【最新話 ネタバレ注意】『鬼滅の刃』で主要キャラが死にすぎて展開が読めない



本記事は最新のネタバレを含むので、自分で読みたい人は別の記事を読んでください。

こちらはネタバレなしで鬼滅の刃の面白さを書いてます→『鬼滅の刃』は絵が下手でもストーリーが抜群なら超絶面白いことを証明した奇跡の作品である


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ジャンプ最新話、いわゆる「鬼滅本誌」で人が死にすぎている。
第200話「勝利の代償」では、長い長い夜が明けた。

鬼舞辻無惨が太陽の日に晒され、ついに消滅した。
鬼舞辻無惨は日の光に消えていったのだ。

鬼殺隊は長き闘いの末、勝利を掴んだ。


普通の漫画であれば、ボスキャラに勝利した後は明るく楽しくめでたく終わっていく。

しかし『鬼滅の刃』は全然めでたくない。
というか、勝利して逆に哀しくなってくる。

こんな漫画ははじめてだ。

第200話「勝利の代償」は鬼舞辻無惨の消滅から始まる。
この時点で僕はまだ「勝利」を確信できていなかった。

また生き返るのではないかと思っていた。

しかし鬼殺隊からは歓声が上がり、どうも鬼舞辻は確信的に死んだかのように見える。


悲鳴嶼行冥(ひめじま ぎょうめい)の元に駆け寄る隊士達。
そんな隊士に対し悲鳴嶼は、

「私は手遅れだ 貴重な薬を溝に捨てることになる」

「他の若者達の所へ行ってくれ」

と治療を拒否。


え、悲鳴嶼、死ぬの?


長年ジャンプを読んできた勘に従うならば

「普通、大勝利の後に主要キャラクターは死なない」


だが我らの『鬼滅の刃』はセオリーに従わない。
主要だろうと人気だろうと、役割を終えたキャラはバンバン死んでいく。

見えないはずの悲鳴嶼の目にはかつて共に過ごした子どもたちの姿が。


「ああ......お前たちか......」


(先生 あの日のことを 私たちずっと 謝りたかったの)


キターーーー!
この回想、鬼滅で人が死ぬときのやつじゃん!

(先生は目が見えないから 守らなきゃと思って 武器を取りに行こうとしたんだ 外に農具があったから)

ああ、そうか。

悲鳴嶼は最後、笑って死ぬんだ...

(いつも通りまた明日が来れば ちゃんと話もできたのに 本当にごめんなさい)

子どもたちと手を取り合って、「大好きだよ」と。

そう言って、悲鳴嶼は笑顔で死んだ...。


...。

マジかよ...。

悲鳴嶼が死んだだけでもヤバいのに、鬼滅本誌の衝撃は止まらない。

え、まだ何かあるの?

甘露寺さんと伊黒さん、愛し合って死ぬ

「悲鳴嶼さんお疲れ様」と思っていたら、次は甘露寺蜜璃(かんろじ みつり)に場面が移った。

蛇の男・伊黒と共にいた。


こ、これは...。

ま、まさか...。

いや、マジか...?


「伊黒さん......勝てた.....?」

「ああ勝った 無惨は死んだ」

「良かったあ...」


「体が全然痛くないや...もうすぐ私 死ぬみたい...」

「俺もすぐ死ぬだろう 君は独りじゃない」


うそーん。マジすか。
吾峠呼世晴 先生、そこも死なせてしまいますか。本当に?

いや、まさかな...薬で治すパターンやろ?

と思っていたら、なんか甘露寺さんと伊黒のラブストーリーが進んでいく。


「初めて会った日のことを覚えているか?」

「あの日会った君が あまりにも普通の女の子だったから 俺は救われたんだ」


ちょ、出会いのシーンに戻ってるよ。


完全に死亡フラグやないか...


警戒しながら読んでいると、回想が進んでいく。


「ささいなことではしゃいで 鈴を転がすように笑い

柱になるまで苦しい試練もあっただろうに それを少しも感じさせない」

「底抜けに明るく優しい君は たくさんの人の心をも救済してる 胸を張れ」


こんなに真っ直ぐに伊黒が甘露寺さんに想いを伝えたのは初めてじゃないか?

そんな伊黒に甘露寺さんが応えた。


「伊黒さん伊黒さん 生まれ変われたら また人間に生まれ変われたら 私のことお嫁さんにしてくれる?」

「勿論だ。君が俺でいいと言ってくれるなら」

「絶対に君を幸せにする 今度こそ死なせない 必ず守る...」


伊黒さんと甘露寺さん「今度こそ死なせない必ず守る」
伊黒さんと甘露寺さん「今度こそ死なせない必ず守る」


ちょ、待てよ。

今度は死なせなくても、今死ぬの?

そして次ページでは風柱・不死川実弥(しなずがわさねみ)へ。
不死川さんはなんとか死なず、猪と善逸も助かった様子が描かれている。

これで死ぬ人の描写は終わりかな、と安心していたところで...。


まさかの炭治郎が死亡?

