しっきーさんのブログの記事にひと通り目を通してみると、恋愛やナンパについてたくさんの記事を書かれていて面白い。
たとえばこの記事では、「異性との出会う方法」について、4つに分けて紹介されている。
1,時間と空間を共有する方法、学校やバイト先や職場、習い事、ボランティアなど
2,空間は共有しないが時間を共有する方法、Twitter、フェイスブックなどのSNS
3,時間を共有せず、試行回数を稼げる方法、ナンパ、出会い系サイト、街コン、お見合いパーティーなど
4,時間を共有せず、試行回数が稼げない方法、お見合いとか友達の紹介とか、信頼のおけるネットワークを介して出会う
そして上の記事から1ヶ月ほど遡った以下の記事では、ナンパ師の「即」を遠目で観察し、色々と考えた結果、「結局、自分のコミュニティーを延長していくやり方が一番真っ当な出会いだ」と結論づけている。
ナンパをしたことがある人が一度は感じたことがあるジレンマのようなものが、これでもかというくらい詳細に書かれていた。
宮台真司『愛のキャラバン』を読んで、ナンパを批判したり恋愛を語ったりしてみる - しっきーのブログ
どうやって彼女をつくればいいのか?ということに具体的なアドバイスをするなら、非常に月並みで面白くないんだけど、自分のコミュニティーを延長していくやり方が一番真っ当だと思う。出会いがない、というのはもっともなんだけど、頑張って作り出すべきだ。
下心があってもいいから、女性が多そうなところでバイトをしたり、習い事をしたり、SNSで共通の趣味のオフ会に参加したりして、知り合いをつくっていったほうがいいと思う。
自分の人脈を持って、出会いがない男の友達には紹介してあげたり紹介してもらったりなんかをして、そういう広がりをつくっていったほうがいい。
知り合いが増えれば彼女を作れる機会も確実に増える。
人と関わるのは面倒くさいし、なんらかの『責任』が発生するが、ナンパみたいなめちゃくちゃな方法よりも絶対にこっちのほうが楽だと思う。
ナンパをやっている人は、そこに割くリソースをモテそうなコミュニティーの中に入ることに注いだほうがいい。たぶん女以外のものもついてくるだろうし、そういうことに頭を使えるのがモテる男なんじゃないかと思う。
しっきーさんの恋愛工学の記事で書かれていたような問題意識は、一年以上も前からしっきーさんの頭の中にあったのである。
上の記事でしっきーさんは、
「ナンパは誠実になり得ない。なぜなら、そこに責任が発生していないから」
と結論づけている。
ナンパで彼女を作ろうなんてよしなさい、と。
耳が痛い話だ。
しっきーさんは、
コミュニティーの中にいないので、ナンパで女性をものにした後は何の『責任』も発生することがない。
だから対象の女の子をないがしろにしてもいい。
してもいいということは、せざるを得ないということでもある。そういう意味でナンパは誠実になりようがないのだ。
と書いていた。
しかし、「してもいいということは、せざるを得ないということでもある。」という点は珍しくちょっと論理の飛躍があって、「してもいいことをするかしないか」はきっと、自分の意志でコントロールできるはずだ。
なるほどたしかに、ナンパで出会いレピュテーションリスクゼロで、何の責任も発生しない女の子に対しては誠実になりづらいのは事実だ。
でも、女を「獲得したもの」として吹聴するか、自分の中に大切に閉まい、誠実に接するかは自分次第だと僕は思う。
そして残念なことに、自分のことはコントロール可能だが、「女に選ばれるかどうか」は自分でコントロールすることはできない。
さて、本題に入ろう。
ふと思いついて、こんな図を描いたので、恥を忍んで皆さんにお見せしたい。
LOVEゾーンという謎の言葉を使ってしまったが、いちいち書き直すのが面倒なのでこのままいく。
ゾーンの幅は、「女の子に恋愛対象として扱われる確率」と考えてみてほしい。
モテ男が女に受け入れられる確率は高い。
それに対して、いわゆる非モテ男子(モテ男以外の普通の人)のLOVEゾーンはこんな感じである。
恋愛は小手先だけで上手くいくという風に恋愛工学が紹介されることもある。
でも実際は、小手先を身に付けても、ちょっとマシになる程度だと思っている。
さて、そんな非モテが女の子にアプローチをかけたとする。
結果、こうなる。
モテ男がアプローチした場合はどうなるだろうか?
こうなる(緑の矢印)
しっきーさんは、以前の記事で、出会いは「自分のコミュニティーを延長していくやり方が一番真っ当だと思う」と述べていた。
たしかに、真っ当だ。
でも、自分のコミュニティで頑張っても、俺を含めたモテない人の多くはこうなる。
自分のコミュニティで頑張っても、指せる矢印はせいぜい年に2本くらいしかないだろう。
それ以上矢を撃つと、キモい男のレッテルを貼られ、手当たり次第に告白するクソ野郎に認定されてしまう。
しかし、だ。
ナンパは、ナンパこそは、元々「持たざる者」がモテ男以上の女の子を手に入れるための、たった一つの逆転の方法だと僕は思う。
2本の矢だとささらないかもしれない。
だが、これならどうだ?
