ここ数年、僕の中で食べログの信用が著しく落ちている。
レビューの平均点が高くても良い店とは限らないし、お店のトップページに表示されるレビューの内容が店の実態を表しているともいえない。
高価なレストランには妙に高評価なレビューが並び、店の味や雰囲気よりも「高い店に行った自分を誇っている」ようにも感じる。
パパ活に精を出す女子大生がキラキラした店に行った自分を自慢しているみたいだ。
本当に自分のお金で店に行ったのかもわからず、信用ならない。
以前は「食べログの評価が3.2を超えたらまともな店」というイメージがあったが、今ではそれも当てにならない。
というか、もはや食べログのレビューは「第三者の意見を広く集めるもの」として機能しておらず、お店のPRツールになっているフシがある。
先週、久しぶりに男友達と飲みに行くということで、とりあえず食べログの評価が3.5で予算が4,000円程度の店を予約した。
「食べログ3.5なら大丈夫だろう」
という思い込みで安易に予約したことを後悔することになる。
店員の対応は緩慢で、呼んでも人が来ないし、飲み物は運ばれてこない。
料理はお世辞にも美味しいとはいえず、出てきたサラダはパサパサで、牧場の牛の方がよっぽど良い草を食べてそうだと思った。
「なんでこの店が食べログ3.5なんだ...?」
と帰宅してから不思議に思って、Google Mapで出てくるレビューを見てみると、ひどい評価だった。
そしてこの「ひどい評価」こそがまさに僕が見てきたお店の真実の姿なのだ。
最近はどのレビューサイトも真実を見極めるのがとても難しい。
食べログやGoogle Mapのレストランの評価は「悪い評価」がより実態を表しているように見えるが、
一方アマゾンなどの書籍の評価だと「アンチを多く抱えている著者」は内容を見られることなく悪い評価をつけられてしまう。
かといってアマゾンなどの「良い評価」はいわゆる信者的な人達のステマである可能性も否定できず、何が真実なのかがわからない。
僕のこれまでの数々の失敗から読者の方々に何か教訓を与えられるとしたら、
少なくともレストランの予約に関しては、
- 食べログのレビューで安易に店を決めない
- ぐるなびの「内観」の写真は信用しない
- 予約する前にGoogle Mapに表示されるレビューを確認する
ことを心がけてほしい、ということだ。
加えて、ツイッターやインスタグラムのハッシュタグなどをうまく使って店の情報を検索するのがいいと思われる。
仲の良い友達と飲む分には、店選びを失敗しても笑って済ましてくれるものだが、合コンで店選びを失敗すると致命的だ。
それに仲の良い友達だからといって不快な店で過ごすのは、せっかくの貴重な時間がもったいないだろう。
一度店に入ると、そこで2〜3時間は過ごすことになる。
ネットで情報収集する時間は10分だ。
3時間を充実させるために、10分の手間を惜しまないようにしよう。
東京の居酒屋で地雷を避けるポイント
東京で長々と生活してきた経験から断言できるのは、
- 東京で、一人あたりの予算が3000円程度の店は地雷が多すぎる
- 地雷臭を敏感に嗅ぎ取り、必ずGoogle Mapのレビューを確認しなければならない
ということだ。
僕は以前、初めて会う女性と飲みに行ったときに「ぐるなびの罠」にハマった。
ぐるなび上ではとてもオシャレで雰囲気もよく、それでいて価格帯は3,000円前後という素晴らしい店に見えた。
が、実際に行ってみると壁はボロボロで、料理はパサパサで、ソファは破れ、居酒屋というか閉店間際の田舎のカラオケのような店であった。
渋谷、恵比寿、新宿、銀座、新橋などの繁華街で3,000円台、かつ「写真で見ると雰囲気が良さそうに見える店」は、99%地雷だと思ったほうがいい。
価格帯を落としたいなら思い切って高架下や横丁的な居酒屋で飲むのが無難だろう。和民などのチェーン店の方がまともな場合が多い。
