プライドをゴミ箱に捨てることが、モテる男になる第一歩なのかもしれない。



親友に、非モテの道を極めた男がいる。

今までに個人的に紹介した女の子は軽く50人以上。
合コンに連れて行って合わせた女の子は300人以上はいる。

最近は、(自分がアポる見込みがない)地元でナンパして、そこで番ゲした子に

「いい奴いるから紹介するよ(・∀・)」

なんて言って、その親友を紹介している。
地味に地元に帰るたびにいつもやってる。

女の子を紹介すると、彼は喜んでくれた。


毎回毎回、

「いい報告をするよ。してみせる。次こそは」

と言ってくれた。


彼から「いい報告」が入ることはただの一度もなかった。
たった一人もゲットすることができなかった。

何も報告がないから、

「どうだった?」

と聞くと、

「ダメだった」

と言う。
その繰り返しを大学生の頃からずっと続けてる。
そんなんだけど、ずっと仲良しだ。


週刊金融日記を読んでもダメ。
ナンパ師のブログを読ませてもダメ。

真の非モテがまともにモテるようになるのは、並大抵のことではない。
ちょっとメルマガを読んだからって、人間が変われるわけがないのだ。

超サイヤ人になった悟空から光り輝くオーラが出ているように、彼は全身から非モテオーラを醸し出していた。


便宜的に、彼を「非モテ王」と名付けよう。

繰り返すが、彼は俺の親友だ。これからも何度でも女の子を紹介し続けると思う。
俺が女の子を引っ掛けられなくなるまで、ずっと。


健全な自己否定無くして成長はない。
多くのナンパ師の方々は、その能力を有しているように見える。

ダメだったときは、「自分の何がダメだったのか、どうしたらいいのか」と考え、今の自分を批判的に見て、改善につなげてる。
本当に必要なことを学ぶためには、プライドを捨てて人に教えを請う。

そっちの方が上達が早いからだ。

つまらないプライドなんていらない。

最後に自分が幸せになって、笑うことができたらいい。

非モテ王に限らないが、非モテから脱出できない人はプライドが高い人が多いと思う。

今の自分を否定することができないから、髪型を変えたり、服装を変えたり、話し方を変えることができない。

プライドが高いから、人に教えてもらうことができない。
傷つくのを恐れ、変わる勇気がない。

でも、いつもと同じことをしていたら、いつもと同じ結果しかついてこない。


ツイッターを見ると、たまに、

「昔は非モテだった」

なんていうナンパ師の方もいる。

でも、少なくとも自分が見てきたタイムライン上では、皆、一回一回のアポを反省につなげ、次の糧にしている。


そういう人は、既に非モテではないと思う。


非モテではなく、モテる途中にいるだけだ。

人間は急には変われない。
何かをきっかけに、意識が変わり、行動が変わる。

行動が変わると、良いマインドが自分に定着する。

良いマインドが定着すると、前向きな努力を続けることができる。

努力を続けると、それが習慣になる。
習慣になったところで、自分自身が変わっていることに気付く。

それが人間的な成長ってものなんだろう。


ここで書いたようなことを、非モテ王に伝えようかずっと迷っていた。
ずっと一緒にいる親友だ。

彼の何を直せばいいかは俺が一番わかってる。

でも、彼はプライドが高くて、とても繊細だから。
優しいところもいいところなんだけど、自信がないから傷ついてしまう。

アポに失敗したって聞いたときも、なかなかダメなところを伝えられなかった。

遠回しに

「お前は何も悪くないけど、次はこうしたらもっと良くなるんじゃないかな」

みたいなことを言っていた。


彼はいつも、

「自分の何が悪いかわからない。何も悪くないはずなのに」

と言っていた。
それを聞くたびに、少し歯がゆくなった。

失敗の原因を自分の中に発見しないと、次に活かせない。

10年近く、めげずにずっと女の子を紹介してきて、経験が全く蓄積されていないことに、心のなかで軽くため息をつく。

それでも友達は、女の子みたいに、関係を切れないからなー。


「なんでそんなにXX君に尽くすの?」

と女友達に言われたことがある。

俺は女友達に毎度毎度、

「XXに紹介できそうな女の子探して」

と頼むからだ。

なんで?と聞かれてもわからない。
でも、俺が地元に帰るたびに、嬉しそうに一緒にラーメンを食いに行ってくれる。
それだけで十分だった。

それが友達だ。

彼といると、安心できる。たまにムカつくけど。
ムカつくって言ったら傷つくから言えないけど。

俺はちょっとだけ、彼よりも女の子と友達になるのがうまいから、それを利用してくれればいい。
友達が嬉しそうにするのが、俺も嬉しかった。

そういえば、前に結婚したカップルも、俺の開いた合コンがきっかけだったな、と振り返ってニヤけてしまう。
俺も誰かの幸せに貢献できてるじゃないかって。


非モテ王は、クリスマスに何人もの女の子をデートに誘って、ことごとく既読スルーやNOを突きつけられて、ヘコんでいた。

本気でヘコんていた。


いつもは慰めていたんだけど、昨日は思い切って、前から言おうと思ってたことを言った。


「お前はプライドが高すぎるんよ。そんなんゴミ箱に捨てちゃっていい。
失敗して、そこから学べばいいから。

傷つくことなんて恐れなくていい。

特にナンパしたり、デートして失敗したことで、これからの人生において致命的なダメージを受けることなんて無い。

モテるような人だって、たくさん失敗してるし、失敗から学んでる。

だから、プライド捨てて、何が悪いか認めて、直していかなきゃ。

いつまで経ってもうまくいかないよ」


昔からそうなんだけど、強く言うと傷ついて黙ってしまうから、怒ってないか、ヘコんでないかと言いながらビクビクしてたけど、今回は良い意味で心に響いたみたいだ。


プライドを捨てて改善する意識を持ってくれたら、悪いこともちゃんと言うことができる。


服装を変えて、スタイルを変えて、髪型を変えよう


と伝えた。
まずは見た目で弾かれないようにしよう。
まずは、どう考えても見た目。そこをクリアしないと、お前の人柄が伝わらない。

見た目をクリアしてから、会った時にどう振る舞うかを一緒に考えようよ。


偉そうになってしまうかな、とも思ったけど、恋愛に関しては俺の方が経験があるから。
間違ったことは言っていないつもりだった。


今、思い切って変わって、来年は美味しい思いをしよう。
俺も頑張るから、一緒に頑張ろう。

と言った。

彼も納得してくれた。
今日は服を買ってくるって言ってた。

思い切って言ってよかった。

まだ彼は、一人でナンパできるような感じではないけれど、また地元に帰るたびに、生まれ変わった彼に女の子を紹介したいな。
いや、一緒にナンパしたいな。


2015年は、自信をつけた彼と一緒に、旅をしながらナンパするのが密かな目標でもある。

実は今からすごく楽しみなんだ。