう。
スマホ依存の恐ろしいところは、いつの間にか時間と集中力を奪われてしまうところだ。
常にボーッとして、物事に集中できず、麻薬を欲しがるジャンキーみたいにスマホを開きたくなってしまう。
その上、膨大な時間を費やして「ゲーム内の報酬」以外には何も残らない。
何千、何万時間と費やして、ゲームのブームが終わった時に初めて気付くのだ。
「なぜオレはあんなムダな時間を過ごしたのだ...」
と。
困ったことに大人のスマホ依存は誰も注意してくれず、ただひたすらに時間を失っていく。
自分で気付くことはできない。
ゲームやSNSの開発者に完全に脳をハックされてしまっているのだ。
スマホ依存は「ルール作り」では治療できない
香川県は「1日60分を目安に家庭内でルールを作る」ことを推奨している。
しかしながら、この条例はおそらく絵に描いた餅で、効果はほぼないだろう。
ルールを作ってもやめられないから依存症なのだ。
「やめなさい」と言われて「オッケー、Google!もうやめるわ」と言えるなら苦労はしない。
依存症を治療するには、対象から隔離しなければならない。
薬物中毒者の目の前に麻薬を置きながら、「もう麻薬をやっちゃダメだよ」なんて言ってもやめられるわけがない。
本気で治療したいなら、本気でやめさせたいなら、スマホを捨てて、インターネットをブチ切るくらいの覚悟が必要だ。
「目安を伝える」のではなく、強制的に「できない状態」にしてしまう。
念能力で言うと強制的に“絶(ゼツ)”の状態にしなければ、スマホはやめられない。
依存症の治療は「誓約」だけでは足りない。「制約」も必要だ。
自分の脳は自分で守れ
ここからは余談かつ、やや荒唐無稽な予想になる。
コロナショック後に未曾有の不況が訪れるとしたら、人々は外でお金を使わなくなり、暇な時間が増える。
そんな暇な時間が増えた人々を襲うのが、「スマホ依存」だ。
家でスマホを見る時間が増え、無料の娯楽に多くの時間を投じるようになるだろう。
インスタやツイッターのインフルエンサーはフォロワーを増やすチャンスかもしれない。
だがSNSやスマホゲームをビジネスにする人以外が、スマホに時間を奪われて良いことはほとんどない。
自分の時間は自分で守らなければならない。
何度も書いてきているが、スマホ依存は「脳をハッキングされた状態」なのだ。
自分では何に時間を使っているのかわかってない。
1日の時間ってこんなに短かったっけ...?
なんでこんなに時間がないんだ...?
と日々不思議な気分になっているが、1日4時間がインターネットに消えていることには気付かない。
無意識に時間を奪われるのは、よく考えると恐ろしいことでもある。まるで童話の世界だ。
- 作者:ミヒャエル・エンデ
- 発売日: 2005/06/16
- メディア: 新書
自分の脳は自分で守らなければならない。
このブログも含めて、インターネットには「ユーザーに時間を使わせる仕組み」が大量に仕掛けられている。
「その時間は、本当に自覚して使ったものか?」
と自問し、自分の貴重な時間を奪うインターネットには常に警戒を怠ってはならない。
最後に「自分が何に時間を使っているか」を可視化したい人には「ほぼ日手帳」がおすすめだ。
24時間を記録できて、振り返りやすい。
Togglなどのタイムトラッキングツールもあるが、個人的にはアナログが好みだ。
ほぼ日手帳 2020 手帳本体 カズン(A5サイズ) 2020年1月はじまり 月曜はじまり 1日1ページ T20BA1MX01060
- 発売日: 2019/09/01
- メディア: オフィス用品