アマン東京ザ・ラウンジのブラックアフタヌーンティー頼んでみたけど、甘すぎて食べきれなかった話



何かきっかけがあったときは、

「とりあえずやってみる」

ということが重要だと思ってます。


たとえば、尊敬する先輩が「この本よかったよ」なんて言ってたらとりあえず買って読んでみる。
信頼している友人が「この映画本当に面白かった」なんて言ってたらとりあえず観てみる。

ネットで調べて済ますのではなく、一度自分で体験してみることで、生きた感想を話すことができるようになります。

「あの映画、面白いらしいよ」

「あそこのレストラン、すごく美味しいらしいね」

なんて伝聞調で話すよりも、

「ジュラシックワールドの迫力マジですごかった!恐竜の足が出てきたときに地面が揺れて、一緒に椅子も揺れて、遊園地にいるみたいだったわ」

「神楽坂のラリアンスってレストラン、出てくる料理一つ一つが震えるほどうまくて、メインの肉料理食べた時はうますぎて涙出た」

みたいに、自分を主語にして話せた方が臨場感があって面白いですよね。

食べログのレビューみたいに、誰かの体験を聞いたり読んだりする二次体験は手っ取り早く情報収集できるのですが、やっぱり自分で経験して、生きた情報を自分の言葉で語りたい。

そんなことを考えているため、一次体験を重視していきたいと思っているわけです。

それで、実際にやってみて、自分に合わなくても別にいいんです。
「自分に合わない」という経験が積めたなら、それを自分の言葉で話せばいい。

自分が実際に経験することで、

「みんながすごくいいって言ってたけど、自分にはイマイチ合わなかった」

という経験を蓄積することができます。

食べログのレビューだけ見てると、「みんながいいと思うものは僕もいい」となってしまい、自分自身の判断基準を作っていくことができません。

ここまで長々と前置きして薄々感づいた方もいるかもしれませんが、実は最近、みんな大好き「アマン東京」に行って来ました。

とある飲み会の席で、とても尊敬する方から「アマン東京」という店の名前を聞いたことがきっかけです。

で、アマン東京の「ザ ラウンジ」は女性に人気のようで(二次情報)、ネットで検索すると「予約3ヶ月待ち」のような文言が出てきます。

昔はほとんど予約が取れなかったみたいですが、2016年現在は普通に予約サイトで予約できます。

restaurant.ikyu.com


「よっしゃ行ったろ」と思い立ったのが3日前でしたが、予約は大丈夫でした。


で、このアマン東京、ネットで調べるとものすごい絶賛レビューの嵐です。

icotto.jp

これも。

http://hotelkakuyasu2012.blog.fc2.com/blog-entry-84.htmlhotelkakuyasu2012.blog.fc2.com

これも。

retrip.jp

これも。

大人気ですよね。


絶賛レビューした人たちにぶっちゃけて聞いてみたいことがありまして。


...たしかに、形はすごかった。
靴の形をしたチョコや、バッグの形をしたチョコ、すごく凝ってた。
めっちゃ写真映えした。


...でもね。


...本当にこれ、全部食べた?


ものすごい形に凝ってるのはわかるし、職人芸だと思います。
チョコの芸術です。

けど、上段のチョコ食っただけでお腹いっぱいになってしまいました。


そしてもう一つ、聞きたいことがあって。


これ、本当に美味かった...?


いや、形はすごかったけど、味は普通じゃないか?

高級感があるというか、味が濃くて濃すぎて濃ゆすぎて。

個人的にはコンビニのポッキーとかアポロの方があっさりしてて好きなんだけど、これは僕が貧乏だからでしょうか。

上に貼り付けた紹介記事を見てもみんな、揃いも揃って

「食べるのがもったいない」

と書いてるけど、もしかして、正直なことを言うと、全部食べられなかったんちゃうんかいと思ってしまいました。

周りの人を見渡してみたけど、この三段になったチョコ、全部食べきってる人は誰一人としていませんでした。


で、思ったんですが。

ネットでは決して語られないアマン東京の本当の価値。

それは、


アマン東京は、写真映えする思い出のために存在する


ということです。

味じゃないんです。
だって味は、写真じゃ伝わらないから。

大手町タワーの33階から見える綺麗な夜景をバックに、美しい造形のお菓子の写真を撮り、Instagramにアップする。

そこにアマン東京の真の付加価値があるんです。

男がうまいもんをバクバク食べるつもりで行っても失望します。
だって、味は普通だもん。しいて言うならパンが美味かったくらい。

しかし、景色を見て、お菓子を傍らに置きながら女子会をするなら話は別です。

「私たちは今、とっても素敵な場所にいる」という「非日常的な体験」。

そこに、アマン東京の価値があります。
素敵な場所で過ごす"上質なひととき"

そんな"上質な時間"こそが、アマン東京の隠しメニューなのではないでしょうか。

ちなみにお茶やコーヒーは飲み放題でいくらでもおかわりできます。
色んなお茶を飲みながら、食べきれないお菓子をつまみ、お話する。

こんな素敵な場所で、素敵な女子会している私達

を存分に堪能することができます。

そして、恋人と一緒に素敵な場所でデートした思い出。
「ここに来た」というメモリアルな体験。

そこにアマン東京の価値があるのです。

客層も素晴らしく、ゆっくり紅茶を飲みながら話ができます。

ここまで書いてきて、僕は目的を間違っていたことに気付きました。

アフタヌーンティーは食べるためにあらず、喋るためにあるのだと。

うまいもん食いに行こ、なんて考えて、食べることを目的とした時点で失敗なんです。

良識のある大人が、静かで美しい空間で、良識のある会話を楽しむための「場」を提供するのがアマン東京なんです。

何度も書きますが、その「場」にこそ付加価値がある。
汐留の高層ビルの最上階にあるバーのカクテルが異常に高いのも同じ理由です。

「場」にお金を払っているんです。

僕はなんて浅はかだったんだろう!
ただおやつを食べたいのなら、ポッキーをたくさん食べればよかったんだ!


さて、アマン東京のブラックアフタヌーンティー。
1時間以内に食べ切れる人はほとんどいないと思いますが、お持ち帰りはできません。

僕が好きなレストランは、食べきれなかったデザートを包んで渡してくれたので、それと比べてしまうと正直不満です。
食事が目的で行くならね。

でも、「場」を楽しみに行くなら、何の不満もありません。
静かで接客も良く、客層も良い。

形に凝ったチョコを見て、一口ずつ色んなお菓子の味を楽しむ。

そんなエンタメとして行くなら、「the lounge by aman」はとても素敵な空間です。

くれぐれも目的は間違えないようにしましょう。



*住所
東京都千代田区大手町-5-6 大手町タワー33F

*電話番号
03-5224-3339

*営業時間
[ラウンジ]11:00~21:00
[バー]12:00~24:00

*ランチ営業、日曜営業
http://tabelog.com/tokyo/A1302/A130201/13180843/tabelog.com