「息してない 脈がない 炭治郎...」

息もせず、動きもしない炭治郎を見て冨岡義勇は膝をついた。

「また守れなかった」

「俺は人に守られてばかりだ...」

「許してくれ すまない 禰豆子 すまない...」

と冨岡義勇の懺悔で第200回は終わる。


炭治郎、本当に死んだの?


死んでしまった炭治郎
死んでしまった炭治郎


主人公が死ぬパターンはジャンプでは意外とある。

ドラゴンボールでは孫悟空は死んだし、幽遊白書では主人公は霊体からスタートした。

しかし、『鬼滅の刃』の死は明らかに重みが違う。

これまでも散々主要キャラクターを死なせてきた。

別れのシーンで泣いてきた。

でも、いやこれは...主人公が死んで終わる漫画なんてあるのか?

それも歴史に残るほどの大ヒット作品で...?

打ち切りでもなく、マジで主人公死ぬの?

そんな馬鹿な!

鬼滅作者・吾峠呼世晴を追う

吾峠呼世晴先生は1989年5月5日。こどもの日に生まれた。

24歳のときに読切「過狩り狩り」を投稿し、いくつかの読切を経て『鬼滅の刃』でジャンプ本誌にデビュー。

なんと!連載デビューが『鬼滅の刃』だったのだ。
だから過去の作品を元に吾峠呼世晴先生の思考を分析するのは難しい。

そこで何か情報がないかと探してみると、『鬼滅の刃』の編集を担当した片山達彦さんへのインタビュー記事があった。

鬼滅ファン必読のインタビュー→『鬼滅の刃』大ブレイクの陰にあった、絶え間ない努力――初代担当編集が明かす誕生秘話


インタビューの中に

「普通の人間がすぐ強くなるわけない」こだわりの“修業回”

というエピソードがある。

鬼殺隊入隊のための修行のエピソードは序盤に置くには引きが弱いかなと思い、編集から

「もう少し短くできないか」

と相談したそうだ。

それに対して吾峠呼世晴先生は、

「普通の人間がそんなにすぐ強くなるわけないと思います」

と決して信念を変えることはなかったのだという。


この辺のエピソードから見て取れるのは『鬼滅の刃』では「竈門炭治郎は普通の人間として描かれている」ということだ。

継国縁壱のような超人ではなく、あくまで「普通の人間」

では普通の人間が鬼舞辻無惨と戦ったらどうなるか?
命を賭けないと勝てないのではないか?

インタビューによると、吾峠呼世晴先生は決して信念を曲げない人なのだという。

どんなに「主人公は殺すな!」と言われても、ストーリー上必要であれば死なせてしまうのではないか。

作者の性格上、主人公を死なせるのがありえるとしても、主人公を死なせたまま終わる漫画は思いつかない。
ドラゴンボールみたいにいつでも生き返るわけではないのだ。

鬼滅の刃では、死んだ人は戻ってこない。

鬼舞辻無惨は死んだ。

でも主人公も死んだ。

これまでの漫画の王道パターンなら、

  • 鬼舞辻無惨は実は死んでおらず、最終形態に変身して復活する
  • 主人公も復活する
  • 主人公が超人的なパワーに目覚めて、鬼舞辻を倒す

みたいな展開になるはずなのだが、どうも鬼滅の刃がそのパターンを踏襲するとは思えない。

鬼滅はこれからどうなるのか?

全く展開が読めずに困っている。

炭治郎が死んだままでいいの?

まさか炭治郎が「閻魔相手に地獄の国盗りだ」なんて言うとも思えないし、死なせてしまってどうするのか...。

禰豆子が主人公で第二部とかあるのだろうか...。
吾峠呼世晴先生が『鬼滅の刃』をこれからどう畳んでいくのか全く読めない。

鬼滅の刃は最終回に向かうのか

無惨は炭治郎に力のすべてを託し、炭治郎を鬼にすることで自らの意志を継がせようとした。

炭治郎は鬼になりかけたものの、ギリギリで自我を保っていた。

禰豆子の必死の説得や、カナヲが死を覚悟して「しのぶの薬」を打ち込んだことで、炭治郎は鬼にならずに済んだ。

鬼は滅び、世界に平和が戻った。


第204話のタイトルは「鬼のいない世界」となっている。

鬼舞辻無惨との戦闘から3ヶ月後。

たくさんの命と引き換えに鬼を滅ぼし、そして鬼殺隊は解散した。

炭治郎たちに笑顔が戻った。

そして時は流れ、時代は現代───


現代!?

というコマで204話が終わる。

いや、現代!?

高層ビルが立ち並ぶ東京の絵が描かれている。

鬼滅の刃、現代編?⋯が始まるとはさすがに思えず、第205話で最終回になるのではないだろうか。

鬼がいない令和の日本を描いて終わる気もする。

100万分の1くらいの確率で、鬼滅の刃・現代編が始まる気もするけど、炭治郎はさすがに生きてはいないだろうな。

まさかの現代まで時が流れるとは⋯⋯。鬼滅の刃は最後まで何が起こるかわからない。