合コン相手を「会社の格」で評価する女友達と議論になった

3年くらい前の話かな。


そこそこ有名企業に勤めている彼氏がいない女友達と飲んでいたときに、

彼女は合コン相手の男のことを


「あの人達は社格が低いからダメ」


とか言ってたんですよ。


社格?


社格ってなんだと思ったら、「会社の格」のことらしくて。


会社の格が自分より低い人には魅力を感じないって、真顔で言うんですね。


で、会社の格ってなんだよと。


聞いてみると、やれ知名度だったり、給料だったり、そういうのを総合した


イメージ


が社格として存在しているようなのです。


有名企業に入る人はだいたいみんな、学生時代に就活頑張った人です。


就活を頑張っていると、


「どこどこの企業の最終面接に呼ばれた○○くんがすごい」


とか、


「なんとかの会社のインターンはトップレベルの学生が集まる」


とか、どうしても耳に入ってくるんですね。


そういう噂がベースとなって、


2ちゃんねるの就活偏差値


みたいなものが頭の中に作られていきます。


f:id:hideyoshi1537:20180413235954p:plain


この就活偏差値が高い会社を指して


「社格が高い」


と判断されているようです。


そういう話を聞くたびに思うんですが、

「会社の知名度」と「中の人の優秀さ」は、年齢が上がってくるとあまり関係なくなってくるんですよね。


もちろん、有名企業に入るような人は、新卒時点では優秀な人が多いです。

本当に優秀な人は起業したりベンチャーに行くとは思いますが、それでも優秀な人が有名企業に集まる傾向は依然として強いです。


というのも、有名企業は倍率が高いので、倍率の高い面接をくぐり抜けるには、何か光るものを持っている必要があるからです。

論理的に話すことが得意とか、大学時代に何か実績を残したりとか、努力に対して耐性がある人の方が面接は有利になります。


とはいえ、「優秀な新卒」がいつまでも優秀とは限りません。

多くの人は社会経験ゼロからヨーイドンで社会に放り出され、そこから経験を積んでいきます。


大学を卒業する22歳までに身に付けた能力の上に、会社で努力して身に付けた能力が積み重なっていくわけです。


結局、その人が優秀かどうかは就職後にどれだけの経験を積んだかによるものが大きく、有名企業に入ったからといって自動的にパワーアップするわけではありません。


勤務時間の大半を社内向けの資料作りに費やしていたり、会議ばかりしたり、内部の調整のためのメールしている人がたくさんいます。

当たり前ですが、そういう仕事ばかりしていては、どんなに元の素質が高くても専門性は身に付きません。


5年、10年、20年経ってくると能力の差は顕著になって、


「有名企業でやたらと給料は高いけど、特に何もできないおじさん」


が生まれます。


解雇規制が厳しい日本の大企業では、真面目に働いている限り滅多なことでクビになりません。

整理解雇の4要件というのが有名ですね。

以下の全てを満たしていないと解雇権の濫用となる、というやつです。

  • 人員整理の必要性
  • 解雇回避努力義務の履行
  • 被解雇者選定の合理性
  • 手続の妥当性


年功序列が基本となっている場合、給料も一定のレベルまでは半自動的に上がっていきます。


なので、有名企業にいて給料が高いからといって、その人が優秀であるとは限りません。

会社が潰れたら同じ給料で働ける人は少ないかもしれません。


年功序列・終身雇用のゲームでは、


「新卒でどの業界のどの会社に入って、どのポジションにいるか」


によって、給料はだいたい決まってくるという意見にはなるほどと唸りました。



年功序列・終身雇用のゲームと対称的なのはWeb業界や外資系金融、外資コンサル業界で、転職を重ねるごとにパワーアップしていく世界もあるようです。



ここまで書いてきたようなことを念頭に置きながら、やや嫉妬混じりに、冒頭の女の子に


有名企業にいるからって優秀とは限らんぞ、

会社名で人を判断するんじゃねえぞ、

仮に20年後に会社がなくなったとして、そのときに一人の人間として尊敬できるかどうか、ちゃんと考えてんのか?


みたいなことをまくし立てて説教していたら、


いや、お前だって女のこと胸と顔で判断してるじゃん

お前が好きな胸と顔の良い女が20年後もそのままでいるかなんて考えて遊んでるの?

私は今の自分より年収が低い男とは付き合いたくないし、好きになれない。

今好きになれない人を20年後も好きでいられるはずがない、


と論破され、ぐぬぬと唸り、議論を終わらせ、とりあえず酒を飲み、二人揃って酔いが回り、その後めちゃくちゃセッ───なんてことは、当然起こってない。