口コミサイトの信頼性が低いなら、僕たちは何を信じればいいのか
食べログのような口コミサイトはステマがひどく、店の実態を表していない。
アマゾンも中国製の製品には日本語が怪しいレビューが大量に並び、何がいいのか悪いのかは実際に買ってみないとよくわからないのが実情だ。
さらに意見を集めようとGoogleで検索しても、首を傾げてしまうようなサイトが検索上位に表示されることもあり、正直言って今のインターネットは何を信用すればいいのかわからない。
これからの時代、信じるに値するのはネットではなく人だ。
信頼できる人を見つけよう。
具体的には「自分と嗜好の近い友人の評価」が第三者の情報として一番信頼できる。
デートに使える店の情報が欲しいなら、たくさんデートしている友達に聞こう。
ケチな友達に聞けば安くてコスパの良い店を教えてくれるし、オシャレな友達に聞けば雰囲気の良い店を教えてくれる。
ネットが信頼できないなら人を信頼するしかない。
悪質なステマやSEOのハックによって、「ネットの第三者の情報」の信頼度は危機的な水準にある。
かつて「ウェブ2.0」が信じたネットの世界は、
「善意の第三者が集まると悪質な情報は自然と淘汰され、真実の情報だけが残る」
といった牧歌的なものだった。
しかし現在のネットには全く違う世界ができあがっている。
ネットの悪意はとどまるところを知らず、悪貨が良貨を駆逐しつつあるのだ。
これからの時代は人への回帰が起こるのではないか。
レビューの評価が良いからといってその店や商品を信頼することはできない。
同じように、インスタグラムやツイッターのフォロワーが多いからといってその人が信頼できるとは限らない。
ネットで人からヒントを得るときも、フォロワー数の多寡ではなく、“自分と好みがあっているかどうか”が重要な基準となる。
フォロワー数は少なくてもいい。
「この人は自分と好みが合ってるな、素敵だな」と思う人の意見を参考にするのがいい。
そして最も価値があり、最も信頼性が高い情報は「自分の経験」であることは忘れてはならない。
アマゾンで気軽に買い物ができるかといって、よく調べることもなくポンポンと物を買うのではなく、実際に店に行って手にとってみよう。
本屋で立ち読みしてから本を買おう。
自分が実際に使ったことのある店を新規のデートに使おう。
自分の足で稼いだ情報には、嘘が入る余地がないのだ。
ネットでなんでも調べられる時代だからこそ自分の経験が大事になるのであり、ネットでどんな情報もヒットするからこそ、個人としての信頼が差別化要因になる。
もし口コミサイトを使って店を選ばざるを得ない場合があったとしても、一つのサイトだけではなく複数のサイトを見比べて、地雷を避けるように心がけよう。
店選びは加点を目指すよりも、減点を避けた方が失敗が少ない。
減点を避けたいときは、悪いレビューに着目するのがいい。
それでも口コミサイトを活用する方法
2019年8月8日に追記。
はてなブックマークに有用な情報が集まっている。
特に使えそうだと思ったのは「食べログで人を信じる」というやり方だ。
食べログは星を見るのではなく、人を見るのだと。
具体的な手順は、
(1)まず自分がお気に入りの店を見つける
(2)お気に入りの店の口コミを見て、自分と食の感覚が近い人をフォローする
(3)自分と感覚が近い人がおすすめしている店を選ぶ
というものだ。
このやり方なら、「自分と嗜好の近い人」を食べログのレビューから探すことができて、ハズレが少ないらしい。
その他に多かったのは、
- Rettyを使う
- Foursquareを使う
- インスタやツイッターで店名を検索する
などのソリューションだった。
GoogleMapも汚染が進んでおり、考えなしに信じるのは既に危険な状態になっているという。
複数のレビューサイトを活用したり、人から情報を得たり、嗜好の似ているネット上の人を見つけたり、
「星の数を信じる」
以外のお店の探し方を模索する必要がありそうだ。