刺さるッ!!!
・・・たくさん撃てば、刺さるのである。
ナンパはたしかにフリーランチかもしれない。
責任もリスクも負わない出会いかもしれない。
しかし、ナンパは所属しているコミュニティでは刺さらない矢を放つ機会でもある。
その矢はもしかしたら、誰かを幸せにするかもしれない。
恋愛工学は宗教的だと言われる。
たしかにハタから見たら気持ち悪いかもしれない。
でも、宗教のように信じることは、人を動かす力にもなる。
アプローチの矢は、勇気がないと放つことができない。
恋愛の弓は勇気で引き絞るからだ。
そして、恋愛工学の宗教性(=強く信じられていること)は何割かの読者に、その弓を引き絞る勇気を与えたはずだ。
読者同士の交流も、一人では踏み出せない一歩を踏み出すきっかけになったことと思う。
宗教はきっとそれ自体が人を救うものだけど、恋愛工学は信じるだけでは救われない。
信じた結果、自ら行動を起こすことによって、恋愛地獄から救われる可能性がある。
宗教っぽいことかもしれないけれど、強く信じることは行動を促す。
むしろ、宗教的だからこそ、恋愛工学は恋愛指南として最も成功したんだと僕は思う。
ただのテキスト媒体で、ここまで読者に具体的な行動を後押ししたという点で、恋愛工学は革新的だった。
まぁ実態は、宗教というよりは、しっきーさんがこの記事で嫌悪感を抱いていた、サークルのノリに限りなく近いものだと思うけれど。
(とはいえ、信じる心が暴走して、大変な事態にならないようにルールを守っていくことが大事ですよね)
最後に、僕は上の記事で「ナンパっていいじゃん」と声を大にして主張したけれど、しっきーさんは「ナンパするよりも、その時間で真っ当な出会いの場を作る努力こそが大事」と述べていたことも付け加えておきたい(さすが主張に抜け目がない)
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最後に、前の記事にいただいたコメントを紹介します。
引用させていただいたしっきーさんからのコメントをいただきました(ありがとうございます)
しかし今の恋愛工学やナンパブログは、宗教的な高揚感にライドできたり、自己申告で僕ってすごい!ができたりするからこそ流行していると思うので、本当に理論と情報だけを求めている層がそれほど多いのかは疑問です。
うーん、そう言われると、僕には反論できません。
中から見るとナンパブログ系と恋愛工学系はまた毛色が違ったりするのですが、外から見ると変わらないですよね。。
たしかに「こんな美女とヤった俺すごい!」という欲求を表現している人もいると思います。
そうじゃない人もいると思います。
理論と情報だけ求めている層は・・・少ないのかな。
そもそも「理論と情報だけ求めるのが正しいあり方なのか」という点も考えさせられます。
「有用な理論を提唱した人が評価される」というインセンティブの元、それぞれが理論を検証するフリー&オープンソースのコミュニティならそれなりに面白くなるのではないでしょうか。
この発想はなかったので、目から鱗が落ちました。
絶対ありえないとは思いますが、恋愛工学のオープンソース化の発想は面白いですね。
コミュニティに最も貢献した人が評価される、オープンでフラットな仕組みがあれば、より一層発展するかもしれません。
ただ、中川淳一郎が「ウェブは馬鹿と暇人のもの」という本で述べているように、オープンソースが成功したのは「頭の良い人」が協力してプログラムを作っていったからで、彼が言う「馬鹿」や「普通の人」が集まったところで、まともな意見は生まれない可能性があります。
その意味で、藤沢さんは価値ある情報をまとめる編集者としての付加価値を発揮しているとも言えます。
それは藤沢さんにとって都合の良い情報かもしれないけれど、同時にゴミもスクリーニングしてくれます。
金融日記メルマガ読者のケーゴさんもコメントをくれました。
Kgoのフィールドレポートとコミットメントというブログを書いています。
ケーゴさんも以前、今回とは全然別の件で、恋愛工学批判についての記事を書いています。
・今さらながら、「恋愛工学」への批判について思うこと
http://blog.livedoor.jp/kgo_number10/archives/1026280096.html
ケーゴさんのコメントの紹介です。
盲目的にならず、自分の頭で考えて行動することが必要だと思います。
よく、「信者」という単語が出てくるけど、読者の多くはきっと、盲目的にはなっておらず、メルマガの内容を自分なりに理解して、実践して結果が出たことがあるから、著者の考えに納得しているんだと思います。
だから私も含めて、読者の方は「信者」と言われるとみんな不快に感じていると思います。決して盲目的に従っているわけではなくて、多くの読者は自分の頭で考えていると思うので。
その通りでしたね。
前の記事で、「ビジネスライクに接するべき」なんて偉そうに書いてしまって、すみません。
皆、大人のビジネスマンです。
自分の頭で考えて、自分で必要な情報を取捨選択して使っているのだと思っています。
最後に、しっきーさん、こんなネタのような記事に巻き込んですみませんでした。
どうしても、あの絵を記事にしたかった。
これからも、鋭い記事を楽しみにしています。