「自粛疲れ」「コロナ慣れ」の反動なのか、街に人が増え始めている気がする



「自粛疲れ」「コロナ慣れ」「コロナ疲れ」などの単語をニュースで見るようになった。
「コロナ疲れ」とは、連日の新型コロナ報道や自粛ムードによって精神的に疲れてしまう現象を指すらしい。


2020年2月26日。
政府が全国規模のイベント開催について2週間の自粛を求めた。

自粛要請がきっかけとなって学校が休みになり、テーマパークなどの人が集まる施設が自主的に休業し始めた。

(一番危険そうなナイトクラブやパチンコ屋は閉まる気配がなさそうだが...)

その後1〜2週間はイベンドだけでなく、カフェやショッピングモールからも人が消えた。
少なくとも僕の体感では、いつもの繁華街の10分の1程度まで人が減っているように感じた。

3月初旬に横浜駅周辺に行ったときの様子が以下の写真である。

新型コロナの自粛で人が消えた
3月初旬の横浜駅周辺

午前中とはいえ、こんなに人がいない休日の横浜駅は初めてだった。

「感染症が流行する」のがどういうことなのか、どこか他人事だった危機を自分事として受け取った瞬間だった。

強制なしで自粛ムードを続けるのは難しい

自粛要請から1〜2週間ほどは自粛ムードが続き、どこもかしこも閑古鳥が鳴いていた。

しかし3月中旬くらいにカフェに行ってみたら、新型コロナ騒動前のように席が取れないほどの満席ではないが、全盛期の7割くらいの力は取り戻しているように見えた。

新型コロナのパンデミックは収束していない。
だが人々の自粛ムードは徐々に解け始めているように感じる。

もちろん統計情報を見たわけではなく、肌感覚に過ぎないが、若い人を中心に自粛を中断し始めた印象がある。

春分の日の三連休では花見・宴会は禁止されているのに「桜を見るだけの人」が大量に上野公園に押し寄せたようだ。


宴会はしなくても人は大勢いる上野公園
上野公園に押しかける人々


「自粛疲れ」「コロナ疲れ」を感じる人が出てきて、その反動で外に出て遊びたい気持ちになっている人が増えているのかもしれない。

僕もポカポカ晴れた日は外に出て遊びたい。
春の陽気に誘われて、コートを捨てて街に出たいと思う。

「自粛疲れ」というより、春を感じて、こんなに天気が良くて、なんだかテンションが上ってしまって、土から虫が出てくるみたいに、思わず外に出てしまう感じだ。

とはいえ、新型コロナの感染を広めないためには不要不急の外出は控えるのが望ましい。

望ましいのはわかっているけれど、個人的な印象では、「強制力のない自粛の要請」で国民を家に閉じ込めるのは1ヶ月程度が限界であるように感じた。

危機感を煽らなければ、「もう外出していいかな?」という人はこれからも増え続けるのではないか。


日本だけ油断していて大丈夫なのか不安

外出先で徐々に人が増え始めているように感じる中、ニュースを見ると、

  • ニューヨーク州やカリフォルニア州で外出禁止命令が出た
  • イタリアで死者が4,000人を超えた
  • フランスで新型コロナ感染者数が10,000人を超えた

などのニュースがじゃんじゃん流れてくる。

近所の公園に咲き始めた桜を遠目に眺めながら、

「日本だけこんなに平和でいいのだろうか?」

と思ってしまった。

「検査数が少ない」だの「検査数が少ないからこそ医療崩壊を免れている」だの、専門家の間では様々な意見が錯綜しているようだが、いち市民・いち国民としては温かい春の日差しを受けながら

「日本は平和だ⋯⋯いや、平和すぎる⋯⋯!!」

と感じてしまうのであった。

とはいえ他の国の惨状を見る限り、日本人に「vs新コロの遺伝的チート気質」がないとするならば、今の平和は偽りか、あるいは束の間の休息に過ぎないのだろう。

陰謀論は好きでないが、「オリンピックをなんとか開催したい」という政府の強い思いが、国民を自粛を弱める方に向けている気がする。

いずれにしても現在の油断モードで過ごしていたら、1〜2週間後には日本国内で感染が爆発的に広がる可能性は高いだろうし、そのときにはオリンピックどころではなくなっていて、多くの人が強制巣篭もりモードに入ると予想している。



経済の活性化と感染症対策の両立の難しさ

この記事ではミクロな視点からの個人的な感想を述べている。

マクロな視点で見た正しい経済政策・感染症対策は専門家に任せるとして、僕が聞いた話では、やはりレストランなどの外食産業のダメージは相当に大きいらしい。

こないだ行ったレストランでウエイターの方と話していたら、お客さんの来店が例年の半分以下に減ってしまったと言っていた。

団体客のキャンセルが相次いでいて困っているのだという。

東日本大震災では国の経済を回すために「外に出てお金を使う」ことが正解と言えた。
しかし感染症の場合は「外に出てお金を使うと感染するかもしれない」ので、経済政策と両立させるのは非常に難しい。

また囚人のジレンマ的な考えをすると、

「全員が協調して自粛する」

ことができれば、新型コロナは封じ込めることができるかもしれない。

日本は「一人の人がどれだけの人に感染させるか」の指標である「基本再生産数」が低いそうだ。


しかし、国家の強制力なしに国民全員が協力して自粛するのは難しく、

「みんなが自粛しているときに自分は裏切って遊び、幸せな気分になる」

「他の店が自粛しているときに自分の店を営業して儲ける」

みたいな「裏切りのインセンティブ」が働きやすい。


政府の専門家会議では、小規模の感染が起きる条件を

  • 換気の悪い密閉空間
  • 人が密集
  • 近距離での会話や発声

としている。

国民全員が3条件を守れば、前述した「基本再生産数」を「1」以下にできる期待が大きいそうだ。

ライブハウスや病院、カラオケ、屋形船、キャバクラやクラブなどは最も感染しやすい空間であるといえよう。

3条件を避ければ自粛を解除して好きに行動していいのかはわからない。
というのも、爆発的な感染が起これば、ニューヨークやイタリア、武漢のような惨状が起こるのが目に見えているからだ。


十分に広がってしまった感染症は、とにかく経済対策と相性が悪い。
封じ込めに専念するのか、経済を回すのか。

僕は基本的には国家の方針に従いつつ、個人としては手洗い・うがいと十分な睡眠を心がけたい。


以下のnoteはとてもわかりやすかったので、この記事でも参考にさせてもらいました。

専門家会議の「クラスター対策」の解説 ――新型コロナウイルスに対処する最後の希望